線状降水帯が発生しやすい場所は西日本から九州が多い!そのほかの発生地域も解説

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「線状降水帯」との言葉を聞いたことのある方は多いはずで、線状降水帯が発生するとその地域は大雨になることも知っているはずです。

線状降水帯がいつ発生するのかの予測はまだ難しいものの、2021年6月17日13時から「顕著な大雨に関する情報」が発表されるようになり、2022年(令和4年)6月1日からは「線状降水帯の予測」が開始されています。

そこで今回は線状降水帯が発生しやすい場所を解説すると共に、どのように情報を収集すればよいかをお伝えします。

目次

線状降水帯とは?

次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域を線状降水帯といいます。

気象庁

線状降水帯の発生状況

ここで先に紹介した気象庁の線状降水帯の定義を、分かりやすいように図にしてみました。

線状降水帯が発生するメカニズムは、分かりやすく説明するとこのようになります。

積乱雲が集まって積乱雲群となり、さらに群が集まって線状降水帯が発生するのです。

線状降水帯が発生しやすいのは西日本から九州が多い

線状降水帯が発生しやすいのは、西日本から九州にかけての地域が多くなっています。その理由は単純で、線状降水帯の元となる積乱雲が発生しやすく、その後「バックビルディング現象」と呼ばれる、積乱雲が次々と集まっていく現象が起きやすいので、自然と線状降水帯が発生しやすくなっているからです。

九州地方では積乱雲が発生する条件が整っている

九州の地理的条件を見てみると、太平洋と東シナ海に接していています。そして、太平洋高気圧が九州の南に停滞すると、東シナ海が入口となり暖かく湿った空気が流れ込んでくるので、積乱雲が発生しやすくなっているからです。

これを簡単にまとめると、次のようになります。

・梅雨時期には太平洋高気圧は日本列島の南に位置する
・梅雨前線が九州付近に停滞する
・東シナ海から暖かい湿った空気が大量に流れ込む
・積乱雲が多く発生する
・バックビルディング現象が起こり線状降水帯が発生する

令和4年中に発生した線状降水帯をまてめてみた!

ここまで線状降水帯は、西日本から九州にかけて多く発生するとお伝えしました。実際に九州では毎年のように線状降水帯が発生して、甚大な被害をもたらせています。

しかし、線状降水帯のメカニズムからいえば、積乱雲が多く発生する条件が整えば、日本全国どこでも線状降水帯は発生します。

そこでここでは、令和4年中に発生した線状降水帯をまとめてみました。ご覧頂くとお分かりのように、九州や西日本だけでなく、東海地方や東日本でも線状降水帯が発生しています。

令和4年7月5日 高知県で発生

線状降水帯

令和4年7月18日 長崎県壱岐・対馬で発生

線状降水帯

令和4年7月18日 山口県で発生

線状降水帯

令和4年7月19日 福岡県、佐賀県で発生

線状降水帯

令和4年7月19日 大分県で発生

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線状降水帯

令和4年8月3日 青森県、秋田県で発生

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線状降水帯

令和4年8月3日 山形県、新潟県で発生

線状降水帯

令和4年8月4日 福井県で発生

線状降水帯

令和4年9月18日 宮崎県で発生

線状降水帯

令和4年9月19日 宮崎県と熊本県で発生

線状降水帯

令和4年9月23日 愛知県と静岡県で発生

線状降水帯

令和4年9月24日 静岡県で発生

線状降水帯

線状降水帯の発生を把握する情報源をご紹介!

ここでは、大雨をもたらす線状降水帯の発生を把握するための情報源をご紹介しましょう。

予報としては半日程度前から発表される「線状降水帯予測情報」があり、発生してからは「キキクル」によって現状を把握できます

線状降水帯予測情報の発表イメージ

線状降水帯の発生予報情報は「大雨に関する気象情報」として、全国を11ブロックに分けた地方予報区単位で発表されます。発表イメージとしては次のようになります。

気象庁
気象庁

キキクルで線状降水帯の状況を確認できる

キキクルは気象庁が提供する「危険度分布」を表すマップのことで、線状降水帯による大雨で土砂災害などの危険性を表します。

線状降水帯が発生すると土砂災害が起こりやすくなるので、キキクルによって現状がどのようになっているのか確認できます。

キキクル「危険度分布」について分かりやすい動画を掲載しておきますので、ぜひご覧ください。

線状降水帯は条件が揃えばどこでも起きる!

線状降水帯が発生しやすいのは西日本から九州にかけてですが、積乱雲が発生する条件が整えば、どこでも発生する現象です。

線状降水帯の発生が恐ろしい理由は、大雨による洪水だけでなく土砂災害を引き起こすことにもあります。

大雨に関する気象情報が発表されたなら、キキクル(危険度分布)を確認して自分がいる地域が「紫色」になっていたなら、命を守る行動が必要であることを知っておきましょう。

参考サイト
気象庁 線状降水帯に関する各種情報
線状降水帯

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

1963年生まれ、兵庫県在住の防災士&フリーライター 
2014年から本格的にライターを開始!これまで多数の記事を執筆
2017年にひょうご防災リーダー講座を受講し防災士を取得。ハザードマップなど防災業務に長年従事し、防災関連の講演も行っています。
経験を活かして防災に関する情報をできるだけわかりやすく、みなさんへ届けたいとの想いを持って執筆しています。詳しいプロフィールはこちら

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