今回は、筆者が体験した禁煙が成功するまでのリポートをお届けします。
近年ではタバコを吸うところが限られていて、スモーカーにとってはなんとも辛い世の中になってしまいました。
タバコの値上がりや喫煙所の減少など「いっそのこと禁煙できたらいいのに・・」と、思うスモーカーも多いでしょう。
かくゆう筆者もスモーカー歴36年でして「禁煙なんて絶対できない!」と、確信していました。
ところが、やればできるモノで完全に禁煙に成功して、タバコを吸わずに済んでいます。
それでは、禁煙に至るまでのリポートを開始しましょう。
禁煙できない自信は100%!やめる気はゼロ
周りがドンドン禁煙してスモーカー仲間が減ってきても、家族からやめるようにいわれても、禁煙できる自信が無かったので、やめる気は全くありませんでした。
家族で出かける時は必ず禁煙タイムをとって、サービスエリアや道の駅、コンビニに立ち寄って、喫煙所にてタバコを2本吸ってニコチンを補充するほど。
家の中では吸えないので、雨の日でも雪が降っていても駐車場の片隅に作った、小さな喫煙所でタバコを吸う生活を続けていたのです。
病院でいわれた「お孫さん・・死ぬよ!」の言葉
昔から高血圧を患っており、定期的に病院に通って血圧を下げる薬を処方してもらっていました。
ある時、いつもより血圧が高かったので定期でなく、臨時で病院に来院したのですが・・
そこでのやり取りを、お話しましょう。
お薬飲んでいますか?
はい!いつも通り飲んでいます!
お薬飲んでこの数値じゃ、今日はタバコもお酒もダメですよ!
エッ!!タバコもですか??
もちろん!できればやめて欲しいくらいです
いやぁ~やめられるなら、とっくにやめていますわ
ところで、ご家族に喘息とか呼吸器系に症状のある方いませんか?
孫が双子なのですが、その内1人が少し喘息気味ですね・・
そのお孫さんとは同居ですか?
いえいえ別居ですが、時々遊びに来てくれます!
遊びに来た時に、抱っこしています?
もちろん!抱っこしていますよ
そう・・お孫さん、死にますよ!!
はい??死ぬって??どういうことですか?
喘息持ちの2歳児に、タバコの煙を浴びせているのですよ!
喘息が酷くなるから、タバコを吸うならお孫さんとは合わない、お孫さんと合うならタバコをやめるしかないですよ!後で、禁煙外来を覗いてください!
と、このようなドクターとのやり取りがありまして、筆者としては「何をいっているんだ!」と憤慨しながら、診察後に禁煙外来の部屋に行きました。
6時間たっても吐く息から有害成分が!
禁煙外来に行くと、笑顔の看護師さんからDVDを見るようにいわれて、ヘッドホンを装着。
30分ほど、タバコついての動画を見ることに。
そこには、喫煙後6時間を経過しても吐く息には一酸化炭素が含まれていて、他人に喫煙者の呼気を向けるのは48時間以上経過しないと、NGとなっていました。
受動喫煙によるニコチンなどのタバコ成分は45分程度のようですが、呼気のCO濃度(一酸化炭素)は、約6時間でやっと半分になるようです。
つまり、タバコを吸って10分程度で2歳の孫を抱っこして話しかけていると、孫に有害物質を吹きかけていることになり、特に喘息患者には絶対にNGとされる、一酸化炭素を与えていることとなっていたのです!
DVDを見てドクターのいった「お孫さん、死ぬよ!」の言葉の意味が理解できました。
その場で、禁煙外来に申し込みを行ない、禁煙を決意しました。
禁煙方法は2種類!飲み薬「チャンピックス」を選択
禁煙外来では、皮膚に貼り付けるパウチとチャンピックスと呼ばれる飲み薬の、2種類から選ぶことができます。
筆者は、飲み薬のチェンピックスを選択しました。
チャンピックスを服用すると、ニコチン受容体に結合して少量のドーパミンが放出され、禁煙に伴う離脱症状やタバコに対する切望感が軽減される仕組みとなっています。
最初の1週間は服用しながらタバコを吸ってもOK
チャンピックスによる禁煙方法は、最初の1週間は服用しながらタバコを吸ってもOKなのです。
1日~3日目までは、チャンピックスを食後に1錠服用します。4日目~7日目までは朝夕の食後に2回服用します。
実際に4日目当たりから、「タバコが美味しいと感じない」状態になってきます。
当時はラークのメンソール1mmロングタイプを吸っていたのですが、半分程度吸うと「もういいや」ってなってきました。
これまで、食後の一服は至福の時だったのに、そうではなくなってきたのです・・
7日目では、既にタバコの本数も減っていて、ホントに美味しく感じません。
そして、8日目からは、完全禁煙がはじまります。
12週間で5回の通院!通院時には呼気の検査で本当に喫煙しているか計測
禁煙外来の通院は、初回の診察から2週間後が2回目、3回目はさらに2週間後、4回目は4週間後、そして5回目はさらに4週間後の、全12週間で5回の通院が必要となります。
その度に、呼気検査を行なって本当に禁煙しているかチェックされます。
流石にタバコが不味いと感じても、吸いたくなる衝動を抑えるには苦労しました。
私の場合はミンティアを口に入れて、紛らわしていました。
また、冷たい水を飲むと少しですが、吸いたい衝動を抑えることができました。
12週間経過しても、毎日タバコの夢は見る
12週間が経過しても、毎日タバコの夢は見ましたね。
ただ、チャンピックスを服用して2ヵ月目くらいから、タバコの煙が臭いと感じるようになってきました。
それまでは、イイ匂いと感じていたのに不思議なモノです・・
そしてついに12週間目には、一応禁煙は成功ということになり、あとはリバウンドしないように気を付けるだけです。
可愛い孫のためなら禁煙も可能だった!
既に禁煙してから5年目を迎えますが、タバコを吸いたいと思うことはなくなりました。
ただ、吸っている夢は今でも見ます。
何よりも、孫の命にかかわることなので「やめる選択しかなかった・・」のが本音です。
ちょうど私が禁煙をはじめてからが、さまざまな所で喫煙所がなくなり、スモーカーが悪のように扱われるようになっていました。
タバコ代が浮くとお小遣いが減らない
今では堂々と孫と遊べますし、お小遣いが減らないのも嬉しいです!
当時のタバコ代は1日2箱840円なので、1ヵ月約25,200円。1年で302,400円にもなっていたので、そのお金が必要なくなったのは大きいですね。
禁煙外来の費用は2万5,000円だったはずですが、タバコを吸い続けるよりも安く済んだのは確かです。
ただ、5年経っても時々タバコを思いっきり吸っている夢は見ますし、タバコの臭いがすると当時の至福の感覚が蘇ってきます。
特に電子タバコの臭いは紙タバコよりも、脳に伝わる感覚は強いですね。
ただ、それでもタバコを買ってまで吸おうと思わなくなったのはよかったです。
しかし、運動しないと太るデメリットも・・
禁煙できたのは嬉しいのですが、やはりタバコをやめると太ります。
お菓子はほとんど食べない方ですが、ご飯は美味しくなるので控えていても多く食べてしまい確実に太りました。(笑)
禁煙外来でも「禁煙と運動はセットで行なってください」と指導はされていましたが、運動しなかった結果15キロ増となっています。
これからは、ダイエットを目標にしないと、毎年着る服がありません・・
まとめ
・受動喫煙は45分程度でも一酸化炭素は48時間経過しないと消えない
・喘息系の持病がある人にはスモーカーの呼気は凶器となる
・チャンピックスを服用して禁煙に成功
・禁煙すると確実に太るので運動は必須となる