漏水とは?セルフでの調べ方、漏水時の行動をまとめて解説

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ライターの永野です!

住宅設備に欠かせないものの1つに水回りがありますが、そのトラブルは深刻です。我が家は幸いまだ水道のトラブルには見舞われていませんが、友人宅では「洗面所の水が出ない」とのことで、修理屋さんを呼ぶという事態が。「割と身近なことだな」と感じました。

水が流れないのも深刻ですが、個人的には「水が止まらない」「水漏れしている」というのも、水道料金に影響するといった観点からも、注意が必要だと思っています。

「漏水」と聞くと、多くの方はどういった状態かある程度想像できるでしょうが、具体的にどういった問題があるのか、自分で調べる方法はあるのかなど、気になる点も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、漏水とは何か、調べ方などの情報をまとめました!漏水によって水道料金がとんでもなく跳ね上がってしまった場合には、条件を満たせば支払いを回避できるようです。こうした「漏水後の行動」も含め、さまざまな内容を解説していきます。

目次

漏水とは「水が外部に漏れ出す現象」

漏水は、本来水があるべき場所から外部に漏れだす現象をいいます。たとえば、水道管やトイレのタンク、お風呂などで、水が止まっている状態のはずなのにちょろちょろと水が出ている、管の途中から水が漏れているのが、漏水です。

家庭内はもちろん、オフィスや公共の施設など、どういった場所にも水回り設備は欠かせません。また、衛生設備にも配管は多いので、どういった場所でも漏水は起こる可能性があります。

漏水の原因は大きく3つ

漏水はなぜ起こるか、大きな原因は経年劣化・施工不良・衝撃などによる損傷の3つです。水は配管を通して各設備に供給されますが、内部腐食により、時間が経つごとに劣化していきます。そこからひび割れなどが起こり、漏水が起こるというわけです。

経年劣化は古い配管に起こりやすい現象ですが、新しい配管も、接着が甘い、エア貫が不十分といった施工不良があると、漏水することがあります。接着が甘いとそこから隙間ができ、水が漏れる可能性があり、エア抜きが不十分な場合は、配管への負荷で劣化が早まるため、結果として漏水を引き起こすため注意が必要です。

台風や地震などの大きな災害も、漏水につながることがあります。配管に強い衝撃が加わることで傷みが生じ、水が漏れることもあり、災害による漏水は事前に防ぐことが難しいのも、深刻な問題です。

漏水の可能性があるのはどんなとき?

漏水はどの家でも起こり得るものなので、原因を聞くと「もしかしたら我が家も…」と不安になるかもしれません。漏水が起こっている可能性がある場合には、次のような特徴がみられます。

もし、気になる点、当てはまる点があれば、漏水を疑ったほうがよいでしょう。

水漏れしているような音がする

家のなかで常に水が流れているような音が聞こえるときには、どこかで漏水している可能性があります。たとえば、トイレの水は流さない限り止まっていますが、タンクのなかからずっと水が流れる音がしていたり、床や壁の奥から水が流れる音がしていたりするなど、普段聞こえないはずの音が急に聞こえるようになった場合は、漏水を疑いましょう。

水道代が急に高くなった

普段通りの水道の使い方をしているのに、なぜか水道代が急に高くなったと感じる場合は、原因は漏水かもしれません。音もなく、パッと見ではどこも漏水していないようでも、見にくいところで漏水が起こっていることもあります。水道代の請求書などは毎月水道局から送られてくるので、こまめにチェックすると、料金の変化に気づきやすいでしょう。

水道局から連絡がきた

普段の使用量を大幅に超えた水が供給された場合、水道局から連絡がくることもあります。連絡はあくまでも「使用量が突然増えた場合の注意喚起」ですので、心当たりがある場合は問題ありません。しかし、多く使った感覚がないのにお知らせが届いたら、漏水の可能性は高いでしょう。

漏水の調べ方は?自分でできるチェック方法を解説

水の音が止まらない、水道代に影響がある場合、漏水かどうかをある程度自分で調べることは可能です。ここからはトイレやキッチン、お風呂などそれぞれの場所で、どのように漏水を調べるのか、解説していきます。

【漏水の調べ方】トイレ

トイレで漏水しやすいのは、タンクや温水洗浄便座、給水管のつなぎ目です。

タンクの漏水セルフチェック

・流していないのに便器に水が流れ続けている
・水が流れる音がタンク内からずっと聞こえている

という現象が見られたら、漏水の可能性が高い

温水洗浄便座の漏水セルフチェック

電源コードを抜いてパネルの下や便器の脇などを乾いたタオルで拭き、数分後に再度新しいタオルで拭いて濡れていると、漏水の可能性が高い

給水管の漏水セルフチェック

止水栓付近をタオルで拭き、乾いたタオルをつなぎ目に巻いた状態で時間を置く。数分後にタオルが濡れていたら、漏水の可能性が高い

【漏水の調べ方】キッチン

キッチンで漏水しやすいのは、蛇口の周りやシンクの下の給水管周りです。

蛇口周りの漏水セルフチェック

蛇口の周りをタオルで拭き、蛇口をしっかりとしめる。この状態で水がぽたぽたと垂れたり、時間を置いて蛇口付近を拭いたときにタオルに水がついていたりした場合は、漏水の可能性が高い

給水管周りの漏水セルフチェック

給水管周りをタオルで拭き、乾いたタオルを巻きつけるように置く。数分後にタオルが濡れていたら、漏水の可能性が高い

【漏水の調べ方】お風呂場

お風呂場では、シャワーや蛇口本体からの漏水が多くあります。

シャワーの漏水セルフチェック

シャワーヘッドを拭き、水が出る面(穴があいているほう)を上向きにする。この状態で水がにじみ出てきたら、漏水の可能性が高い

蛇口本体の漏水セルフチェック

蛇口の根元付近をタオルで拭き、蛇口を強く締める。この状態で水が出ていたり、数分後に蛇口本体や根本、シャワーホースのつなぎ目が濡れていたりしたら、漏水の可能性が高い

【漏水の調べ方】洗面所

洗面所では、洗面所下の給水管周りや、洗濯機のホースのつなぎ目などが漏水しやすいポイントです。洗面所下は、キッチンのシンク下と同様の方法で漏水チェックができます。洗濯機付近は、次のようにチェックしましょう。

洗濯機用の蛇口とホースのつなぎ目をタオルで拭き、水が垂れたりにじみ出たりしていないかを見る。よくわからない場合は乾いたタオルを巻きつけ、数分後にタオルがぬれていないかをチェックする

【漏水の調べ方】屋外

室内だけでなく、屋外にも蛇口が設置されている場合、漏水はそちらで起こっているかもしれません。室内の水道と同じく、タオルで拭いてその後の様子を観察すると、漏水しているかどうかがすぐにわかるでしょう。屋外は蛇口などが野ざらしになっているので、室内よりも劣化が早くなります。台風の影響が大きい、雪が多く降る地域などは、特に屋外の水回りも定期的にチェックすると安心です。

漏水かな?と思ったら

セルフチェックで漏水の可能性があると判断した場合には、業者に修理をしてもらう必要があります。また、水道代が大幅にアップした場合、条件に当てはまっていれば申請書を提出することで減額できるので、こうした手続きも必要です。

漏水時の行動について時系列にまとめましたので、もしものときに備えて覚えておきましょう。

業者に調査を依頼する

漏水の可能性があると判断したら、本当に漏水しているかどうかを業者にチェックしてもらいます。業者は専門の工具を使って漏水調査をするので、漏水している場所や状態を、より正確に判断することが可能です。

調査の費用相場

漏水の調査にかかる費用相場は、1~3万円ほどです。依頼する業者、使用する工具によって料金は異なります。調査にかかる時間は漏水箇所にもよりますが、1~2時間ほどです。

業者の選び方

水が漏れている状態が長時間続くのは困るので、一刻も早く業者に調査を依頼したいと考える方は少なくありません。しかし、よく検討しないまま目に留まった業者に依頼すると、高額な費用を請求されたり、調査が甘かったりすることもあるため危険です。

「もしも」のときに備え、地域の水道修理業者のホームページや口コミ、費用相場などを確認したうえで依頼したい業者にある程度目星をつけておくと、安心して依頼できるでしょう。

漏水箇所の修理をしてもらう

漏水の原因などが分かったら、修理をしてもらいます。セルフチェックで漏水個所や原因が明らかになり、テープを巻くなど簡単な修理で済む場合には、ご自身で行ってもよいかもしれません。

しかし、素人の判断で勝手に作業をしてしまうと、のちのち状態がさらに悪化する可能性もあります。できれば業者にチェックをしてもらい、その場で修理も依頼するのがよいでしょう。

この際、どういった作業をして、いくらかかるのかという見積もりを明確に出してもらうこと、忙しい場合は作業前にどれくらい時間がかかるかなども確認すると、修理後のトラブルを避けられます。

水道局に「減額申請書」を提出

漏水に気づくのが遅く、水道代が大幅に跳ね上がってしまった場合、高額な水道代を払わなければいけないと、諦めてしまう方も少なくありません。しかし、状況によっては「減額申請書」の提出で、漏水分の水道代を払わなくて済むこともあります。

減額対象になるのは…

減額のための条件は、以下の通りです。

・漏水の原因が故意的でないこと
・漏水箇所の修理が完了していること
・漏水から2カ月以内に申請していること

原因が給水管などの場合は減額対象となりますが、トイレや蛇口などが原因だと、減額対象になりません。また、申請前に漏水したところの修理は完了している必要があります。さらに、申請期間は漏水から2カ月以内ですので、迅速に修理・申請をすることも、求められる条件の1つです。

火災保険での補償も

減額申請ができなかったうえに、高額な修理費用を負担することになったらと思うと、恐ろしい話ですが、実は漏水の修理費用は、火災保険などで補償してもらえることがあります。トイレや蛇口の修理に、保険を適用できるプランに加入していれば、ぜひ活用してください。

ただし、保険の場合も故意的なもの、経年劣化によるものは補償対象外となることがあります。漏水が起こったら保険屋さんに相談し、確認するとよいでしょう。

迅速な対応で漏水トラブルを解決しよう

漏水は、水道代がかさんだり、家屋の腐食が進みやすくなったりと、深刻な問題を引き起こすトラブルの1つです。少しでも違和感を持ったら、セルフチェックや業者によるチェックで、原因を素早く見つけて、修理などを行いましょう。

場合によっては水道代の減額、保険利用なども可能ですので、早めに専門業者や保険屋の方に相談するのがおすすめです。いつ、誰に起こっても不思議のない水のトラブルの解決策を知り、いざというときに役立ててください。

編集後記

トイレが2つ、キッチン、お風呂、洗濯機、洗面台、駐車場…我が家には漏水が起こるかもしれないポイントが7カ所もあるんだなぁと、記事を書き終えてトイレに座りながら、ぼんやりと思いました。

「水道トラブル5,000円」「トイレのトラブル8,000円」というフレーズが印象的な水道業者さんのCMがありますが、できるだけお世話にならずに済むよう、自宅のメンテナンスは定期的にしていていきたいものです。

そういえば先日、冒頭とは別の友人が「大寒波でベランダの洗濯機から水が出なくなった」と嘆いていました。修理のために業者が来たのですが、友人は賃貸物件に住んでおり、修理費は管理人負担なのか火災保険からなのか、とにかく友人の出費はゼロだったようです。

賃貸物件の方は、水が止まらないなどの緊急時でない限り、まずは管理人さんに相談してみるとよいかもしれませんね。

参考サイト

給水の水漏れ箇所がわからない!確認方法や見つけたあとの対処法
漏水とは?雨漏りとの違いや原因、対処法について解説!
水漏れ箇所の確認方法と漏水を発見したときの対応手順
自分で漏水調査を行い水漏れを発見する方法
漏水調査の種類や費用相場は?自分でできる漏水調査方法や水道料金の減額手続き方法について解説

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語教師を経て2018年よりライターに転身。子どもと学べる防災に関心を持ち、日々災害や備えについて勉強中。
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