重ねるハザードマップの機能紹介!航空写真で昔がわかる

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国土交通省が提供している「重ねるハザードマップ」をご存じでしょうか?

WEBサイトにて、自宅や知りたい場所など日本中の「洪水・土砂災害・高潮・津波」のハザードマップを確認できる優れたサイトです。

実はこの「重ねるハザードマップ」には、航空写真をオーバレイ(重ねて)表示できる機能も搭載していて、写真で昔を知ることができるのです。

どんな感じになっているのか、東京タワー周辺を参考に見ていきましょう。

目次

ステップ1:検索ボックスにて地名や目標物、住所検索する

先ずは「重ねるハザードマップ」のサイトにアクセスします。そして、調査したい個所を検索します。

検索は、地名や目標物、住所など色んなワードで検索が可能です。

今回は「東京タワー」で検索してみた

そこで今回は、東京タワー周辺を調べたいので「東京タワー」で検索して見ることに。

国土交通省 重ねるハザードマップ
https://disaportal.gsi.go.jp/maps/?ll=35.371135,138.735352&z=5&base=pale&vs=c1j0l0u0t0h0z0

すると「東京タワー」のワードが含まれる検索結果が、ポップアップ表示されます。

国土交通省 重ねるハザードマップ
https://disaportal.gsi.go.jp/maps/?ll=35.371135,138.735352&z=5&base=pale&vs=c1j0l0u0t0h0z0

画面中心に「東京タワー」が表示される

すると、画面の中心に「東京タワー」がくるように、地図が移動して表示が完了します。

国土交通省 重ねるハザードマップ
https://disaportal.gsi.go.jp/maps/?ll=35.371135,138.735352&z=5&base=pale&vs=c1j0l0u0t0h0z0

赤丸の部分を拡大すると「高塔」の地図記号と「東京タワー」の注記が確認できます。

国土交通省 重ねるハザードマップ
https://disaportal.gsi.go.jp/maps/?ll=35.371135,138.735352&z=5&base=pale&vs=c1j0l0u0t0h0z0

ステップ2:航空写真を表示させる方法

ではここから、東京タワー周辺の航空写真を表示させる手順を、ご紹介します。

①選択中の情報ウインドウの「全ての情報から選択」をクリックします。

すると②の情報リストがポップアップ表示されるので、「写真」を選択します。

すると、情報リストの赤い枠内が表示され、ここが航空写真の情報となっています。

航空写真は最大で8つの年代を確認できる

情報リストにあるように、航空写真は最大で8つの年代の航空写真を確認することができます。

この年代別の航空写真は、国土地理院が保管している写真のある場所に反映されるようになっているので、全ての年代が存在しない地域もありますのでご注意ください。

ここでは、8つの年代を改めて、新しい順に確認しておきましょう。

1:全国最新写真(シームレス)
2:最新2007年~
3:1988年~1990年
4:1984年~1986年
5:1979年~1983年
6:1974年~1978年
7:1961年~1964年
8:1945年~1950年

ステップ3:「全国最新写真(シームレス)」からチェックしよう!

国土交通省 重ねるハザードマップ
https://disaportal.gsi.go.jp/maps/?ll=35.371135,138.735352&z=5&base=pale&vs=c1j0l0u0t0h0z0

先ず最も新しい航空写真は「全国最新写真(シームレス)」であり、東京タワー周辺では「最新(2007年~)」と同じ写真になっています。

場所によっては、「最新(2007年~)」よりも「全国最新写真(シームレス)」の方が新しい場合があります。

全国最新写真(シームレス)について

全国最新写真(シームレス)は、国土地理院が保有する全国の最新の航空写真を、一つにつなぎ合わせた写真です。

各地区によって、保有している最新の航空写真が異なるので、最新(2007年)と全国最新写真(シームレス)が一致する場所と、最新(2007年)より全国最新写真(シームレス)の写真が新しい場所があります。

「全国最新写真(シームレス)」の航空写真は、次の①~⑤の各航空写真から最新の写真を組み合わせて、全国シームレスな航空写真レイヤを作っているのです。

① 電子国土基本図(オルソ画像)(2007 年~)
② 東日本大震災後正射画像(2013 年 9 月~2013 年 12 月撮影、2012 年 10 月~
2013 年 5 月撮影、2011 年 5 月~2012 年 4 月撮影)
③ 森林(国有林)の空中写真(林野庁)(2011 年~)
④ 簡易空中写真(2004 年~)
⑤ 国土画像情報(1974 年~1978 年撮影、1979 年~1983 年撮影、1984 年~
1986 年撮影、1987 年~1990 年撮影)

ステップ4:年代別の航空写真を確認してみる

それではここから、各年代別の航空写真を使って、東京タワー周辺の様子を確認してみましょう。

最新の航空写真は、先に紹介した通りです。

1988年~1990年の航空写真

国土交通省 重ねるハザードマップ
https://disaportal.gsi.go.jp/maps/?ll=35.371135,138.735352&z=5&base=pale&vs=c1j0l0u0t0h0z0

この年代では、東京タワーの南側に①派手な屋根の建物が建っており、②の場所にゴルフ練習場のような施設があったことが分かります。

1984年~1986年の航空写真

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この年代と最新の航空写真を比較すると、赤丸部分に建っていた建物が「1988年~1990年代」に取り壊されて、最新の航空写真では「アークフォレストテラス」が建設されていることが分かります。

1979年~1983年の航空写真

国土交通省 重ねるハザードマップ
https://disaportal.gsi.go.jp/maps/?ll=35.371135,138.735352&z=5&base=pale&vs=c1j0l0u0t0h0z0

この年代では赤丸の個所が、現在では「虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業A街区」として、正に開発中の場所になります。

外務省の外交史料館の直ぐ隣で、1988年~1990年代の航空写真にも建物が写っていますが、最新の航空写真では更地となっています。

また、赤矢印の「注1」は飛行機から撮影された、写真番号が写り込んでいます。このことから、アナログの航空写真をデジタルに変換して、座標付けを行っていることが読み取れますね。

1974年~1978年の航空写真

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https://disaportal.gsi.go.jp/maps/?ll=35.371135,138.735352&z=5&base=pale&vs=c1j0l0u0t0h0z0

この年代では、広範囲の航空写真撮影はあまり行われていませんでした。

写真をよく見ると、緑色の線で区切られた①~④の写真の色が違うことにお気づき頂けるでしょう。

これは、異なる時期に撮影された航空写真をつなぎ合わせているからなのです。

この年代と先の1979年~1983年の航空写真とは、あまり年代に差がないのでしょう。

状況は、ほとんど同じように見て取れます。

1961年~1964年の航空写真

国土交通省 重ねるハザードマップ
https://disaportal.gsi.go.jp/maps/?ll=35.371135,138.735352&z=5&base=pale&vs=c1j0l0u0t0h0z0

流石にこの年代まで遡ると、写真もモノクロになってしまいますね。

しかも、赤丸の部分など多くの場所が先の年代の航空写真と異なっていて、新しい建物が建設されています。

東京タワーの南側にあった派手な屋根の建物も、この時期にはなかったので1964年以降に建てられた建物であることが分かります。

1945年~1950年の航空写真

国土交通省 重ねるハザードマップ
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東京タワーは、1957年6月29日着工し1958年12月23日に竣工しています。

この年代の写真は、終戦となった1945年(昭和20年)からの写真なので、当然ながら東京タワーは写っていません。

ただ建物の様子から見ると、終戦直後でなく1950年に近い年代の航空写真であると思われます。

最大に拡大した航空写真

国土交通省 重ねるハザードマップ
https://disaportal.gsi.go.jp/maps/?ll=35.371135,138.735352&z=5&base=pale&vs=c1j0l0u0t0h0z0

これが、WEB上で航空写真を最大限拡大した状態のモノです。

ある程度の大きさまで拡大すると、フィルターが働いて写真が消えてしまいます。

最新の航空写真と最も古い航空写真を比較して見た

見てお分かりのように、左が最新の航空写真、右が最も古い航空写真です。

東京タワーが建築される前と、現代の写真を対比して見れるなんて滅多にありませんよね。

50年以上前から、道路の形状はほぼ同じであることが分かります。

終戦直後まで遡って現地を確認できるので、さまざまな用途に利用ができる

今回ご紹介した「重ねるハザードマップ」の航空写真機能では、終戦直後まで遡って現地を確認することが可能です。

自宅が昔どんな場所だったのか、航空写真を遡って確認することで把握できます。

もしも埋め立てした場所であるなら、大きな地震後には液状化に注意する必要があります。田んぼや池でも同じようなこといえるでしょう。

自宅や地元で気になる場所があるなら、重ねるハザードマップを使って航空写真で確認してみるのも楽しいですよ!

国土交通省の「重ねるハザードマップ」は、コチラからアクセスできます!
https://disaportal.gsi.go.jp/maps/?ll=35.371135,138.735352&z=5&base=pale&vs=c1j0l0u0t0h0z0

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

1963年生まれ、兵庫県在住の防災士&フリーライター 
2014年から本格的にライターを開始!これまで多数の記事を執筆
2017年にひょうご防災リーダー講座を受講し防災士を取得。ハザードマップなど防災業務に長年従事し、防災関連の講演も行っています。
経験を活かして防災に関する情報をできるだけわかりやすく、みなさんへ届けたいとの想いを持って執筆しています。詳しいプロフィールはこちら

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