大規模盛土造成地マップとは!?危険な地域とはならないことを知っておこう!

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大規模盛土造成地マップを、見聞きしたことがある方は少なくないはずです。

それは2021年(令和3年)7月3日午前10時半に起きた、熱海市伊豆山土石流災害が違法な盛土が原因で起きたことで「大規模盛土造成地」がクローズアップされたからです。

従って多くの方が、伊豆の土石流災害が起きたことで「大規模盛土造成地マップ」が作成されたと思われていますが、それよりも前の2015年(平成27年)5月に「大規模盛土造成地の滑動崩落対策推進ガイドライン」が策定され、大規模盛土造成地マップの作成が具体化されています。

しかし、大規模盛土造成地マップに記載のある個所が、危険な個所とはならないことを把握している方は少ないです。

そこで今回は、大規模盛土造成地マップについて分かりやすく解説します。

目次

大規模盛土造成地とは一定規模以上の形状をしている

大規模盛土造成地とは、宅地造成等規制法によって「一定規模以上の形状で、計算によって危険と確認できる造成宅地」が該当し、次の2種類が存在しています。

「谷埋め型」谷や沢を埋めて造成された土地

大規模盛土造成地の滑動崩落対策推進ガイドライン

「谷埋め型」は、谷や沢を埋めて造成された土地のことで、盛土を施した土地の面積が3,000㎡以上となっています。

この「谷埋め型」の造成地では、谷を埋めて宅地用の平坦面を確保するために、図のように地震時には元の地山部と盛土部の境が、斜面下方向に移動するとされています。

「腹付け型」傾斜面に沿って盛土造成された土地

大規模盛土造成地の滑動崩落対策推進ガイドライン

もう一つは「腹付け型」と呼ばれる造成法で、傾斜面に沿って盛土造成された土地があります。

盛土をする前の地盤面が水平面に対し20度以上の角度を持っていて、盛土の高さが5m以上であることが「腹付け型」の条件です。

この造成地の滑動崩落の特徴は、地震時に大規模盛土造成地全体、または大部分が斜面下部方向へ移動するとされています。

「大規模盛土造成地マップ」の作成の趣旨

これまでの、阪神・淡路大震災や新潟県中越地震、東日本大震災などで、大規模な造成地にて甚大な被害が発生しています。

この被害状況を受けて、2015年(平成27年)5月に「大規模盛土造成地の滑動崩落対策推進ガイドライン」が策定されています。

そして「大規模盛土造成地マップ」はこのガイドラインに沿って、大規模盛土造成地の位置の把握を目的とする地図です。

大規模盛土造成地の位置を示すもので危険度を示していいない

「大規模盛土造成地マップ」は、先に解説した「谷埋め型」と「腹付け型」にて造成された土地を表示しているだけです。

従って、大規模盛土造成地には該当しますが「危険な個所の表示ではない」ので、その点はしっかり把握しておきましょう。

盛土造成地の位置と規模の把握の方法

大規模盛土造成地の滑動崩落対策推進ガイドライン

ガイドラインでは大規模造成地であるかは、昔の地形と現在の地形を重ね合わせて盛土造成地の位置を把握します。

その後、盛土造成地の規模を把握して「大規模盛土造成地の抽出」に至ります。

造成地前の地形図や空中写真、標高データを収集

大規模盛土造成地の滑動崩落対策推進ガイドライン

大規模盛土造成地の抽出には元の地形が重要となるため、造成地前の地形図や空中写真、標高データを収集しています。

現代の技術なら戦前の空中写真からも3次元データの作成が可能となるため、さまざまな資料を収集して比較用のデータを作っています。

あくまでも大規模盛土造成地の位置を示す地図でしかない

東京都都市整備局 大規模盛土造成地マップの閲覧

これは東京都港区の「大規模盛土造成地マップ」ですが、見てのとおり造成地の位置を示しているに留まっています。

「大地震が起きた際には、滑動崩落が起きるかも知れない!」程度に捉えておきましょう。

大規模盛土造成地よりも、土砂災害の土石流危険個所の方が危険リスクは高くなっています。

大規模盛土造成地マップのリンク一覧

大規模盛土造成地マップのリンク一覧をまとめましたので、ぜひ参考にご利用ください。

各一覧表内の「大規模盛土造成地の有無等の公表」⇒「存在する(マップの公表)」⇒「○」部をクリックすると、該当の自治体の「大規模盛土造成地マップ公開ページ」が表示されます。

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国土交通省 大規模盛土造成地マップの公表状況等について(R2.9.30時点)

参考サイト
大規模盛土造成地の滑動崩落対策推進ガイドライン
国土交通省 大規模盛土造成地マップの公表状況等について(R2.9.30時点)
東京都都市整備局 大規模盛土造成地マップの閲覧

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

1963年生まれ、兵庫県在住の防災士&フリーライター 
2014年から本格的にライターを開始!これまで多数の記事を執筆
2017年にひょうご防災リーダー講座を受講し防災士を取得。ハザードマップなど防災業務に長年従事し、防災関連の講演も行っています。
経験を活かして防災に関する情報をできるだけわかりやすく、みなさんへ届けたいとの想いを持って執筆しています。詳しいプロフィールはこちら

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