ライターの永野です!
12月ももう半ばに近づいていますね…あっという間に1年が終わりを迎えようとしています。
気持ちよく新年に向かいたい、ということで先日、3ヵ月ぶりに美容院へ。中学の先輩で、友人の兄でもあるイケメンカリスマ美容師さんに縮毛矯正からカット・カラーのフルコースをお願いし、およそ4時間の施術時間のなかで1時間くらいはウトウトとしていた記憶…。
そんななか、ぼんやりと考えていたのが「カラー剤塗った状態で大地震とか起こったら地獄やな」ということです。
どんな状況であれ、地震が起こるのは全くよいことではありませんが、お風呂に入っていたり美容院やエステの途中だったり、ましてや手術中なんかに地震が起こったら、と考えると恐ろしいですよね。
日本は「地震大国」とも言われており、頻繁に地震が起こっています。では世界では?ということで今回取り上げるキーワードが、「地震 多い国」です。
「地震 多い国」で調べる方の目的は、サジェストを見てみてもそのまま、という印象ですね。
と、いうわけで早速、地震が多い国について見ていきましょう!
世界で地震が多い国は?トップ10を見てみよう
まずは、地震が多い国のランキングからご紹介していきます。世界にはさまざまな国がありますが、最も地震が多いのは、どの国なのでしょうか。また、日本は世界のなかでどれくらいの順位にいるのでしょうか。
マグニチュード5.5以上の地震が発生する年平均のランキングは、以下の通りです。
順位 | 国名 | 年間平均回数(1980~2000年) |
1 | 中国 | 2.10 |
2 | インドネシア | 1.62 |
3 | イラン | 1.43 |
4 | 日本 | 1.14 |
5 | アフガニスタン | 0.81 |
6 | トルコ | 0.76 |
7 | メキシコ | 0.76 |
8 | インド | 0.67 |
9 | パキスタン | 0.62 |
10 | ペルー | 0.62 |
※ランキングは、2004年の国連開発計画による、世界報告書「”災害リスクの軽減に向けて”~開発に課せられた課題」に基づいています。
日本は4位、ということでしたが、この結果を「意外と順位が低い」と捉えるのか、「やはり高い」と思われるのかは人それぞれでしょう。筆者の体感としては2005年以降、マグニチュード5.5以上の地震はさらに増えている印象ですが、日本よりも多く大きな地震が発生している国が3つもあることに、少し驚いています。
規模や被害にも注意!その他の地震に関するランキング
地震は発生頻度だけでなく、規模や被害の大きさがどれだけ深刻なのかも見ると、また違う視点で考えることができます。
地震に関するその他のランキングも、一緒に見ていきましょう。
地震の規模ランキング
1900年以降に起こった地震の規模を見てみると、世界最大の地震は、1960年にチリで起こった地震です。国内では、記憶に新しい2011年の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)が最大で、世界のランキングでは4位にあたります。
気象庁のホームページに記載されている地震の規模の大きさランキングは、次の通りです。
順位 | 地震 | 発生日 | マグニチュード |
1 | チリ地震(バルディビア地震) | 1960年5月23日 | 9.5 |
2 | アラスカ地震 | 1964年3月28日 | 9.2 |
3 | スマトラ島沖地震 | 2004年12月26日 | 9.1 |
4 | 東北地方太平洋沖地震 | 2011年3月11日 | 9.0 |
カムチャッカ地震 | 1952年11月5日 | 9.0 | |
6 | チリ地震(チリ中部地震) | 2010年2月27日 | 8.8 |
エクアドル・コロンビア地震 | 1906年2月1日 | 8.8 | |
8 | アリューシャン地震(ラット諸島) | 1965年2月4日 | 8.7 |
9 | アッサム・チベット地震 | 1950年8月15日 | 8.6 |
アリューシャン地震 | 1957年3月9日 | 8.6 | |
スマトラ沖地震(ニアス島沖地震) | 2005年3月29日 | 8.6 | |
スマトラ島沖地震 | 2012年4月11日 | 8.6 |
地震の被害ランキング
大きな地震が起これば、当然甚大な被害も及びます。死者・行方不明者が最も多く出たのは、1976年に中国で起こった唐山地震です。その他の被害についても、内閣府の「令和3年版防災白書」を元に、見てみましょう。
順位 | 地震 | 発生日 | 死者・行方不明者数(概数) |
1 | 唐山地震 | 1976年7月28日 | 242,000 |
2 | スマトラ島沖地震 | 2004年12月26日 | 226,000 |
3 | ハイチ地震 | 2010年1月12日 | 222,600 |
4 | 海原地震 | 1920年12月16日 | 180,000 |
5 | アシガバート地震 | 1948年10月6日 | 110,000 |
6 | 関東大震災 | 1923年9月1日 | 143,000 |
7 | 四川地震 | 2008年5月12日 | 87,500 |
8 | メッシーナ地震 | 1908年12月28日 | 75,000 |
9 | 甘粛地震 | 1932年12月25日 | 70,000 |
10 | アンカシュ地震 | 1970年5月31日 | 70,000 |
地震による経済的な被害ランキング
地震の規模と被害のランキングを見てみると、規模が大きければ被害も大きい、というわけでもなさそうなことがわかります。地震が起こった場所にどれだけの人がいるかなども、被害に影響するようです。
経済的な被害を2018年の記事を参考に見てみると、1900年以降の地震で大きな影響を受けたのは、東日本大震災の32.8兆円、阪神淡路大震災の21.3兆円、中国の四川大地震の17.5兆円が、トップ3となっています。
日本で起きた地震2つが、世界でもトップの経済的被害を受けているのには、驚きですね。
日本の地震は世界と比べても深刻
頻度、規模、被害、経済的損失と、さまざまな観点で世界の地震について見てきました。日本は地震が多い国として知られていますが、それだけでなく規模や被害が甚大な地震も過去に起こっており、世界と比べても「地震による影響がかなり大きい」といえます。
国土が小さく人口密度が比較的高い日本では、1度の地震で人的・経済的被害を大いに受けてしまうのです。さまざまな被害を最小限に留めるためにも、なぜ死傷者がでるのか、どういった対策をするべきかを日頃から知り、考える必要があります。
地震が多い国に傾向はある?地震による被害は
地震が多く起こる国と、そうでない国に、地形などの違いはあるのでしょうか。また、地震が起こるとどういった影響で、人的・経済的な被害を受けてしまうのかを知っておくと、正しい対策や行動につなげられます。
地震が多い国の地形などの傾向
地震が多い国は、「造山帯」と呼ばれるエリアが中心です。造山帯とは山脈が連なっている地形のことで、アルプス山脈からヒマラヤ山脈を通って伸びている「アルプス・ヒマラヤ造山帯」と、南北アメリカ大陸の西岸から東アジアを通り、ニュージーランドまで伸びている「環太平洋造山帯」の2つがあります。
造山帯は、火山活動が活発で、地震も起こりやすい傾向です。日本も環太平洋造山帯に属しているので、地震が多いのも納得ですね。
地震による被害①家屋の倒壊
地震によりどんな被害が及ぶのか、大きく6つをご紹介します。強い揺れが起こると、家屋や古いビルなどが崩れたり倒れたりします。その下に生き埋めになってしまう方、倒壊により落下した外壁や窓ガラスが当たって怪我をする方は少なくありません。
地震による被害②火災
発災時に火を使っていて火災が起こる場合もあれば、家屋の倒壊によりガス管や電気配線が破損したことで、火災を引き起こすケースもあります。日本で過去に起こった関東大震災や阪神淡路大震災では、大規模な火災が深刻な被害をもたらしました。
地震による被害③津波
地震が起こるのは地上だけでなく、海などでも強い揺れはあるため、その影響で津波を引き起こす場合も。2011年の東日本大震災では、東北地方から関東地方にかけて、太平洋沿岸で巨大津波が観測され、多くの死者・行方不明者が出ました。
地震による被害④液状化現象
同じ成分、大きさの砂からなる土が地下水で満たされているような場所は、液状化現象を起こす恐れがあります。液状化現象は、地盤が液体状になる現象を指し、埋め立て地や海・川の近くなどで起こりやすい傾向です。東日本大震災でも、関東地方の広範囲で液状化現象が発生。やはり海や川が近くにある場所が中心でした。
地震による被害⑤地すべり
地すべりは大雨の際に起こりやすいイメージですが、地震を要因とするケースも少なくありません。地震の震動で、山などの斜面の上部が動いてしまうことで、地すべりが起こります。大雨の際は水が多く集まる凹型の斜面で地すべりしやすいですが、地震の際は、振動の集中しやすい凸型の斜面のほうが危険です。
地震による被害⑥その後の生活にも影響が
建物が崩れたり、重要な設備が壊れたりすると、その後の生活にもさまざまな影響を及ぼします。たとえば水道・電気・ガスなどのライフラインが停止してしまう、線路の寸断などで電車が動かない、道路が使えない、使えても渋滞してしまう、インターネットや電話が使えないなどです。
こうした生活への影響は、どの地域でも起こり得ますが、特に大都市など人が多く集まる場所では、深刻な事態になりやすいため注意が必要でしょう。
地震大国日本!さまざまな対策に世界から高評価も
地震はさまざまな二次災害の原因となり、命の危険が及ぶだけでなく、その後の生活への影響も少なくありません。日本は大小含め多くの地震が起こる「地震大国」で、地震への備え・対策に積極的に取り組んでいます。
日本政府や自治体が実施する対策は世界からも高評価を得ているので、どういった対策を行っているのか知り、自分自身でも防災意識を高めたり備えをしたりすると、もしものときに安心です。
日本政府や自治体が行っている地震対策
日本で政府や自治体によって現在行われている地震対策には、次のようなものがあります。
・住宅・施設・ライフライン・インフラなどの耐震化、不燃化
・防災情報の共有、活用
・津波対策
・防災教育、訓練の実施
・地域、組織などのコミュニティにおける防災力向上
・災害対応体制の強化
・避難者、帰宅困難者への対応の充実
・広域連携、支援体制の確立
・災害情報の収集、提供
・事業、業務継続性の確保
ほかにもさまざまな取り組みが行われており、これまでの地震による被害を教訓としていることがわかるでしょう。もしものときに被害を最小限に抑えるための取り組みとして、地震対策は現在も更新・改良され続けています。
1人ひとりができる備えは?
国や自治体が多くの地震対策に力を入れていても、1人ひとりの意識が低くては意味がありません。自宅でできる対策や備えを今一度確認し、いつ、何が起きても大丈夫といえるような体制を作りましょう。
・家具の固定や置き方の工夫
・備蓄品(食料・飲料・生活必需品)の準備
・非常用持ち出し袋の準備
などは、最低限の備えや対策です。自宅にあるものを見直し、危険な場所はより安全に、足りないものは買い足すなどしてみてください。
モノだけじゃなく「知識」も備えておこう
モノの備えや対策はもちろん、知識として蓄えておきたい情報も多くあります。たとえばご家族で生活している場合、バラバラの場所にいて地震が起こったらどのように連絡を取り、どこに集合するのかは、必ず確認しておきたいところです。
また、危険なポイントを避けて安全に避難するための経路を把握しておくことも、重要だといえます。実際に避難経路を辿ってみる、地域の防災訓練に参加するなどして、地震が起きたときの行動を日頃から繰り返しておくと、もしものときにも落ち着いた行動が取れるでしょう。
日本は地震の多い国!事前の対策でさまざまな災害に備えて
日本の地震は頻度、規模、被害のランキングのどれも1位ではありませんが、すべてにランクインしています。また、経済的な被害は非常に大きいため、国や自治体は教訓を生かし正しい対策で被害を最小限に抑えるための活動に積極的です。
地震に限らず、防災への1人ひとりの意識は年々高まっていますので、今一度正しい対策や備えができているかを確認してみましょう。地震が多い国に生きる1人として、命を守るために日頃からできることを、少しずつ実践していってくださいね。
編集後記
最近、長男に初めてお財布を持たせました。お金を払うのが楽しい、自分のお金を持てたことがうれしいようで、「買ってあげる」といってくれることもあるのですが…。
小学校1年生には、「自分のお金」と「自分が稼いだお金」の区別をつけるのがまだ難しいようで、お財布を持ってから少々態度が大きくなられた様子。いろいろと話していますが、「お金を持たせる」ってなかなかリスクが高いですね。
かといって、ここで取り上げてこちらで管理するというのも何か違う気がして、夫と「どうしたものか」と話し合っています。
とはいえ、地震や急なトラブルのときに、「財布を持って行動している」というのは、割と助かるのかなぁとも感じるので、お金の使い道について教えながら、もしものときにお金をどう活用するのかも、一緒に考えていきたいなと、この記事を書きながらぼんやりと思いました。
自分が災害への備えや対策をするのは簡単ですが、「子ども×防災」というのも、なかなか難しいテーマですよね。