今回は国土交通省が提供している『川の防災情報』をご紹介します。
このポータルサイトには、雨や雪が河川に与える影響やレーダ雨量(雨雲レーダー)も見ることができます。
紹介の中では、雨が降っている日の実際の状況をいくつかピックアップしていますので、ぜひ参考にしてください。
カテゴリは6つに分かれている
探す情報の種類は、次の6つのカテゴリに分かれていています。
上記の内、青色のカテゴリについて詳しい内容が紹介されています。
カテゴリ1:雨の状況を調べるで実際に大雨情報を調査してみた!
このカテゴリでは、レーダ雨量計で観測した雨量情報を確認できます。これは、通常よく見かける雨雲レーダーと同じです。
同時に、雨量観測所の計測データもリアルタイムに確認できます。
本稿を執筆しているのは2022年3月26日で、この日は全国的に雨模様となっています。
その中で、鹿児島県屋久島に大雨警報が発表され、1時間に約120ミリの猛烈な雨となり「記録的短時間大雨情報」が発表されました。
そこで、『川の防災情報』を利用して状況を確認してみましたので、その内容をリポートすると共に「川の防災情報」の機能も解説します。
レーダ雨量は過去6時間に遡って確認できる
鹿児島県の種子島・屋久島地方に、3月26日午前6時4分に「大雨警報」が発表されています。
執筆開始時間は、午前10時からなので、リアルタイムの雨雲レーダーでは状況を確認することはできません。
ですが、『川の防災情報』のレーダ雨量では6時間前まで遡って雨量の状況を確認できます。
その機能を使って状況を確認してみました。
午前11時に屋久島で80ミリの雨量が確認できた
これは、過去に遡って確認したレーダ雨量です。
常に20ミリから30ミリの雨量が観測されていましたが、午前11時には屋久島で80ミリの雨量が観測されています。画像の紫色の個所です。
3月26日の鹿児島地方気象台の気象状況
実際にこの日の鹿児島地方気象台が発表している、気象情報を確認してみましょう。
このように、この日の屋久島地方には「大雨洪水警報・土砂災害警戒情報」までも発表されています。
雨量計情報を確認!既に600ミリを超える雨量となっている
今度は、雨量計の情報を確認してみまた。確認の時間は26日13:30現在の情報です。
安房西の雨量計が最も累積雨量が多く、この地点では降り始めから既に600ミリ以上の雨が降っていることが確認できました。
「川の防災」では、このように全国に設置されている雨量計の情報を確認することができます。
カテゴリ2:行政からの発表を調べる 屋久島では「高齢者等避難」が発令
次に、行政からの発表を調べるカテゴリでは、次の3つの情報を確認できます。
この内避難情報からは、本日屋久島に「高齢者等避難」が午前10:43に発令されたことが確認できました。
画面ではこのような表示となっていて、地図と一覧表にて屋久島町総務課より「高齢者等避難」が発令されていることが分かります。
この一覧表は、過去の避難指示も確認できるので、過去の災害を振り返って確認する際には有効です。
また、次のような詳細な避難情報を確認することもできます。
ダムの放流通知機能
このカテゴリの中には、ダムの放流通知機能があるので、自宅付近にダムのある方はぜひ活用してください。
ダムが放流を開始すると、河川の水位は極端に上昇します。放流は大雨の時に行われるので、防災行政無線での放送は聞こえないことがほとんどでしょう。
なので、「大雨が降っている⇒ダムが放流するのか?⇒川の防災で確認」と、この手順を踏めば確実な情報を得ることが可能となります。
幸いにも26日の執筆段階では、ダムの放流はありませんでした。
昨日25日に長野県の美和ダムにて放流が行われていたようなので、その情報を記載しています。
画像が表示される手順は、次のとおりです。
カテゴリ3:川の状況を調べる ライブカメラはおススメ!
川の状況を調べるカテゴリでは、次の3つの情報を確認できます。
観測所等の地図情報は、全国の観測所の水位や画像、ダムの状況を確認できます。
また、水害リスクラインは洪水の危険度の高まりを、約200mメッシュで地図上で河川両岸別に確認できる情報です。
現在では、洪水の危険度のある河川はないので、表示を確認することはできませんでした。
自宅地域で大雨警報が発表された際には、確認してみることをおススメします。
ライブカメラは今の河川の状況と平時の河川を比較できる
ライブカメラ機能は、現在のリアルタイムな河川の状況と平常時の河川の状況を比較できるので、水位の高まりなどをリアルに感じ取れるのでおススメです。
ここでは、高知県の物部川に設置されているライブカメラをピックアップしてみました。
物部川付近に先ほど、60ミリの雨量を観測していたので確認してみると、平常時よりも若干水嵩が増えているのが分かります。
カテゴリ5:水質・積雪・潮位を調べる 現在でも2mを超える積雪が確認できる
先日3月20日には、東京でも桜の開花宣言が公表され暖かい春が確実に近づいてきています。
そんな時期でも、北海道ではまだ3m近い積雪となっている地域が確認できます。
「川の防災情報」では、日本全国の河川の状況を確認できて水量だけでなく、積雪も確認が可能です。
早速、どのように確認できるのか見てみましょう。
雪マークのアイコンで積雪深を表示
このように、北海道の地図を見てみると雪マークのアイコンが並んでいて、それぞれ色分けがされているのがお分かり頂けるでしょう。
色が濃くなるほど積雪が多くなっていて、紫色の地点では2m以上の積雪となります。
画像の地点は石狩川水系の旭岳で、所在地は北海道上川郡東川町旭岳温泉です。
この周辺では、現在でも260cmの積雪が確認できます。
「狭い日本」とよく言われますが、こうしてみると狭いどころか人間にしてみれば広大な国であることが改めて分かりますね。
『川の防災情報』を体験してみよう!
国土交通省が公開しているポータルサイト『川の防災情報』は、河川に対してのさまざまな情報を確認できるだけでなく、気象警報や避難情報も詳しく知ることができるサイトです。
この『川の防災情報』を知っていれば、あちらこちらのサイトを巡ることなく、このサイトだけで雨や雪に関する情報を集約して確認できるので、とても便利です。
先ずは、サイトにアクセスして色々試してみてください。せっかく国が無料で提供してくれているのですから、使わないともったいないですよ!
国土交通省『川の防災情報』は、コチラからアクセスできます!
参考サイト
国土交通省 川の防災情報
https://www.river.go.jp/index