みなさんはBCP(事業継続計画)対策とは、何を意味するかお分かりでしょうか。
少し前まではあまり知られていなかった言葉ですが、ここ数年で、一般企業にも浸透してきています。
その理由は、中小企業庁が推し進める「事業継続力強化計画認定制度」にあります。
今回は、BCP(事業継続計画)対策の必要性と、「事業継続力強化計画認定制度」について、シゲネコたちと一緒に学んでいきましょう。
そもそもBCP(事業継続計画)対策とは?
BCP(事業継続計画)対策って、いったい何のことなのかな?
BCP(事業継続計画)は、災害が起きた時に会社の被害を最小限に留めて、早急に復旧して業務ができるような策を計画しておくことだよ!
それって、会社が災害に遭っても、仕事ができる対策を取るってことでいいのかな?
でも・・災害に遭ったら家庭も大変じゃん!そんなことできるの?
そうだね!災害がいつ起きるかによって、対策は違ってくるし、当然家族も被災しているだろうから、簡単な対策ではないのは間違いないね。
じゃあ、なんでそんなできもしない対策をしなきゃいけないのかな?
具体的な例で解説してみよう
ニャン太のいう通り、できない計画じゃ意味がないけど、各企業は『できる計画』を考えて作っているんだ!
例えば、地震が起きて停電したらニャン太も困るでしょ!
あ~、ニャン太暗いの怖いから停電はメチャ嫌なんだな!!
じゃあ、停電が解消するにはどうしたらいい?
それは、電力会社の人に頑張ってもらうしかないんだな!ニャン太はただ、「頑張れ~」としかいえないんだな・・
そうだよね!停電になったら電力会社の人達が、頑張って工事して直してくれるから、電気が使えるようになるよね。
じゃあ、その電力会社が地震で被害に遭ってたらどうなると思う?
電力会社が被害に遭うって・・最悪じゃん!?
そんなことになったら、停電が続いちゃうよ!ニャン太は嫌だよ!
でしょ!停電を直してくれる電力会社が被害に遭って、復旧工事ができないと停電が続いてみんなが困るよね。
そこで登場するのがBCPなんだ!日本語でいうと「事業継続計画」だから、災害が起きても事業が継続できる対策を計画しているんだね。
でも、電力会社自体が被害に遭ってたら、作業できないじゃん・・
そうそう、そんな緊急事態を想定して計画しているから、会社が機能しなかったら、応援に来てもらう計画も盛り込まれているんだよ。
いろいろな緊急事態を想定して、一早く停電を復旧する事業を再開できるように、色んな対策が考えられているんだ!
なるほどねぇ!でもそんな計画作るのって大変じゃないの?
もちろん大変だよ!でも、このBCP対策があるからこそ、災害時でもライフラインが早く復旧しているんだ。
大企業は8割BCP対策が進んでいる(令和元年時点)
ところで、BCP対策ってどの会社でも計画しているのかな?
内閣府の令和元年時点の実態調査では、BCP対策は大企業では8割が進めているから、令和4年ではもっと進んでいるはずだよ。
8割以上ってことかぁ。大企業ってさ、どれくらいの会社が大企業なのかな?
大企業は、資本金10億円以上かつ常用雇用者数50人超等の会社になってる。まぁ、ほとんどが上場企業だね。
ということは、日本の経済を引っ張っている企業ってことでいいのかな?
うん、そうなるね!BCPについては、水道・ガス・電気・通信・輸送など、ライフラインに関連している企業は対策済みなんだよ。
中小企業はBCP対策が遅れている?
じゃあさ、中小企業でもBCPって進んでいるのかな?
ニャン太、いい質問だね!実は中小企業でのBCP対策は2割弱なんだ。
エッ~!!それってダメなヤツじゃないの?
まぁ、ダメっていえばダメなんだけど、仕方ないところもあるんだよ。
どんなところが仕方ないのかな?
さっきもいったけど、BCP作るのって大変なんだ。大企業なら専門の部署を作って、BCP対策が仕事の人を作れるけど、中小企業ではそんな余裕がないからね。
BCPを計画できる人がいないってことかな?
ぶっちゃけると、そういうことだね。人もそうだしBCPに詳しい人材も不足しているから、なかなか作れないのが現実なんだ。
中小企業に向けて「事業継続力強化計画認定制度」がスタート!
それって、災害に遭ったらBCP対策していないと、事業ができないってことでしょう?困るじゃん!!
いや、BCP対策がないと100%事業ができない訳じゃないよ。ただ、計画しておく方が、より被害を抑えられて、早く仕事が再開できるってことだね。
会社は仕事して対価としてお金をもらっているから、災害で仕事ができないと収入がなくなるでしょ。そうなると、社員の生活も困ることになるんだ。
じゃあ、やっぱりBCP対策しなきゃいけないじゃん!
そうなんだ!そこで、中小企業庁が2019年7月から「事業継続力強化計画認定制度」をスタートさせたんだよ。
この制度があるとBCP対策が、作りやすいということかな?
BCPの簡易版みたいな感じになっているからね。中小企業庁が手引きを作っていて、策定方法が解説されているから、理解できれば作りやすくなっているね。
なんか、おトクなこともありそうじゃん。
そうそう、おトクなことがあるんだよ!認定してもらうと、税制措置や金融支援、補助金を申請する時の加点になるから、災害時に対応する設備投資がしやすくなるメリットがあるよ。
じゃあ、たくさんの会社が申請しているんだね!
そうだね、2021年4月末時点で26,605社が認定を受けているよ!
それって、多いのかな?
国内の中小企業の数は、約419万社なので・・1%未満だね。
え~!?そうなんだ!やっぱりBCPって難しいんだね・・
会社の数が多いから、割合を出すとどうしても少なくなってしまうよね。
中小企業ではマンパワーが不足しちゃうし、現状維持をするのがやっとの会社もあるから、難しいよね。
何となくでもBCPが分かってもらえたかな?
今回は、BCP(事業継続計画)がどのような内容なのか、「事業継続力強化計画認定制度」ってどんな制度なのかを、できるだけ分かりやすく解説したつもりです。
国の施策を解説すると、専門用語やお堅い言葉になってしまって、読んでも分かんないことが多いです。
なので、今回はシゲネコたちに解説してもらいました!
BCP(事業継続計画)について、何となくでも分かってもらえたら嬉しいです。
参考サイト
中小企業庁 BCP(事業継続計画)とは
https://www.chusho.meti.go.jp/bcp/contents/level_c/bcpgl_01_1.html
中小企業庁 事業継続力強化計画
https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/antei/bousai/keizokuryoku.htm
内閣府 「令和元年度企業の事業継続及び防災の取組に関する実態調査」の概要①
https://www.bousai.go.jp/kyoiku/kigyou/topics/pdf/r2_gaiyou.pdf
帝国データバンク 特別企画 : 事業継続計画(BCP)に対する企業の意識調査(2021 年)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p210604.pdf