2012年に国が公表した、南海トラフ巨大地震にて起きる津波の高さは、高知県黒潮町で国内最高となる34.4mと予測されています。
しかも、黒潮町は南海トラフに近いために、津波の到達時間が約8分と早く、沿岸部にいればとても逃げ切れるとは思えません。
また、高知県土佐清水市でも34.0mの津波が、4分で到達すると予測されています。
さらに、東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県でも、2022年5月10日に公表した津波浸水想定では、東日本大震災の1.2倍となる、最高22.2mの津波が予測されています。
20mを超える高さの津波が予想されている地域
まずは、南海トラフ巨大地震や宮城県独自の津波浸水想定にて、20m以上の高さの津波が予想される一覧を、独自調査で作成してみました。
一口に20mといってもピンとこないかも知れませんが、ビルで計算すると約6階~7階分の高さになります。
この高さから飛び降りれば、確実に死亡しまう高さです。
津波高さ一覧
津波の高さ | 所在 | 到達時間 |
---|---|---|
34.4m | 高知県黒潮町 | 8分 |
34.0m | 高知県土佐清水市 | 4分 |
33.0m | 静岡県下田市 | 13分 |
30.2m | 東京都新島村 | 14分 |
27.0m | 東京都神津島村 | 17分 |
26.0m | 三重県志摩市 | 6分 |
25.0m | 高知県須崎市 | 15分 |
25.0m | 高知県宿毛市 | 8分 |
24.0m | 徳島県美波町 | 12分 |
24.0m | 高知県室戸市 | 3分 |
22.2m | 宮城県気仙沼市 | 5分 |
21.2m | 宮城県南三陸町 | 4分 |
この一覧を見れば、高知県が多くなっていることが分かります。また、東京都新島村でも30.2mの高さの津波が予想されています。
東日本大震災時の津波は今でも記憶に新しいところですが、当時の津波の最高は宮城県女川漁港の14.8mとされています。
あの東日本大震災の2倍以上の津波が襲うのですから、被害は甚大どころではないでしょう。
東京都新島村とはどこにあるの?
南海トラフ巨大地震の津波は、上記のように予想されています。
ところで、30.2mの津波が予想されている「東京都新島村」とはどこにあるのでしょう。
実は、伊豆諸島を構成する島のひとつがそうです。
周囲にも神津島や大島などの島がありますが、新島村が最も高い津波が予想されています。
高知県黒潮町は2012年の津波の公表から世帯数が減少傾向にある
もともと黒潮町は2010年から世帯数が減少傾向にありましたが、2012年に国が公表した34.4mの津波想定を受けて、翌2013年には一気に前年比マイナス1.6%となる「5,734世帯⇒5,642世帯」に減少しています。
計算上では、92世帯が黒潮町から脱出したこととなります。その後もマイナス傾向は継続しており、2022年では5,277世帯までになっています。
気象庁の津波を知らせる仕組み!「巨大」との言葉は非常事態を表す
ここで気象庁が、津波を知らせる仕組みを紹介しておきましょう。
津波が発生する地震は、ほとんどが海溝型地震となります。現在では、海底に多くの地震観測システムが設置されていて、高い精度で地震とその後の津波の発生を知らせることが可能になっています。
とはいっても、地震を予測しても数秒~数分以内には揺れが起きて、その後すぐに津波が発生します。
「巨大」という言葉で大津波警報が発表された時は、東日本大震災クラスの非常事態であるため、ただちにできる限り高いところへ避難してください!
予想される津波の高さは1m~10m超の5段階で発表される
気象庁では津波が発生すると予測された場合には、津波注意報・津波警報・大津波警報の、注意報と警報で知らせます。
その内容は次のとおりで、津波警報なら即効で逃げなくてはなりません。
津波対策はとにかく高い場所に逃げるしか方法はない
津波は1回で終わることなく、何回も繰返し襲ってきます。第一波では住宅まで届かなくても、第二波では住宅を飲み込む高さになるケースもあるのです。
津波対策はとにかく、津波の届かない高い場所に逃げるしか方法がありません。
気象庁からの津波警報が発表されたら、迷うことなく高い場所に逃げることが重要です。
また、津波注意報でも安易に考えないで、海岸や川のそばから離れることもお忘れなく。
まとめ
今回は34.4mの巨大津波が起きると予想されている高知県黒潮町や、ビルの7階相当の高さの津波が予想されている地域を紹介しました。
また、気象庁が発表する津波注意報と津波警報・大津波警報の分類と、とるべ行動も解説しています。
巨大地震が起きる確率が年々高くなってきていますから、津波への備えもしっかりしておいた方がよいでしょう。