一時集合場所と一時避難場所との違いは!?分かりづらい一時集合場所を解説

本サイトはプロモーションが含まれています。

防災用語には、分かりづらい用語が多くあります。

避難場所と避難所、一次避難と二次避難、広域避難場所など似たようないい方ですが、その内容は全く異なることになります。

「一時集合場所」も一時避難場所と同じ意味と捉えている方も、多くいらっしゃいます。

今回は分かりづらい用語の一つである「一時集合場所」について、解説しましょう。

目次

 一時集合場所は「いっときしゅうごうばしょ」と読みます!

一時集合場所は、「いちじしゅうごうばしょ」ではなく「いっときしゅうごうばしょ」と読みます。

この読み方だと、なんとなく意味が分かってくるのではないでしょうか?

 一時集合場所は、一旦みんなが集まる場所

一時集合場所(いっとき集合場所)は、避難する際に一旦近所の方々が集合する場所を意味しています。

【POINT】

・単独での避難行動はリスクがあるのでグループで避難する

・避難する際はできるだけ大勢で助け合いながら避難する

・避難する際は、自治会の班で行動する

このような決まりの中で、一時集合場所は利用されます。

 一時避難場所(いっときひなんばしょ)は自治体で解釈がことなる

一時避難場所も読み方は(いっときひなんばしょ)となります。

文字のとおり、一時的に避難する場所であり、施設はありません。

【POINT】

1:帰宅困難者が交通手段が回復するまで待機する場所

2:地震時に一時的に避難し、揺れが完全に収まるまで待機する場所

3:避難所に向かう前に一時的に集合する場所

このように、自治体によって解釈がさまざまあります。

どれも、各自治体の防災計画に明記されているので間違いではありませんが、ある意味「ローカルルール」的な位置づけとなっている感はあります。

特に「3:避難所に向かう前に一時的に集合する場所」は、正に「一時集合場所」と同じ意味を持っています

 一時集合場所は自治体は指定しない!自治会単位で決定する

一時集合場所の大きな特徴は、自治体がその場所を指定するのでなく、自治会単位で場所を指定することにあります。

 集合場所は自治体は指定しない

「避難する時に○○地区の方は△公園に集合してから、〇△小学校に避難してください」

この場合の一時集合場所は「△公園」となり、避難所は「〇△小学校」となります。

〇△小学校は、自治体が指定している避難所になりますが、一時集合場所となる「△公園」は、自治会が指定する集合場所になります。

つまり自治体では、集合場所までの指定は行っていないのです。

その理由は、単位が狭すぎて防災計画が膨大かつ煩雑になるからです。

防災意識の強い自治会などが一時集合場所を指定している

では、「どの自治会でも一時集合場所を指定しているのか!?」というと、そうではありません。

一時集合場所を指定しているのは「防災意識の高い自治会」になります。

筆者も防災計画策定に携わってきた経験があり、ある町の全自治会とのヒアリングに立ち会ったことがあります。

その時に感じたのが、自治会によって防災意識に違いがあるということでした。

過去に大きな災害を経験している地区では、その地区独自の防災計画が作られていて、行政に頼ることなく命を守るルールを作っていました。

一方である地区では、「行政がつくる防災計画に基づいて行動する」こととなっていました。

このように、一時集合場所を指定しているのは、その地区独自の防災計画を作っている自治会です。

地区内にある公園や空き地を集合場所に指定し、リーダーまでも指定して地域全体の安全を守る手段を計画しています。

地区防災計画を作るよう呼びかけられている

実は自治体が策定する「地域防災計画」とは別に、国は地域に「地区防災計画」を作るよう呼びかけているのです。

 同じ自治体でも地域に入れば環境は全く異なる

地区防災計画を作るよう呼びかけられている理由は、地域によって環境や資源がことなるからです。

例えば同じ自治体でも、沿岸部の地域では高潮や津波に警戒する必要があります。

ですから、津波避難ビルや高台への避難路の整備、避難経路の策定が重要な課題となるでしょう。

一方で、山間部に行くと津波や高潮の心配はないものの、台風などによる大雨時の土砂災害に警戒する必要があります。

このように、同じ自治体でも南と北では警戒する災害に違いがあり、避難方法も異なってくるのです。

それを、自治体の防災計画で策定するのはムリがあるので、その地区に住む方々が独自の防災計画を作ることとなります。

なぜ、自治体が地区防災計画を作れないのか!?

地域防災計画は作っているのに、どうして地区防災計画は作ることができないのでしょう。

それは、自治体の職員がその地区のことを深く知らないからです。

また、地区側からも「土地のことを知らない行政に命令されるのは嫌だ」と、拒むことも挙げられます。

あの家の地盤は低くて、雨が降れば土のうを積まないといけない。

とか、どの水路がいつも溢れるので注意しないといけない。

などの、ピンポイントの注意ヵ所はそこに住んでいる方々が一番よく知っています。

なので、「地区に住む人が自主的に自分たちのために作ってね!」と呼びかけられているのが、地区防災計画になります。

 一時集合場所は自治会単位で決める場所のこと

分かりづらい一時集合場所(いっとき集合場所)を、解説してきました。

この集合場所は自治体が決めるのでなく、自治会単位で決める場所であることもお分かり頂けたでしょう。

一時避難場所とは違う意味も持っているし、同じ意味合いで使われている場合もあります。

ただ、避難所に避難する前にみんなが集まる場所であることは変わりません。

「いっとき集合場所」と読むことを覚えておけば、役割は理解できるでしょう。

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

1963年生まれ、兵庫県在住の防災士&フリーライター 
2014年から本格的にライターを開始!これまで多数の記事を執筆
2017年にひょうご防災リーダー講座を受講し防災士を取得。ハザードマップなど防災業務に長年従事し、防災関連の講演も行っています。
経験を活かして防災に関する情報をできるだけわかりやすく、みなさんへ届けたいとの想いを持って執筆しています。詳しいプロフィールはこちら

目次