初雪とは雪だけじゃない?!本格的な冬をまえに気をつけたい3つのこと

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日本各地から初雪のたよりがニュースで流れてきます。

それを見ながら、初雪とは文字通り「初めての雪」のことでしょ?筆者はそう思っていたのですが、違っていました・・。

本記事では「初雪の定義と観測方法」という基本をふまえて、「初雪は遅くなっているの?」「初雪が降ったら何に気をつけたらいい?」といった疑問にお答えします。

雪が降る地域の方だけでなく、雪はあまり降らない所にお住まいの方も、ぜひ一緒に初雪についての知識を増やしていきましょう。

目次

初雪とは“みぞれ”であってもよい

初雪は8月からはじまる1年で、初めて降る雪・みぞれ

気象庁では、初雪を次のように定義しています。

気象庁における初雪とは、寒候年(前年8月から当年7月まで)に初めて降る雪(みぞれを含む)です。

引用:気象庁「雨・雪について」

寒候年(かんこうねん)という聞き慣れない言葉がありますが、示している期間は「1年間」ですね。

つまり、カレンダーの1年は1月からはじまりますが、初雪の観測は8月からスタートした1年のなかでおこなわれる、ということになります。 

みぞれとは「雨と雪が混じったもの」

初雪には“みぞれ”も含まれると言われても、雪が身近でない地域の方は、あまりイメージできないかもしれませんね。

みぞれは、次のように定義されています。

みぞれとは、雨と雪が混じったものをいいます。

上空から雪が降ってくる途中、地上近くの気温が高いと、雪がとけて雨になります。一部分とけずに雪のまま落ちてくると、みぞれになります。

引用:気象庁「雨・雪について」 

雪が溶けきれないと“みぞれ”になるのですね。

雪は「氷」・みぞれは「シャーベット状」・雨は「水」ととらえると、わかりやすいのではないでしょうか。

雪になるか“みぞれ”かは、湿度も関係している

みぞれについてさらに調べてみると、雪が降るか、それとも“みぞれ”になるかの違いは、気温だけでなく湿度も関係していることがわかりました。

下のグラフは、気温と湿度のバランスによって、「雪・みぞれ・雨」のいずれになるかが変わってくることを示しています。

出典:ウエザーニュース「首都圏の雪の原因 南岸低気圧とは?」

このグラフをみるかぎり、湿度およそ50%・気温およそ4℃を境として、それぞれのバランスにより雪か“みぞれ”、または雨になると読み取ることができるでしょう。

初雪を人の目で観測している気象台もある

気象庁では、さくら・うめの開花、かえで・いちょうの紅葉などを、観測の対象となる木を定めて目視で確認しています。

初雪の観測も、かつてはすべて気象台の職員が目視でおこなっていましたが、今では一部の気象台に限られています。

目視で初雪を観測している気象台

*各管区気象台(札幌・仙台・東京・大阪・福岡・沖縄)
*新潟地方気象台
*名古屋地方気象台
*広島地方気象台
*高松地方気象台
*鹿児島地方気象台
【参考】気象庁「地上気象観測」

このほかの地方気象台は、すべて観測装置によって自動的に初雪を観測しています。

そして、各気象台のホームページでは、地域の実情に応じて「防災気象情報」「天気予報」にくわえ、「地震・火山情報」や「雪に関する情報」などを伝えています。

全国の気象台一覧は、こちら(気象庁ホームページ)から確認できるので、ぜひお住まいの地域をチェックしてみてはいかがでしょうか。

ここまで、初雪の定義と観測方法についてお伝えしました。

では次に、地球の温暖化が問題視されている現在、初雪にも影響がおよんでいるのかどうかみていきたいと思います。

初雪も温暖化の影響をうけている?北海道・東北地方の平年差をチェック

ここでは、今期の北海道および東北地方の初雪について、昨年そして平年とどれくらい違いがあるのか調べた結果をお伝えします。

もちろん初雪の観測はその年によって前後するなど、本記事だけで温暖化による影響の有無を言いきれるものではありません。ですが、ひとつの参考としてご覧いただけると幸いです。

「平年」とは?平年値は30年間の平均値

気象台では、初雪の観測日を昨年および平年差とともに示しています。天気予報でも「平年より寒い」などと使われますね。

この「平年」ですが、「平年値(=30年間の平均値)」がもとになっています。現在「平年」といった場合には、「1991年(平成3年)~2020年(令和2年)の平均値」を示しています。

平年値は2021年(令和3年)5月19日に更新され、それまでの「1981年(昭和56年)~2010年(平成22年)の平均値」から、現在の「1991年~2020年の平均値」になっています。【参考】気象庁/報道発表「平年値の更新について」

「平年」の考え方がわかったところで、はじめに北海道の観測状況からみていきましょう。

北海道の初雪:もっとも大きい平年差は26日 

札幌管区気象台のホームページには、22カ所における初雪の観測日等が示されています。

それによると、「昨年」より初雪が遅かったのが14カ所、初雪が早かったのが6カ所、そして昨年と同じだったのが2カ所という結果でした。

そして、「平年」との比較では、すべての地域で初雪が遅くなっていたのです。もっとも遅かったのは、11月30日に初雪があった浦河町(うらかわまち:帯広空港から南西方向へ車で約2時間)で、平年差は26日でした。

【参考】札幌管区気象台「雪・積雪・長期積雪(根雪)の初日、終日の観測状況」

東北地方の初雪:もっとも大きい平年差は22日

次に、東北地方の観測状況をみてみましょう。

東北地方6県のうち、「昨年」より初雪が遅かったのは4県(青森県・秋田県・山形県・福島県)、初雪が早かったのが1県(岩手県)、同じだったのが1県(宮城県)でした。

東北地方における初雪観測状況

青森地方気象台 今期:11月30日
⇒昨年より7日遅い
⇒平年より22日遅い

秋田地方気象台 今期:11月30日
⇒昨年より4日遅い
⇒平年より5日遅い

盛岡地方気象台 今期:11月16日
⇒昨年より7日早い
⇒平年より7日遅い

山形地方気象台 今期:11月30日
⇒昨年より3日遅い
⇒平年より14日遅い

仙台管区気象台 今期:12月2日
⇒昨年と同じ
⇒平年より6日遅い

福島地方気象台 今期:12月2日
⇒昨年より4日遅い
⇒平年より13日遅い

ご覧のとおり、東北地方においても、すべての県で「平年」より初雪が遅かったという結果になっています。

ここまで、今期の北海道・東北地方の初雪観測日について、昨年および平年と比較した結果をお伝えしました。

初雪が降りだしたら気をつけたい3つのこと~本格的な冬にそなえる~

ここからは、初雪が降り出したら「冬の始まり」ということで、本格的な冬にそなえて気をつけたい3つのことをお伝えします。

横断歩道での転倒

1つ目の注意点は「横断歩道での転倒」です。これは、横断歩道の白線が滑りやすいことによるものです。

白線が滑るのは雨でも同じですが、初雪がうっすら降る程度であった場合には、すぐに溶けて乾いているように見えてしまうため注意が必要です。

徒歩や自転車で登校しているお子さんがいらっしゃる方は、いつも以上に気をつけて横断歩道を渡るよう声がけするとよいですね。

スリップ事故

2つ目の注意点は「車のスリップ事故」です。明け方急に冷え込むと、みぞれや雪で路面が凍っていることがあります。

寒さがもっと厳しくなれば、路面の凍結(アイスバーン)に注意がむくかもしれません。しかし、初雪がそれほど多く降らなかったときには「まだ大丈夫」との認識になってしまうことも。

初雪が降ってから慌てることがないよう早めのタイヤ交換が大切ですが、仕方なくノーマルタイヤで走行するときには「凍っているかもしれない」と思いながら、いつも以上に慎重な運転を心がけましょう。 

ヒートショック

3つ目の注意点が「ヒートショック」です。ヒートショックとは、急な温度変化にともない血圧が激しく上下し、それによって体がダメージを受けることです。

心筋梗塞や脳卒中など命の危険をもたらすこともあるため、注意が必要です。

初雪が降る頃になったら、「温度差」を意識して生活をみなおしてみましょう。「寒い脱衣所で服をぬぎ急に温かい浴槽に入る」「温かい室内から薄着のまま寒い外に行く」など、日常のなかには温度差がうまれる場面がいくつもあります。

激しい温度差をうまないよう、服装や暖房器具などで調節することを心がけましょう。

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【まとめ】Q&Aで確認してみよう!

今回は、『初雪とは雪だけじゃない?!本格的な冬をまえに気をつけたい3つのこと』と題して、次の内容をお伝えしました。

1.初雪とは?

初雪とは、1年のなかで初めて降る雪または“みぞれ”のことです。

2.みぞれとは?雪になるか“みぞれ”かは、何によって変わってくる?

みぞれは、雨と雪が混じったもので、雪になるか“みぞれ”かは、気温だけでなく湿度も関係しています。

3.初雪はどうやって観測しているの?

初雪の観測は、気象台によって目視または自動観測のいずれかでおこなわれています。

4.今期の初雪の観測は、平年とくらべてどうだった?

今期の北海道・東北地方における初雪の観測日は、いずれも平年とくらべて遅かったです。

5.初雪が降り出したら気をつけたいことは?

「横断歩道での転倒」「スリップ事故」「ヒートショック」に気をつけましょう。

冬ならではの楽しみがある一方で、雪がもたらす被害もあります。初雪のたよりを「本格的な冬にそなえる頃」ととらえ、春がくるまでのあいだ、安全に安心して過ごせるようにしていきましょう。

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(以上)

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

東北出身&在住フリーライター。
広告代理店・NPO・行政で勤務後、在宅ワーカーに転身。
妊娠中に東日本大震災に遭い、津波から避難・仮設住宅で子育てをする。
本サイトでは「命を守るために知っておきたいこと」「日常に潜むリスクへの備え」などについて発信します。
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