2022年12月「高知市で10㎝以上の積雪」。
東北地方に住む筆者にとって、四国地方で積雪のニュースに驚くとともに、「雪かきをはじめてする方もいるだろうなあ・・」との思いが。
雪かきをしたことがある筆者でも、それは重労働で大変。ましてや、慣れていない方にとっては、とまどうこともあるのではないでしょうか。
そこで今回は、「雪かきをするときに気をつけたい5つのこと」と「雪かきの定番道具」をお伝えします。
雪かきは、姿勢や雪のすて場所に気をつけないと、ケガやトラブルを引き起こす可能性もあります。
安全に雪かきをする参考として、ぜひご覧ください。
雪かきのやり方~気をつけたい5つのこと~
ではさっそく、雪かきをするときに気をつけたい点をみてみましょう。
雪をすくうときは、ヒザをまげて(体全体をつかう)
雪をすくうときに、腕の力だけで持ちあげようとするのは、腰に負担がかかるとされています。
そのため、雪かきをするときは、腰ではなくヒザをまげることを意識しましょう。
腰をまげた前かがみの姿勢では、腕の力に頼ることとなり、雪を持ち上げるのが辛く感じるものです。
ヒザをまげることによって体全体の力をつかうことになり、作業がしやすくなるでしょう。
雪をすてるときは、腰をひねらない
雪かきの範囲がせまいと、すくった雪をなげるときに、腰だけをひねって雪を放りだしがちです。
しかし、雪をもったまま腰をひねってしまうと、雪の重さや勢いによって腰を痛める可能性があるのです。
したがって、雪をすてるときには、投げるほうに体の正面をむけることを意識しましょう。
厚着をしすぎない~雪かきは汗をかくほど重労働
雪かきは全身運動であり、そのエネルギーは安静時の6倍ともされており、たとえ寒い外の作業であっても汗をかくほどです。
そのため、暑くなることを想定して、できれば吸水性や速乾性のある肌着を着て、マフラーをするなど暑くなったときに調節しやすい格好がよいでしょう。
目の前だけに集中しすぎない~事故をふせぐ
道路に面した場所では、雪かきの最中でも、車や自転車の通行・歩行者に気をつけましょう。
「夢中になって後ろを見ないで下がり、通ってきた自転車と衝突」といったことにも、なりかねません。
とくに、帽子をかぶっていると周囲の音が聞こえにくくなるため注意が必要です。
早く終わらせたいのは山々ですが、ときどき周りの状況を確認するくらいの気持ちがよいでしょう。
雪は道路になげすてない~法律違反で罰則も
雪かきで生じた雪は自宅の敷地内にまとめる、または自治体から指定された場所にすてるようにしましょう。
道路に雪をなげすてることは「交通のさまたげになる行為」として、罰則の対象になります。
「通る車に踏みつけてもらおう・・」という軽い気持ちでやったことが、重大な事故をまねきかねないのです。
下記に、この点について規定している法律(罰則)を示します。
●道路交通法
禁止行為(76条3項)
『何人も、交通の妨害となるような方法で物件をみだりに道路に置いてはならない。』
引用:e-GOV『道路交通法』 ※太字は筆者加筆
<罰則>『三月以下の懲役又は五万円以下の罰金に処する。』(119条2項6号)
禁止行為(76条4項7号)
『前各号に掲げるもののほか、道路又は交通の状況により、公安委員会が、道路における交通の危険を生じさせ、又は著しく交通の妨害となるおそれがあると認めて定めた行為』
引用:e-GOV『道路交通法』 ※太字は筆者加筆
<罰則>『五万円以下の罰金に処する。』(120条1項10号)※法人の場合は123条が適用。
●道路法
禁止行為(43条)
一 みだりに道路を損傷し、又は汚損すること。
引用:e-GOV「道路法」 ※太字は筆者加筆
二 みだりに道路に土石、竹木等の物件をたい積し、その他道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞のある行為をすること。
<罰則>『一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。』102条3項
ここまで、雪かきをするときに気をつけたい5つのことをお伝えしました。
雪かきの道具~スコップ・スノープッシャー
ここからは、雪かきの定番道具をみてみましょう。
ホームセンターなどでも手に入れやすい、2つのタイプをご紹介します。
スコップは雪の硬さで使い分け
雪かきと言えば、まずはスコップを思い浮かべるのではないでしょうか。
スコップにはプラスチック製やアルミ製、スチール製などがあります。スチール製は硬い雪にも対応できますが、その分重くなります。
雪がそれほど多くなかったり、やわらかい状態ならプラスチック製でもよいでしょう。
プラスチック製でも先端に金具がついたタイプであれば、硬くなった雪を砕くのに役立ちます。
なお、雪を持ち運ぶときは、一度にたくさんではなく少量ずつにすることで、体への負担も軽減できます。
雪を押し出す「スノープッシャー」
形がスコップよりも横長になっている「スノープッシャー」。
スノープッシャは、スコップのように雪を持ち上げるのではなく、雪を押し出しながら移動させることができます。
地面が砂利ではない所や雪かきの範囲が広い場合などに適しているでしょう。
使うときは腕の力だけでなく、体全体の力をもって押し出します。
まとめ|雪かきのやり方を知りケガやトラブルをふせごう
今回は、下記の5点と雪かきの定番道具をお伝えしました。
雪かきをするときに気をつけたい5つのこと
1.雪をすくうときは、ヒザをまげる。
2.雪を捨てるときは、腰をひねらない。
3.厚着をしすぎない
4.目の前だけに集中しすぎない
5.雪は道路になげない
雪かきは、できれば雪が硬くなるまえにおこなうのがベストですが、悪天候のなか無理にするのは控えましょう。
体調不良につながりやすくなるほか、焦る気持ちから腰を痛めたり、車や自転車などと接触するリスクが高まってしまいます。
雪かきの大変さは、同じ地域に住む人たちに共通しているものです。
雪を道路に放り投げない・近所の敷地内にまでおかないといったルールを守り、お互いにできる範囲で協力しあいながら、安全に気持ちよく冬を乗りこえていきましょう。
【参考文献】
ウインターライフ推進協議会「除雪のコツおしえます。」
札幌市公式ホームページ
北海道公式ホームページ
(以上)