緊急地震速報は役に立たない説は本当なのか!?

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この前、ある防災関連の講習会に参加した時に紛糾したのが、「緊急地震速報」についてでした。

「大きな地震が予測されるときは「緊急地震速報」が流れるので、これを聞いたら直ぐに安全な体制を取りましょう!」

との説明に、「何の役にも立たない!」「数秒で地震が来るのに、冷静に対応できない」との意見が続出。

なかなか収まらず、休憩を挟む事態になりました。

そこで、今回は「緊急地震速報」は役に立たない説は本当かどうか、考えてみましょう。

目次

緊急地震速報の仕組みを詳しく解説しても意味がないことは分かった!

出典:仙台気象台 緊急地震速報のしくみ
https://www.jma-net.go.jp/sendai/knowledge/kyouiku/eqvol/eq_nc.pdf

この画像は、気象庁が公開している「緊急地震速報のしくみ」を説明しいるモノですが、この画像を見ながら、次の説明をされても頭に入ってきません。

緊急地震速報のしくみを説明

地震が発生すると、震源からは揺れが波となって地面を伝わっていきます。この波を「地震波」と呼びます。

地震波には、Primary「最初の」の頭文字を取った「P波」と、Secondary「二番目の」の頭文字であるSを取った「S波」があり、P波の方がS波より速く伝わる性質があります。

一方、強い揺れによる被害をもたらすのは、主に後から伝わってくるS波です。

このP波とS波の特性である地震波の伝わる速度の差を利用して、先に伝わるP波を検知した時点で、S波が伝わってくる前に危険が迫っていることを知らせることが可能になります。

なので、P波を感知して最大震度が5弱以上と予想された場合に、震度4以上が予想される地域を対象に、S波が到達する前に緊急地震速報を発表します。

何を説明されているかチンプンカンプン!

この説明を聞いて、一発で理解できる方は相当かしこい方でしょう。

P波やS波などの専門用語に、Primary・Secondaryの英語を使うと、説明はとても専門的でステキなのですが、聞いている側はあくびが出てしまうのが現実です。

しかも、「最大震度が5弱以上と予想された場合に、震度4以上が予想される地域を対象に緊急地震速報が発表される。」

となるので、震度5なのか震度4なのか分からない方も大勢います。

説明は至極カンタンが分かりやすい!

「震度4以上の地震が想定される地域に発表されるのが、緊急地震速報です」

これだけで、説明は十分でしょう。地震計の仕組みとなる「P波やS波」の説明は、一般には不要だと感じます。

緊急地震速報から数秒から数十秒で揺れが発生するので意味がない!

緊急地震速報が役に立たない理由として、速報から数秒から数十秒で揺れが起きるので、意味がないと言われています。

2018年6月の大阪北部地震の震源地では揺れの後に速報が発表された

2018年6月18日に大阪北部を襲った震度6弱の地震では、震源地には揺れが始まってから緊急地震速報が発表さてていました。

気象庁には「なんで揺れてから鳴るんだ!」などの苦情が殺到したようです。

実際に現地で体験した方はもちろん、これらの情報を知った方の中では、「揺れてから鳴る緊急地震速報は役に立たない」との説が、広まってしまったのも事実でしょう。

音が怖い!音でビックしてパニックになる!との意見も多い

中には、「緊急地震速報時のチャイム音が怖くて、逆にパニックに陥ってしまう!」との意見もあります。

ですが、よく考えれば分かることですが「恐怖を感じることもない音」が鳴って、危険と感じるでしょうか?

チャイム音が怖いから緊急地震速報は役に立たない説はNG!

チャイム音が怖いから、パニックになるから緊急地震速報は役に立たないとの説は、個人的にはダメだと感じています。

だって、緊急に地震を伝える意味で鳴る音なら「ビックリする!!」音でなければ、誰も気づかないし、危険だとも感じないでしょう。

心臓に悪いほどビックリする音と感じているようですが、これまであのチャイム音で心臓発作を起こして亡くなった方はいませんから、そこまで拒否する必要はないと感じています。

ただ、個人差はあるので「あの音が鳴ると怖い」との意見は、理解することはできます。

いきなり揺れるより、予めビックリした方がマシ!

地震の予知はとても難しいモノです。昔は、強い揺れがいきなり襲ってきていました。

現在では、一旦、緊急地震速報にてビックリした後に揺れがくるので、「おっ!!なになに!・・わっ!地震や!」と、強い揺れまでに、ワンクションあるのでマシでしょう。

緊急地震速報が鳴るから安全とは限らない

揺れが来る前に、ビックリすることでワンクションあるのは、以前と比べればマシだと感じます。

ただし、緊急地震速報が鳴ったから直ぐにテーブルの下に隠れたり、安全な場所に移動っしたりするのはなかなか難しいのが現実です。

訓練をいっぱいして、音が鳴ったら自然に身体が動くようにしておけばいい。

と言われる方もいますが、訓練と分かっていれば心の準備もできていますし、いつも傍に頑丈な机がある訳ではありません。

それに、あのチャイム音を何回も聞きたくない人も大勢いますから、緊急地震速報の訓練をいっぱいする案は非現実的だと感じます。

緊急地震速報はビックリするチャイムと捉えるといいのでは!?

緊急地震速報は、一早く地震が起こることを、なんとか地域住民に知らせるために開発されています。

もちろん、仕組み上「揺れに間に合わない場所」もあります。

ですが、「地震が来るよ~!」と、数秒までも予めビックリしておけば、いきなり揺れが来るよりはマシではないでしょうか?

恐らく、「緊急地震速報は役に立たない説」は、賛否が分かれるでしょう。

実際に大きな地震で被災した場所では、「緊急地震速報は有効だった!」とも報じられていますから、個人それぞれの受け取り方によるでしょう。

なので、「緊急地震速報は役に立たない!」と決めつけるのでなく、ビックリするモノだと捉えておけばいいのではないでしょうか!

参考サイト
仙台気象台 緊急地震速報のしくみ
https://www.jma-net.go.jp/sendai/knowledge/kyouiku/eqvol/eq_nc.pdf

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

1963年生まれ、兵庫県在住の防災士&フリーライター 
2014年から本格的にライターを開始!これまで多数の記事を執筆
2017年にひょうご防災リーダー講座を受講し防災士を取得。ハザードマップなど防災業務に長年従事し、防災関連の講演も行っています。
経験を活かして防災に関する情報をできるだけわかりやすく、みなさんへ届けたいとの想いを持って執筆しています。詳しいプロフィールはこちら

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