「防災キャンプってなんですか?」って聞かれることがあります。
自治体や地域によって、防災キャンプの捉え方が違うので、100%正解はないといえるでしょう。
その上で防災キャンプを説明すると、「災害時の非日常となる避難生活を体験してみる」が、私なりの解釈です。
普通のキャンプも100%自力なら防災キャンプになる
普通に行なうキャンプ場でのキャンプも、管理棟の施設内のものを利用したり、キャンプ場内の水道やトイレを使わないでキャンプをするなら、立派な防災キャンプになります。
キャンプ場の水道、トイレ、電源を使わないキャンプ
最近のキャンプ場はしっかり整備されていて、水道水やトイレなどの設備が充実し、便利に不自由なくキャンプを楽しめます。オートキャンプ場では、家庭用電源を使える施設もあるほどです。
そこで、災害時を想定してキャンプ場内の水道水を使うことなく、トイレも携帯トイレ、もしくは簡易トイレを作ってキャンプをすると、避難時の不自由さが分かってきます。
災害時にはキャンプ道具があれば、不自由なく生活できることが本当かどうか、試してみるのが防災キャンプの醍醐味でしょう。
あくまでも無理のない範囲で行うことが重要
防災キャンプなのだからと、必要以上にトイレを我慢したり、林の中で用を足したりするのはよくありません。
あくまでも災害時を想定して行なうものであり、我慢大会ではないので、辛いことがあればそのことを少し体験するだけで、本当の避難時の工夫につながってきます。
例えば、携帯トイレを多く持って行ったはずなのに、直ぐに足りなくなった場合は、その倍以上の数を用意することが分かります。それさえ分かれば、キャンプ場のトイレを使用して楽しく過ごせばいいのです。
家の中にテントを張って寝袋で寝てみるのも防災キャンプ
キャンプ場が遠かったり、仕事で休みが取れないなど、本当のキャンプ場にいけない場合には、家の中でテントを張って寝袋で寝てみるのも防災キャンプになりますよ。
本当に準備するものが自然と分かる
家の中でテントを張る時は、ペグの代わりに水の入ったペットボトルでロープを張ります。これならフローリングや畳みをキズつけることなく、テントを張ることが可能になります。
照明もランタンや懐中電灯などを利用して、夜は部屋の照明器具を使わないようにしましょう。
流石に、トイレは家のトイレを普通に使いますが、トイレにいくときにはランタンや懐中電灯を灯として使うと、キャンプ感が増してきます。
ご飯も台所で、バーナーを使ってアルファ米を炊いたり、レトルト食品を使ってキャンプ飯にすると楽しいですよ。
寝る時はテントの中で、寝袋で寝てみると寝心地が分かります。また、本当に避難で利用する際はマットなどが追加で必要なことも分かるでしょう。
庭のあるご家庭なら、庭にテントを張ればより臨場感のある防災キャンプを体験できます。
宝塚市では実際に避難所である体育館に泊っている
宝塚市での防災キャンプは、実際に避難所となる体育館に泊って、防災学習ゲームや楽しく防災を学ぶ「体験型防災訓練」を、防災キャンプと呼んでいます。
大がかりな防災キャンプには人手と予算が必要
宝塚市のモデルケースを見てみると、参加者53人に対してスタッフが82名、予算規模は22万円となっています。
やはり、大勢で行うイベントには人手と予算が必要ですね。
どんな場所でもできるのが理想ですが、地域性や住民性、ボランティアなど条件が揃わないと大勢での防災キャンプは難しいでしょう。
非日常を知っておくことが防災キャンプの目的
防災キャンプは、災害時に避難したことを想定して「非日常」を経験しておくことで、避難の準備や防災への意識の高まりを期待するイベントです。
先にもお伝えしていますが、防災キャンプは「我慢大会」ではないので、無理をしてケガをしたり体調を崩したりすると意味がありません。
楽しく、多少の不便さを味わいながら、日常で当たり前に使えている電気や、水道、ガスなどを使わない生活を体験しておくことが重要なのです。
大掛かりでなくても、アイデア次第で家族単位、友人単位で行なうことができるので、興味のある方は実践してみてはいかがでしょう。
参考サイト
宝塚市 https://www.city.takarazuka.hyogo.jp/1013056/1013224/1027363/1031655.html