2022年12月1日から翌年3月末まで、私たちには節電がもとめられています。これは、政府が「冬の節電要請」を7年ぶりにおこなったことによるものです。
エアコンや冷蔵庫にくらべ、テレビの電力消費量は少ないとされています。しかし、ここ最近の物価高をまえに、できるだけ節電し節約につなげたいところではないでしょうか。
また近年は、古い家電製品をつかい続けるより、買い換えたほうが節約になるとも言われています。しかし、テレビは気をつけないとかえって電気代が高くなってしまうことも。
そこで本記事では、テレビを節電する「具体的な5つの方法」と、テレビを買い換える際に注意したい「電気代のちがい」についてお伝えします。
今年の冬はテレビを徹底的に節電、または賢く買い換えていきましょう!
テレビを節電する具体的な5つの方法
はじめに、「今あるテレビ」を徹底的に節電する5つの方法をご紹介します。
テレビを見ていないときは電源を切る~年間520円の節約も
見たい番組がおわっても、ついついテレビをつけたままになっていないでしょうか?
テレビを見ていないとき「電源を切る」ことで節電になりますが、それによってどのくらい節約できるのでしょう。
資源エネルギー庁「省エネポータルサイト」によると、1日1時間テレビを見る時間を減らした場合、液晶テレビ(32v型)では、年間「約520円」の節約になるといいます。また、二酸化炭素の削減量が8.2kgになるともされています。
テレビの電源を切ることで、節電だけでなく地球にも優しいというメリットがありますね。
次に、この「電源の切りかた」に関する節電方法です。
リモコンではなくテレビの主電源で切る
テレビをより節電するためには「テレビの主電源を切る」ことも大切です。
リモコンでテレビを消すことができるのは便利ですが、それだと「待機電力」がかかってしまいます。「待機電力」とは、機器を使用していなくても消費している“わずかな電力”のことです。
“徹底的に節電”するなら、この“わずかな電力”もあなどれません。とはいえ、面倒に感じるかもしれませんね。その場合、たとえば「寝るときには主電源を切る」などすれば、ストレスも減るのではないでしょうか。
ただし、主電源を切ると次のような影響がでることもあるためご注意ください。
□主電源をOFFにする時の注意
※『省エネ性能カタログ2022年版 家庭用 39頁』より引用
・番組表などデジタル放送で送られる情報が自動ダウンロードできなくなる 機種があります。
・録画機能内蔵テレビの場合、本体で電源を切ると予約録画ができなくなる 機種があります。
音量は大きくしすぎない
音量が大きいほど、多くの電力が必要とされています。
したがって、必要以上に音を大きくせず、なるべく小さな音量にすることで、テレビの節電が期待できるでしょう。
埃(ほこり)をとる~埃があると暗く見える
テレビ画面に埃がついていると画面が暗くみえるとされています。パソコンもそうですが、テレビ画面も静電気によって埃がつきやすいのです。
そうは言っても、テレビをつけるたびに埃を取るのは現実的ではありません。資源エネルギー庁の『省エネ性能カタログ2022年版 家庭用』)では、「1週間に1回」は、画面を傷つけない「乾いた柔らかい布」でふくことをすすめています。
画面は明るくしずぎない(設定の変更)
画面の明るさは設定を変えることで調節できます。音量と同様に、明るくすればするほど多くの電力が必要とされています。
たとえば、液晶テレビ(32v型)の場合、画面の明るさを「最大から中間に変更」すると、年間で「約840円」の節約になるとされています。(参考:資源エネルギー庁 省エネポータルサイト)。
暗くしすぎるのも視力への影響が心配ですが、「必要以上に明るくしない」を心がけると良いのではないでしょうか。
ここまで、テレビを徹底的に節電(節約)するための具体的な方法をお伝えしました。
では次に、テレビを買い換える際の注意点についてお伝えします。
テレビは製品による電気代の差が大きい
経済産業省「省エネポータルサイト」では、エネルギーを消費する現在の製品は大幅に効率がよくなっているとして、買い換えが節約につながることもあるとしています。テレビについては、9年前のものとくらべると「約42%」の省エネになるとされています。
しかし、テレビの場合、製品の違いによって電気代が大きく変わってくることに注意が必要です。
そこでここでは、テレビを買い換える際の注意点として、製品のちがいでどのくらい電気代が変わってくるのか、比較している他サイトの情報をもとにご紹介していきます。
パネルのちがい「液晶テレビ」「プラズマテレビ」「有機ELテレビ」
テレビには大きく分けて、パネルのちがいで「液晶テレビ」「プラズマテレビ」「有機ELテレビ」の3種類あるとされています。
ここでは節電をメインにお伝えするため各特徴は省略いたしますが、「プラズマテレビ」「有機ELテレビ」のほうが、液晶テレビよりも薄型になります。
下記のサイトでは、「液晶テレビ」と「有機ELテレビ」(いずれも、パナソニック製品・4k・55v型)について、1時間あたりの電気代を比較しています。
すると、「液晶テレビ」では「6.79円/時」、「有機ELテレビでは「13.05円/時」と、その差が「約2倍」になっています。
【参考文献】エネチェンジ「テレビの電気代を徹底比較!インチや画素数で消費電力は違テレビの電気代を徹底比較!インチや画素数で消費電力は違う?う?)
次に、テレビの鮮明度(画素数)による、電気代の違いをみてみましょう。
解明度のちがい「フルハイビジョン」「4K」「8K」
鮮明度(画素数)が高いものほど、鮮やかな映像になっていきます。「フルハイビジョン」や「4K」「8K」といったものが、この鮮明度(画素数)の違いです。
下記のサイトでは、液晶テレビの「4K」と「8K」(いずれも、シャープ製品・60インチ)について、1時間あたりの電気代を比較しています。
その結果、「4K」では「5.886円/時」、「8K」では「14.850円/時」となっており、ここでもその差は「約2倍」になっています。
【参考文献】:TERASELでんき【2022年10月最新】テレビの電気代っていくら?電気代と節約方法を解説
このように、テレビの電気代は製品によって大きな違いがあります。しかし、節電(節約)できるから買い換えようと思っても、どれが省エネでよいのかわからないと困ってしまいますね。
そこで、その点をわかりやすく示したものが「統一省エネラベル」です。
「統一省エネラベル」で製品の省エネ度をチェックしよう
「統一省エネラベル」とは、法律(省エネ法)にもとづいた基準の達成度や、省エネ性能のレベルなどを示しているものです。
下記が、その「統一省エネラベル」です。
テレビの統一省エネラベルでは、次の点を知ることができます。
◆テレビの「統一省エネラベル」でわかること
A:省エネ性能
テレビの省エネ性能は「41段階(5.0~1.0)」に分かれており、星マークの色塗りと数値で表示されています。
B:省エネ性マーク
達成率が100%以上は「緑色」、100%未満では「オレンジ色」です。
C:省エネ基準達成率(%)
D:年間消費電力量(kWh/年)」
E:年間の目安電気料金(円)
③~⑤は、それぞれの項目がひとめでわかるよう数値で示されています。
詳しい内容は、こちらから確認できるので、テレビを買い換える際には一度チェックしておくとよいでしょう。
【まとめ】たとえわずかであっても地球に優しいとりくみを
今回は『テレビの節電を徹底的に!買い換える際の注意点も解説』と題して、「具体的な5つの節電方法」と「製品のちがいによる電気代の差」をお伝えしました。
テレビを買い換えたいと思っていても、あらゆるものの値段が上がっている現状では、そう簡単にできないこともあります。そのため、たとえわずかであっても、できるだけ支出をおさえたいものです。
また近年では、各家庭から排出される二酸化炭素のうち家電製品が占める割合が多いことが指摘されており、このような視点から買い換えを検討することもあるでしょう。
いずれの場合であっても、節電することは地球に優しいとりくみへとつながります。テレビはエアコンや冷蔵庫とくらべると電力消費量は少ないとされています。しかし、たとえわずかであっても、私たちが地球のためにできる小さな一歩として、テレビの節電に取り組んでみるのもよいのではないでしょうか。
(以上)