1,000万人を超える都民を抱える東京都は、日本で最も人口の多い都市です。
そんな東京では、人身事故によって電車が運休して多くの帰宅難民の発生や、集中豪雨にて限られた地域で土砂災害などが、意外に多く発生しています。
その他、火災も多く発生しているのも現実です。そこで、東京消防庁では「災害時支援ボランティア」を募集しています。
今回は、東京消防庁が募集する「災害時支援ボランティア」の内容を詳しく解説しましょう。
東京消防庁が募集する災害時支援ボランティアとは
東京消防庁の災害時支援ボランティアは、平成7年7月に全庁的に制度を発足させたものです。
冒頭でもお伝えしているとおり、東京は日本で最も人口の多い都市です。そこで起きる災害は、公的な支援のみでは圧倒的にマンパワーが不足するのは明らかです。
阪神淡路大震災を教訓に発足された
平成7年1月に起きた阪神淡路大震災では、甚大な被害が発生した一方で、救出された人の80%が近隣住民によるものでした。
この震災で証明されたのは、災害時に命を救える可能性が高いのは、公的機関でなく近隣住民による共助であることです!
東京消防庁では、平成5年からボランティアの重要性を認識して、全国に先駆けて災害ボランティア制度の検討開始をしていました。
そして阪神淡路大震災の教訓もあり、平成7年7月から震災時などに消防隊の活動の支援を行う「災害時支援ボランティア」の募集を開始しています。
災害時支援ボランティアの内容について
災害時支援ボランティアへの登録要件は、次のようになっています。
原則として東京消防庁管内に居住または勤務・通学されており、震災時等に消防署の支援を行う意思のある15歳以上(中学生を除く)で、以下の項目を1つでも満たす方が登録できます。
登録したらどうなるの?
では災害時支援ボランティアに登録するとどうなるのかというと、消防職員の指導と助言により、以下の支援活動を行ないます。
これらは、あくまでも災害が発生して東京消防庁よりボランティアの要請があって、はじめて開始されます。
見てお分かりのように、災害現場の最前線に出るのでなく後方支援が主な役割になっています。
ガレキから人を助け出すことや、火災のビルの中から人を救出することはプロの消防士が行ないます。
ただ、消防士が救出した要救助者を、タンカなどで救護テントに運んだりすることはあるでしょう。
普段はどうしていればいいの?
登録したけれど災害が起きないと、何も活動はしなくてもいいのか?と言うと、そうではありません。
このように、平時から防災や救命への知識を習得する講習会への参加や、地域の防災訓練などで指導を行うなど、災害時のボランティア活動に備えた勉強を行っておきます。
実際にどのような訓練を行なっているのか?
東京消防庁災害時支援ボランティア「ボランティア通信」によると、城東・深川消防ボランティアが合同で、江東区総合防災訓練に参加しています。
訓練内容は、首都直下地震が発生したとの想定のもとで、救出救助訓練が行なわれています。
消防隊、消防団、警察および自衛隊が、倒壊建物から要救助者を救出するとともに、城東・深川消防ボランティア11名が医療救護所への搬送を行なっています。
要救助者の搬送もやってみると結構難しい
実際にやってみると分かりますが、要救助者をタンカで運ぶのも、その時の救助者の体勢や体重、タンカを運ぶ人数によって運び方が異なり、思っていたより大変です。
スムーズに運べなかったり、救助者を落としそうになったり、自分が腰をひねってしまったりと、一度実践してみると難しさが分かります。
東京消防庁災害時支援ボランティアに募集するなら、次のサイトをご覧ください。
まとめ
・東京都内の災害時にボランティアとして活躍してくれる人を募集
・ボランティアは災害時には後方支援が主な役割
・平時には防災、災害の知識や経験を習得する講習会や訓練に参加
・救助者をタンカで運ぶ作業も簡単ではないので体験しておくと良い