WEB上には政府が予算をかけて、作成・運営しているサイトが数多く存在します。
本来は全国民が利用できるように公開しているにも関わらず、現実はほとんど特定の方しか利用していません。
せっかく国が公開しているので、知らないのはもったいないです。
そこで、今回は国土交通省が公開している「地点別浸水シミュレーション検索システム」(浸水ナビ)を、ご紹介しましょう。
「地点別浸水シミュレーション検索システム」(浸水ナビ)とは
「地点別浸水シミュレーション検索システム」(浸水ナビ)とは、浸水想定区域を電子地図上に表示するシステムです。
自宅などの地点を、WEBサイト上で指定すると次のようなことが分かります。
・どの河川が氾濫した場合に浸水するか
・河川の決壊後、どれくらいの時間で氾濫水が到達するか
・どれくらいの時間、浸水した状態が継続するか
洪水ハザードマップの、シミュレーション版ともいえますね。
「地点別浸水シミュレーション検索システム」の特徴
紙ベースやWEB版の洪水ハザードマップの場合、主要河川がはん濫した際の浸水想定を確認することができますが、全貌を知るには河川ごとのハザードマップを確認し、見比べる必要がありました。
このシステムでは、電子地図上で調べたい地点をクリックすることで、浸水リスクをアニメーションで確認することができ、視覚的にも分かりやすくなっています。
地点別浸水シミュレーション検索システムの主な機能
浸水ナビには、次のような機能を搭載しています。
4つの主な機能の紹介
・堤防の破堤点の検索
・選択した破堤点が決壊し浸水する時間経過をアニメーションで表示
・指定した地点における浸水シミュレーショングラフの表示
・取水時に注意すべき河川のテレメータ水位の表示
出典:国土交通省 国土地理院
https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/bousaichiri60021.html
浸水アニメーションの表示機能
破堤点からの浸水深やその時間変化を、アニメーションで表示します。
破堤から24時間が経過するまでのシミュレーションを見ることができるので、自宅が破堤から何分または何時間後にどれだけ浸水するのかを、詳しく知ることが可能となっています。
アニメーションを6パターンで切り取って紹介
浸水ナビで、実際に体験するのが一番なのですが、ここでは浸水アニメーションを6パターンに切り取った状態で紹介しましょう。
破堤から10分後
浸水が開始して10分後では、0.5~3m未満の浸水が始まっています。
出典:国土交通省 国土地理院
https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/bousaichiri60021.html
破堤から30分後
30分経つと、調査地点にも水が押し寄せてきています。
この時点ではまだ避難することが可能な状況です。
出典:国土交通省 国土地理院
https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/bousaichiri60021.html
破堤から60分後
60分経過すると、調査地点も0.5~3m未満の浸水となります。
出典:国土交通省 国土地理院
https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/bousaichiri60021.html
破堤から3時間後
調査地点周辺の多くが、0.5~3m未満の浸水となっています。
出典:国土交通省 国土地理院
https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/bousaichiri60021.html
破堤から12時間後
浸水が収まって、水が引いていくのが分かります。
破堤から1時間後に浸水しているので、約11時間は浸水域の中にあるということが分かります。
破堤から24時間後
すっかり水も引いて、復旧に取り掛かることが可能となります。
地点別浸水シミュレーション検索システムは、コチラから操作することができます! |
https://suiboumap.gsi.go.jp/ShinsuiMap/Map/ |
時間経過と浸水情報も確認できる
出典:国土交通省 国土地理院 地点別浸水シミュレーション検索システム
https://suiboumap.gsi.go.jp/ShinsuiMap/Map/
浸水ナビの、アニメーション画面の詳細です。
浸水状態がアニメーションで表示される他、調査地点の「水位の経過時間・浸水深・最大浸水深」が分かる、サブ画面も表示されます。
アニメーションの早さも4段階で調整が可能。
同じ調査地点でも、破堤点によって浸水状況がかなり変わってくるので、「自宅が浸水するには、どの場所が破堤するのが最も危険なのか?」を、WEB上で調査することができます。
地点別浸水シミュレーション検索システムから分かること
浸水ナビから分かることは、3つあります。
一つは「想定破堤点を知る」二つ目は「浸水想定を知る」三つめは「河川の水位い情報を知る」ことです。
想定破堤点を知る
地図上で調査地点をクリックすると、指定カ所に影響を与える想定破堤点が表示され、浸水深が最大となる破堤点が赤色で表示されます。この機能によって、想定破堤点を知ることができます。
出典:国土交通省 国土地理院 地点別浸水シミュレーション検索システム
https://suiboumap.gsi.go.jp/sosa_hateiten.html
浸水想定を知る
先に紹介した浸水アニメーションによって、調査地点の浸水状況を詳細に知ることができます。
浸水までの時間に猶予があるなら、破堤した後でも避難することが可能かどうかも分かります。
河川の水位情報を知る
破堤点から、国土交通省が公開している「川の防災情報」にアクセスすることができます。
全ての破堤点にリンクがある訳ではありませんが、リンク設定のある破堤点では、川の断面図やはん濫危険水位などの情報を知ることができます。
出典:国土交通省 国土地理院 地点別浸水シミュレーション検索システム
https://suiboumap.gsi.go.jp/sosa_suiijoho.html
便利なアイテムはできるだけ活用しよう
今回は、「地点別浸水シミュレーション検索システム」をご紹介しました。
せっかく、国が公開している便利サイトなので、知らないのはもったいないことだと感じます。
自宅や会社、親戚の家など、気になる地点の浸水状況をアニメーションで表示してくれるので分かりやすいです。
ただし、地点検索は指定河川の近くでないと検索できません。
1級河川の近くを調査したい方は、ぜひ利用してみてください。
時間つぶしにも使えるので、余裕のある時は色々触ってみるといいですよ。
出典:国土交通省 国土地理院 地点別浸水シミュレーション検索システム
https://suiboumap.gsi.go.jp/sosa_suiijoho.html
https://suiboumap.gsi.go.jp/sosa_hateiten.html
https://suiboumap.gsi.go.jp/ShinsuiMap/Map/
https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/bousaichiri60021.html
https://www.gsi.go.jp/bousaichiri/bousaichiri60021.html