電子レンジの爆発や火災の原因になる食材・物を解説~発火時にNGな行為~

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電子レンジは、一家に一台はあると言われるほど、現代の生活に不可欠なものです。しかし、間違った使い方によって爆発・火災が発生し、死亡事故までおきています

そこで今回は、それらの原因となる食材や物、どうやったら防ぐことができるのか解説します。

爆発・火災の原因を知り、安心して便利な電子レンジを使っていきましょう!

目次

電子レンジで飲み物を温めるときは「突沸(とっぷつ)」に注意

電子レンジで飲み物を温めるときは、「突沸(とっぷつ)」に注意が必要です。「突沸(とっぷつ)」とは、加熱した液体が突然、爆発したかのように吹き出す現象です。

電子レンジの庫内でおこることもあれば、温めていたものを取り出した瞬間になることもあります。電子レンジの故障や、やけどした事例もあるため、突沸(とっぷつ)をおこさないようにすることが大切です。

突沸(とっぷつ)の主な原因は加熱しすぎ

突沸(とっぷつ)の主な原因は「温めすぎたこと」です。

通常、液体は沸点に達すると沸騰します。沸騰したお湯から、ブクブク気泡が出ている様子を思い浮かべると、わかりやすいでしょう。

ですが、加熱時間や容器の形状・料理の特徴など、条件がそろうと沸騰せず、熱が中にこもっていく場合があるのです。

そこに、コップを持ち上げる、砂糖を加えるなどの刺激が加わると、一気に沸騰がおこり「突沸(とっぷつ)」を引き起こしてしまうのです。

独立行政法人国民生活センターの動画では、突沸(とっぷつ)の様子を4パターン公開しています。

最初のシーンでは、コーヒーを温めすぎて突沸(とっぷつ)がおきた様子です。炭酸飲料を振った後かのように、コーヒーが吹き出しています。ぜひ、ご覧になってみてください。

【参考動画】独立行政法人国民生活センター「食品加熱時の突沸に注意(動画)-高解像度版」
https://www.kokusen.go.jp/douga/20141204_1_news/n-20141204_1_high.html

突沸(とっぷつ)はカレーやシチューでも起こる

カレーやシチューのようにドロッとした(粘度が高い)食材・料理でも、突沸(とっぷつ)はおこります。これらは、ドロドロしているため、全体に熱が伝わりにくく熱がこもりがちです。

これらを温めるときは、ラップをかけ少しずつ加熱するようにしましょう。

突沸(とっぷつ)は電子レンジだけの現象ではない

突沸(とっぷつ)は、電子レンジに限らず、ガスコンロやIHクッキングヒーターでもおこります

先述の、独立行政法人国民生活センターの動画には、IHクッキングヒーターでおきた突沸(とっぷつ)の様子があります。

お味噌汁を温めていると、グツグツと煮えている様子がないにも関わらず、急に鍋が飛び上がるとともに、中身が激しく吹き出しています。側に立っていたら、やけどをしてしまうでしょう。

【参考動画】独立行政法人国民生活センター「食品加熱時の突沸に注意(動画)-高解像度版」
https://www.kokusen.go.jp/douga/20141204_1_news/n-20141204_1_high.html

突沸(とっぷつ)を防ぐには、かき混ぜて少しずつ温める

突沸(とっぷつ)させないためには、長時間の加熱を避ける、途中でかき混ぜることです。

電子レンジでの時間設定は、忙しいと、つい長めに設定していないでしょうか。一度、時間に余裕があるとき「ちょっと短いかな?」と思うくらいの時間設定で少しずつ温め、ちょうどよい時間を知っておくと良いでしょう。

電子レンジでは使えない食材~爆発・火災を防ぐ対処法

ここでご紹介する食材は、そのまま電子レンジで温めると爆発したり、発火して火災につながる危険があるものです。

そうならないためには、温めすぎない、切り込みを入れたり水を加えるなどの“ひと手間”が必要です。

また爆発によって、電子レンジの庫内に飛び散ったものは放置せず、拭き取っておくことが大切です。そうしないと、電子レンジを使用するたび加熱され続け、発火する危険があります。

それでは、具体的な食材を見ていきましょう。

卵は生卵だけでなく、ゆで卵でも爆発する

卵は、殻を割っていない状態はもちろん、殻をむいた“ゆで卵”であっても、電子レンジで加熱すると爆発してしまいます。

下の事例は、東京都がおこなった電子レンジの使用に関するアンケートに寄せられたものです。

事例①

生卵を加熱していてタイミングよく早めに取り出したと思ったのに、取り出した直後に大爆発!キッチンの天井まで卵が届き、私はびっくりして手を離してしまったので、食器も壊れて しまった。

東京都生活文化局消費生活部 「 電子レンジの安全な使用に関する 調査報告書(平成 27 年10 月) 」12頁

事例②

ゆで卵の温めが危険と知らずに、庫内で爆発した。また、ゆで卵を短い時間設定で温めたが、外に出した途端に爆発し、卵の白身等が手に当たりやけどをして、卵は広範囲に飛び散った。

東京都生活文化局消費生活部 「 電子レンジの安全な使用に関する 調査報告書(平成 27 年10 月) 」12頁

たとえ短い時間であっても、生卵・ゆで卵は爆発してしまうことが、よくわかる事例と言えるでしょう。

ケガをしてから後悔することがないよう、生卵・ゆで卵は電子レンジで調理・加熱しないようにしましょう

膜でおおわれている食材~ウインナー・たらこ・イカなど

次の食材は、薄い膜や皮でおおわれているため爆発の危険があります。

電子レンジでは爆発の危険がある食材(一例)

  • ウインナー、ソーセージ
  • たらこ、明太子、ササミ、皮付き鶏肉
  • イカ、 なす、おくら、トマト
  • ぎんなん、栗 など

これらの食材を、電子レンジで温めるときには、長時間の加熱は避け、切り込みを入れる・爪楊枝などで穴をあけるようにしましょう。

水分が少ない食材~いも類・にんじん・ドライフルーツなど

水分が少ない食材を電子レンジで加熱すると、焦げたり発火の危険があります。火災につながる可能性もあることを頭に入れておきましょう。

電子レンジでは焦げたり発火の危険がある食材(一例)

  • いも類(ジャガイモ、さつまいもなど)
  • にんじん
  • にんにく
  • ドライフルーツ など

先述の東京都がおこなったアンケートでは、離乳食に使用した、にんじんが焦げたという事例があります。離乳食の調理は小量になるため、より焦げやすくなってしまいます。

これらの食材を、電子レンジで温めるときには、水をかけたり水に浸す、長時間の加熱を避けるようにしましょう。

電子レンジで使えない物~身近にある素材・容器

電子レンジで発火の危険があるのは、食材だけではありません。身近なものが発火の原因になるため、「電子レンジで使えないもの」をしっかり確認しておきましょう。

電子レンジで使ってはダメ!

  • アルミホイル

おかずを入れる「おかずカップ」にはアルミ製のものがあります。また、クリスマス時期に売られている鶏肉にアルミが使用されていることも。うっかり、電子レンジに入れないようにしましょう。

!注意!
電子レンジでカップ麺を調理して火災になり、住人が死亡するという事故が発生しています。カップ麺の蓋にアルミが使われており、そこから出火したとみられています。インスタント・レトルト食品類は、決められた調理方法でおこないましょう。

  • 金属容器(ステンレス製・アルミ製)

調理器具のステンレスボールなど、金属容器は使用できません。また「金銀で装飾された皿」も、装飾部分から発火する危険があるため、よく見るようにしましょう。

  • 缶・ペットボトル

 ペットボトルは、たとえホット専用であっても使用できません。変形・爆発し、やけどの恐れもあります。 

  • 電子レンジに対応していない容器(プラスチック・紙・木・漆)

コンビニで売られている、電子レンジで調理してから食べる料理の感覚で、スーパーなどのお総菜を長時間、加熱してはいけません。溶けた容器で、やけどをしたという報告もあります。

電子レンジ内のものが燃えている!やってはいけいない2つの行為

万が一、電子レンジを使用中、中で発火していたときの対処法をお伝えします。

注意すべき点は次の2点。

・電子レンジの扉を開けるのはNG!
・水をかけるのはNG!

火を見た瞬間、火を消そうとして、電子レンジの扉を開けようとするかもしれませんが、これはNG行為です。 庫内に空気が入り、さらに燃えてしまいます。また、取りだそうとして、洋服に火がついてしまう危険性も。実際、この「着衣着火」による死亡事故も発生しています。

発火している電子レンジの扉を開けることは、命にかかわる危険な行為と認識しましょう。

また、 水をかけてしまうと熱いガラス面が急激に冷やされ、ガラスが割れる危険があります。

東京消防庁のホームページには、電子レンジ火災時の対応として次のように記されています。

電子レンジ火災時の対応

①扉を開けずに電源を遮断する
②扉を閉めたまま、あわてずに庫内の様子を見る
③火が消えなければ、扉を閉めたまま、消火器などの消火器具を準備する
 ※万が一火災が発生したときは、119番通報してください。

東京消防庁「火災に注意!電子レンジを安全に使用しましょう!」

火災時の対応を知っておくことは大切ですが、まずは火を出さないよう、細心の注意をはらいましょう。

まとめ

飲みものやカレーなどが一気に吹きだす突沸(とっぷつ)、皮膜がある食材での爆発、水分が少ない食材からの発火、いずれもケガや死亡事故まで発生している危険なものです。

それらを防ぐためには、使ってはいけない食材・物を知るとともに、食材の特徴にあわせた“ひと手間”を加え、長時間の加熱は避けることが必要です。

もし、発火してしまったら、➀電子レンジの扉を開けない ➁水をかけないこと。

電子レンジでの火災につながらないよう、正しい使い方を知って事故を防ぎ、便利な電子レンジを使っていきましょう。

【参考文献】

独立行政法人 国民生活センター「食品加熱時の突沸に注意(動画)-高解像度版」https://www.kokusen.go.jp/douga/20141204_1_news/n-20141204_1_high.html

東京都生活文化局消費生活部「平成26年度調査報告書 電子レンジの安全な使用に関する 調査報告書」平成 27 年 10 月https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/anzen/test/documents/densirange_cms_houkokusho.pdf

東京くらしWEB:知っていますか?電子レンジの危険な使用方法!~「使用上の注意事項」をよく確認し、正しく使用しましょう~https://www.shouhiseikatu.metro.tokyo.jp/anzen/test/densirange_press.html

東京消防庁「火災に注意!電子レンジを安全に使用しましょう!」https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/topics/201703/

(以上)

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この記事を書いた人

東北出身&在住フリーライター。
広告代理店・NPO・行政で勤務後、在宅ワーカーに転身。
妊娠中に東日本大震災に遭い、津波から避難・仮設住宅で子育てをする。
本サイトでは「命を守るために知っておきたいこと」「日常に潜むリスクへの備え」などについて発信します。
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