恐ろしい表面フラッシュ!ガスコンロではご用心

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表面フラッシュとは、衣類に着火した炎が一瞬で燃え広がる現象を呼んでいます。

多くは、ガスコンロの火が、衣類の袖口などに着火して起こるので、ガスコンロ付近では表面フラッシュに用心する必要があります。

表面フラッシュは、一瞬衣類に火が走る現象を呼んでいますが、本記事では「表面フラッシュ=着衣着火」と同じ意味として取り扱っています。

目次

表面フラッシュとは?

冒頭にお伝えしている通り、表面フラッシュとはちょっとした小さな炎が、衣類に燃え移り一瞬で広がってしまう現象のことです。

言葉よりも、実際の映像をご覧頂いた方が分かりやすいと思うので、神戸市が発信している動画をご紹介しましょう。

神戸市

この動画のように、表面フラッシュとは一瞬衣類の上を炎が走る現象を呼んでいますが、多くの場合、この現象が衣類着火につながり、衣類自体が燃える事故を引き起こしています。

ですから、本記事ではこれ以降「表面フラッシュ=着衣着火」として、お伝えしていきます。

ガスコンロだけでない!たき火・仏壇のローソクやタバコのライターも注意

出典:総務省消防庁 (別添)着衣着火に関するデータ等
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_055/assets/consumer_safety_cms205_211117_02.pdf

表面フラッシュを注意するシーンは、ガスコンロだけではありません。

仏壇のローソクや、タバコを吸う時のライターの炎も注意が必要なのです。

中でも、たき火による表面フラッシュは死亡率が第1位となっています。

たき火中の表面フラッシュは死亡率が第1位

総務省消防庁の統計資料によると、先のグラフのとおり「たき火中」に、表面フラッシュが起きて死亡する確率が第1位となっています。

この数字は、平成27年~令和元年までの統計データですが、現在もあまり変わっていないようです。

ですから、たき火中は燃えにくい服を着ることが、最も重要となるでしょう。

仏壇のローソクからの表面フラッシュはお年寄りが多い

仏壇にお参りする風習はやはりお年寄りが多く、その結果、ロウソクの炎による表面フラッシュの事故は、お年寄りに集中しています。

ご家族がいる場合は、危険性をよく伝えてあげましょう。

または、お参りする際にはロウソクは使用しないことも、必要かも知れません。

タバコの火をつける時にライターの炎が揺らぐと・・

現代ではタバコを吸うにも一苦労で、スモーカーの方は大変な状況と言ってようでしょう。

屋内での喫煙はほとんどできなく、外での喫煙となっているはずです。

ライターの火をつけた時に、風が吹いて袖口に炎が近づくと・・

袖口から、表面フラッシュが起きる可能性が十分あります。

表面フラッシュが起こりやすい素材を比較

表面フラッシュについては、起こりやすい素材と起こりにくい素材があります。

ここでは、表面フラッシュが起こりやすい素材を一覧表でお伝えしましょう。

表面フラッシュ発生状況一覧表

とても起こりやすい素材1
 
 とても起こりやすい素材2
綿、キュプラ、 レーヨンアクリル※1、 ビニロン
炎を上げて素早く燃え上がる融けながら炎を出し て、素早く燃える
起こりやすい素材起こりにくい素材
ポリエステル、 ナイロン、絹、毛アクリル系※2、 フェノール系
炎の広がりはゆるやかで徐々に燃焼する炎に触れている間は燃えるか焦げるが、炎を遠ざけるとすぐ消える

※1:アクリル繊維は、ポリアクリロニトリルを 85%以上含有する素材です。
※2:アクリル系繊維は、ポリアクリロニトリルの含有率が 35~85%で、塩化ビニルまたは塩化ビニリデンを含有する素材です。

表面フラッシュが起きやすい衣類の形状

表面フラッシュは素材だけでなく、衣類の形状によっても起きる確率が異なってきます。

・袖口がゆったりした衣類
・垂れさがるデザインの衣類
・マフラーやスカーフをしたまま調理をする

これらの形状の衣類や、マフラーやスカーフなどは、ガスコンロ付近では要注意となります。

表面フラッシュが起きると死亡するケースもある!

出典:総務省消防庁 (別添)着衣着火に関するデータ等
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_055/assets/consumer_safety_cms205_211117_02.pdf

自分にはあまり関係ないと思われがちですが、表面フラッシュによる火傷で毎年100名の方がなくなっているのです。

先のグラフを見るとお分かり頂けますが、直近の令和2年では、95人の方が表面フラッシュが原因でなくなっており、その内77人の方が65歳以上の高齢者となっています。

表面フラッシュを防ぐ重要事項!

ここでは、死亡にも繋がってしまう表面フラッシュについての重要事項をお伝えしましょう。

・火に近づきすぎないようにすること!手を伸ばしたり、かがんだりすると、意図せず体が火に接近する可能性があるので要注意です。

・火力の調節とこまめな消火を心掛ける!調理の際は、炎が鍋底からはみ出さないように気を付けてください。「ながら掃除」などはせず、火のそばで作業をするときは一度消火することが重要です。

・服装に注意する!袖口やすそが広がっている衣服、ストールなど垂れ下がるものは、火を扱う際には身に着けないようにします。また、衣服の表面が毛羽立った素材は、表面フラッシュにも注意が必要です。

・火の周囲にも注意しよう!風が吹くような場所は、着火すると燃え広がり大変危険です。また、引火しやすい液体等が付着したままの服で、火に近づかないでください。

もしも衣類に火がついてしまったら!

注意していても、万一服に火がついてしまったら、どうすれば良いのでしょう。

そんな時に、対処する手順をお伝えしておきましょう。

1:ストップ⇒2:たおれる⇒3:ころがる

1:火の回りを早めないためにも立ち止まります。

2:炎は上に上がる性質があるので、頭部や気道を守るために地面に倒れ込み、燃えているところを地面に隙間ができないよう押しつけます。

3:地面に倒れたまま左右に転がって衣服についた火を消します。その際、両手で顔を覆い、顔へのやけどを防ぐようにすることがポイントです。

袋井市のYouTube動画で確認しておこう

ここで、先の動作を紹介している、袋井市のYouTube動画を紹介しておきましょう。

袋井市

表面フラッシュと衣類着火は同じだと考えておこう

ネットで検索すると、表面フラッシュでは衣類は燃えず単に発火するだけ。

衣類が燃えるのは「衣類着火」と分けて説明しているケースもありますが、そうではなく「表面フラッシュ=衣類着火」と考えておいた方が良いです。

とにかく、実際に年間100人の方が亡くなっていて、死亡以外でも多くの方が火傷などの治療を必要としています。

たき火・コンロ・ローソク・タバコは、「表面フラッシュ」に要注意ですね。

参考サイト
総務省消防庁 (別添)着衣着火に関するデータ等
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/caution/caution_055/assets/consumer_safety_cms205_211117_02.pdf

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

1963年生まれ、兵庫県在住の防災士&フリーライター 
2014年から本格的にライターを開始!これまで多数の記事を執筆
2017年にひょうご防災リーダー講座を受講し防災士を取得。ハザードマップなど防災業務に長年従事し、防災関連の講演も行っています。
経験を活かして防災に関する情報をできるだけわかりやすく、みなさんへ届けたいとの想いを持って執筆しています。詳しいプロフィールはこちら

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