毎年、日本には梅雨がやってきます。梅雨入り、梅雨明け、とりあえずの認識としては、梅雨入りすると雨が多くなって、梅雨明けすると雨が止んで夏が来る!そのような感覚の方も多いのではないでしょうか?
今回は、なぜ梅雨が起きるのか?そのメカニズムを一緒に学んでみましょう。
梅雨は春夏秋冬のような季節現象となっている
梅雨は春夏秋冬のような、季節現象と気象庁では定義しています。
その季節現象としての梅雨は、日本全体でみると5月上旬から7月下旬までの約3ヵ月です。
気象庁が天気予報等で用いる予報用語では、次のように説明されています。
春から盛夏への季節の移行期に、日本から中国大陸付近に出現する停滞前線で、一般的には、南北振動を繰り返しながら沖縄地方から東北地方へゆっくり北上する。
気象庁
梅雨前線が沖縄地方から東北地方にゆっくり北上する
梅雨は梅雨前線によってもたらされ、5月上旬に沖縄地方に発生し、ゆっくりと約3ヵ月をかけて東北地方に向かって北上します。
この梅雨前線によって地上に雨が降り、梅雨前線の移動がゆっくりなので同じ場所で長期間雨の日が続くことになります。
梅雨のステップ
梅雨のステップを順番に解説すると、次のようになってきます。
日本に梅雨前線が認識されたのは1941年ごろ
日本で梅雨前線との概念が導入されたのは1941年ごろで、地上天気図上に不連続線を解析し始めてから20年近く経過してからになります。
梅雨前線の特徴は、前線を挟む南北の気温差が小さいことといわれています。
梅雨前線が発生する原因は寒気と暖気がぶつかること
梅雨前線が発生するのは、北からの寒気と南からの暖気がぶつかることで発生します。
そして、南からの暖気がだんだんと寒気を押し上げていくので、梅雨前線が北上することとなります。
梅雨前線は停滞前線とも呼ばれる
寒気と暖気がぶつかった境目に、梅雨前線が発生します。
寒気と暖気の勢力はほぼ同じで発生した梅雨前線は停滞してしまうので、停滞前線とも呼ばれています。
ほぼ同じ勢力ですが少し暖気の方が強いので、ゆっくりと寒気を北に押し上げます。
梅雨前線では積乱雲が発生して雨が降り続く
梅雨前線では寒気と暖気がぶつかることで、上昇気流が起きています。
南からの暖気は水蒸気を含んでいるので、発生している上昇気流によって積乱雲を発生させて大雨を降らすのです。
北海道には梅雨がない理由は、東北地方で梅雨前線が消滅するから
「北海道には梅雨がない!」といわれる理由は、梅雨前線が東北地方で消滅するからです。
梅雨の定義は、梅雨前線が通過することですから、梅雨前線が消滅すれば梅雨自体がなくなることとなります。
なので、北海道には梅雨がないのです。
南からの暖気は太平洋高気圧なので、夏が始まる
ぶつかり合いをしていた南からの暖気は、太平洋高気圧です。
寒気を押し上げるとその地域は、太平洋高気圧が覆うこととなるので夏が始まります。
同じ梅雨前線でも西日本と東日本とでは雨の降り方が違う
ここまでで、梅雨前線と梅雨について大体お分かり頂けたと思います。
ここでは、同じ梅雨前線の梅雨でも、雨の降り方が西日本と東日本とでは違うことをお伝えしましょう。
西日本の方が土砂災害が起きるほどの強い雨が降る
梅雨前線による雨は西日本の方が強く降って、土砂災害が起きるほどです。
特に、九州や四国では毎年のように梅雨に大雨が降ります。
これには、梅雨前線との距離が関係していて、西日本は梅雨前線に最も近い地方となるので大雨になります。
一方で東日本や東北地方では、梅雨前線から遠くになるので雨雲が発達しにくく弱い雨となりがちです。
梅雨には事故も多くなるので早めの行動を心がけよう
梅雨は雨が降って湿度も高いので、身体の不調を訴える方も多くなります。
また、交通事故も多くなってくるのも事実です。
雨で傘をさしていたら視界が悪くなるので、事故に遭いやすくなってしまいます。
また、急いでいると足を滑らせて、増水した用水路にハマってしまうことも考えられます。
梅雨の間はいつもより時間的な余裕をもって行動すれば、事故を防ぐことができますから、いつもより早めの行動を心がけましょう。
参考サイト
気象庁 梅雨前線の定義
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/expert/pdf/tenkizu/05_teigi.pdf
気象庁 日本の天候の概説
日本の天候の概説
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/kisetsu_riyou/tenkou/gaisetu.html