みなさんはスロースリップとの言葉を、聞いたことはあるでしょうか?
以前のテレビドラマで、頻繁に使われていたので聞いたことがある方は多いでしょう。
しかし、実際にスロースリップがどのような現象なのか、しっかり理解している方は少ないはずです。
スロースリップが起きる場所では、地震が頻繁に起きていることが分かっています。
そこで今回は、スロースリップとはどのような現象であるかを、分かりやすく解説します。
スロースリップとは、ゆっくりとしたプレートの滑り運動のこと
地震予知において重要な役割を果たしている
地震活動は一般的には、断層面で急速に滑り運動が起こることで発生します。
しかし、地震活動が継続的に起こっている場合、プレートの滑り運動がゆっくりと進行することがあります。
このような場合、地震の揺れがほとんど感じられないことがありますが、長期的に見ると、大きな地震を引き起こす可能性があるとされているのです。
したがって、スロースリップは地震予知において、重要な役割を担っているといえるでしょう!
地震が発生する前に、スロースリップが起こることがあるため、これを観測することで地震発生の可能性を予測することができるケースが多いです。
また、スロースリップは、地震の発生した場所の活動を理解する上で、重要な情報源となります。
スロースリップが多発するとどうなるのか?
地震の発生を知らせるスロースリップが多発すると、一体どうなるのでしょう?
基本的にスロースリップは、ゆっくりとしたプレートの滑り運動ですが、これが多発すれば地震の発生が多くなると予想するのは容易なことです。
大規模な地震が発生する可能性が高くなる!
スロースリップが多発すると、大規模な地震が発生する可能性が高まります!
スロースリップは、地震活動が継続的に起こっていることを示す現象であり、地震発生の前兆となることがあります。
特に、スロースリップが起こる場所が、既に強い応力がかかっている断層帯である場合、大規模な地震の発生リスクが高まります。
このような場合、スロースリップが発生することで、断層帯の応力が変化し地震を引き起こす可能性が高まるからです。
絶対に大規模な地震が起きるとは限らない
スロースリップが発生しても、必ずしも大規模な地震が発生するわけではありません。
スロースリップが起こる場所や時間帯、滑り運動の速度や規模など、さまざまな要因が関係してきます。
したがって、地震予知においても、スロースリップを観測することは重要ですが、地震発生の正確な予測は難しいとされています。
過去に起きたスロースリップの例は東日本大震災
日本で過去に起きたスロースリップがあるか調べてみると、2011年3月11日に発生した東日本大震災が該当しました。
この地震は、太平洋プレートと北米プレートの境界で起きた巨大地震であり、地震発生前には数年間にわたってスロースリップが観測されています。
東日本大震災で起きたスロースリップの状況
このスロースリップは、地震発生前に大きなエネルギーを蓄積していたと考えられ、地震発生に至るプロセスに関わっていたとされています。
スロースリップを監視するシステムは存在するの?
地震予知の鍵となるスロースリップは、どのように監視されているのでしょう。
実際に国内において、スロースリップを監視するシステムがあるのか調べてみました。
GPSやレーザー干渉計などの地震計測器で監視している
スロースリップは、プレート境界で起こる現象であり、主にGPSやレーザー干渉計などの地震計測器を用いて観測されています。
具体的には、GPS観測網を使用して、地表の変位を定期的に監視することで、スロー・スリップを検出することができます。
スロー・スリップが起こると、地表の変位がゆっくりと変化するため、長期間にわたるGPS観測によってその変化を検出できます。
また、レーザー干渉計を使用して、地盤の微小な変化を検出することも可能。これらの測定データを解析することで、スロースリップが起こっているかどうか、また、その発生場所や規模などを詳しく調べることが可能です。
近年では、より高精度な観測技術の開発や、観測データを解析するための人工知能技術の導入などが進んでおり、より高度なスロースリップの監視が可能になっています。
まとめ
スロースリップは、地震予知や地震メカニズムの研究にとって非常に重要な現象であり、過去にも多くの例が報告されています。
また、最近の研究では、スロースリップが地震の発生確率を高める可能性があることが示唆されており、今後もさらなる研究が進められていくことが期待されています。
参考サイト
Science Portal