土砂災害は3種類!いまさら聞けない定義から備えまで、重要な情報をお届けします

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ライターの永野です!

夫は元々東京の人間なのですが、義父母が老後を熱海で過ごすと決めたこともあり、私の地元へUターン。熱海には年に3回ほど行くのですが、さすが東京から近い観光地ということで、夏場もお正月も多くの人で賑わっています。

ここ数年はコロナの影響で閑散としている時期もありましたが、今年のゴールデンウィークはありえないくらいの人で「二度とこの時期に行かない」と思うほどでした・・・。

そんな熱海で2021年夏に起こった土砂災害は、記憶に新しい方も多いのではないでしょうか。土砂災害発生からしばらくして、一度伊豆山を通って小田原方面へ行く用事があり現場の下を通ったのですが、災害が発生した場所はすっぽりと何もなくなっており、周囲の建物にはその痕跡がまだ残っていました。

熱海に引っ越してから義母が出会った方のご家族にも被害に遭われた方がいるそうで、遠いようで身近な、痛ましいニュースだったなと未だに感じています。

土砂災害、というと「土砂崩れ」のイメージが強いですが、実は大きく3種類あるのをご存じでしょうか。そこで今回は、土砂災害の種類や定義、前兆などをまとめました。該当エリアの方はもちろん、そうでない方ももしものときのために、知識を備えましょう。

目次

土砂災害の定義

土砂災害とは、地震や大雨など何らかの要因で、岩石や土砂が下方に移動することをいいます。普段、重力の影響を受けて動くことのない地面が下方へ移動することで、その上に建っている建物などはもちろん、移動した先にある住居などにも影響が及び、大変危険です。

土砂災害の発生状況

Wikipediaによると、1979年から2008年までの30年間には、年間平均約1000件の土砂災害が発生しているそうです。また、2009年から2013年も同じく平均すると1000件程度ですが、前述の通り大雨などの影響を受けやすいため、各地で豪雨が多かった2004年は、2537件もの土砂災害が発生しています。

死者数にも幅があり、0人の年もあれば、各地で土砂災害が多発した年は年間で数十名のときも。また、平均1000件というのは自然災害全体のなかでも高い比率にあたり、多い年には6割に達することもあるそうです。

土砂災害が起こるシチュエーション

土砂災害の発生原因となるのは地震や火山噴火、融雪などさまざまですが、最も多いのは大雨の影響です。短時間で多量の雨が降る「豪雨」や、「長雨」といって数日間雨が降り続けることで、地盤に影響が及び土砂災害が起こります。

ちなみに、土砂災害が起こりやすいのは山地と、丘陵地という地形の場所です。丘陵地は標高約300mの小起伏地。山地と台地のあいだのような地形です。日本は国土全体の約70%が山地と丘陵地でできているので、多くの地域が土砂災害の危険性があるといえるでしょう。

土砂災害は大きく3種類!特徴は?

筆者は土砂災害と聞くと、山の斜面が崩れるようなイメージがありますが、実は大きく3種類に分かれるそうです。どういった種類があるのか、それぞれの特徴を見てみましょう。

それぞれの現象について、奈良県の砂防・災害対策課のホームページにわかりやすいアニメーションがあったので、引用させていただきました。

地すべり

地すべり
奈良県 砂防・災害対策課ホームページより

「地すべり」は土地の一部、もしくは全部がゆっくりと下方に移動する現象です。原因は雨や雪解け水で、これらが地面にしみこみ地下水となることで地面が動きやすくなり起こります。

地下水は広い範囲の土に影響を及ぼすため、道路の被害やライフラインの停止なども、広い地域に及びやすいのが特徴です。また、地すべりは傾いた土地で起こりますが、急な斜面ではなくゆるい傾きの場所で起こりやすいため、こうした地形の場所に住んでいる方も注意する必要があります。

土石流

土石流
奈良県 砂防・災害対策課ホームページより

土石流は、山や川底の石や土砂が、一気に下方へ押し流されるものです。大雨や集中豪雨により発生した大量の水と混ざり、時速20~40kmもの高速で流れていきます。谷川のように、山から流れて傾きが急なところで起こりやすいので、その勢いは増しやすく、下方にある家や畑などはあっという間に飲み込まれてしまうため危険です。

しかし、地すべりと比べると被害の範囲は比較的狭く、谷川の下以外は影響を受けにくいのも特徴だといえます。

がけ崩れ

がけ崩れ
奈良県 砂防・災害対策課ホームページより

がけ崩れは、傾き30度以上の土地が崩れるものです。地すべり同様、地下水が影響することもありますし、地震によって起こる場合もあります。山の斜面が突然崩れ、しかもスピードが速いので避難が難しくなることも。

自分がいる場所の近くで起こると、逃げ遅れて命に関わることもあるため危険です。がけ崩れは土砂災害のなかでも最も多いので、自宅の裏山などが急ながけになっている場合は、発生の可能性を危惧し、迅速に対処する必要があります。

土砂災害が起こるかも!前兆も見逃さないで

3つの土砂災害は、どれも私たちの命や財産を脅かす危険性を持っています。なかでも発生率が高いがけ崩れは、「急な発生」にも注意が必要です。

とはいえ、土砂災害が起こる前にはさまざまな前兆もあるので、これを見逃さず迅速かつ正しく避難すれば、大切な命を多く守ることができます。土砂災害の前に起こりやすい現象には、どういったものがあるのでしょうか。

割れ目

山などの斜面に不自然な割れ目を見つけたら、土砂災害を警戒しましょう。割れ目の部分からがけ崩れが起こる可能性があります。

大雨のときなどには、割れ目を見つけたらすぐにその場から離れるようにしましょう。

落石

山の斜面から石がいくつも転がり落ちてくることがある場合も、土砂災害の危険性があります。がけ崩れの前兆の落石とも考えられますので、できるだけ遠い場所に避難する必要があります。

地鳴り

山のほうから地鳴りが聞こえてきたら、土石流の前兆かもしれません。近くに谷川などがあり、地鳴りが聞こえた場合には、土石流に巻き込まれないよう警戒しましょう。

土石流はがけ崩れよりも発生までにやや余裕がありますが、少しでも前兆を感じたら災害情報などにも注意しつつ避難の準備を進めてください。

水や川のにごり

沢や井戸の水がにごっている、川の水が急ににごりだしたり流木などが流れてきたりしたら、土砂災害の前兆です。沢や井戸などの水がにごるときには地すべりが、川の水がにごったときは土石流が起こる可能性があります。

それぞれ、起こり得る災害の種類が異なりますが、どちらも危険です。「水のにごり」にはじゅうぶんに警戒しましょう。

水位減少

雨が降っているにもかかわらず川の水位が下がっているときも、注意が必要です。水位減少は土石流の前兆です。

上流から大量の水や土砂、石などが流れてくると、川の付近も巻き込まれる可能性があるので、川から離れるようにしてください。

わき水の増加・減少

山の斜面から湧き水がでているところもありますが、この湧き水の量がいつもより増えたり、反対に急に止まったりするのも、土砂災害の前兆だといえます。

これはがけ崩れが起こる前触れですので、斜面から離れることを意識しましょう。

急な土砂災害への備え、何をする?

土砂災害は発生回数が多く、前兆をキャッチしないと地震のように急に起こって対処しきれないということもあるため危険です。また、前兆があると感じても、発生までに時間の猶予がないこともあるため、日ごろからの備えをできるだけしておく必要があります。

大きな被害を受けないため、大切な命を守るためにできることは、何なのでしょうか。

危険箇所の確認

最近は個人で防災への興味・関心を高めている方も多いですし、自治体でも防災に関して力を入れていることが増えています。自治体のホームページなどをチェックすると、地域の危険箇所を示す「ハザードマップ」が見られるので、土砂災害の危険性について事前にチェックしておきましょう。

自宅周辺はもちろん、職場や子どもの通っている学校なども、土砂災害の危険性がないか確認してください。

「土砂災害危険箇所」や「土砂災害警戒区域」、「特別警戒区域」などに指定されている場合には、万一土砂災害が起こった場合に迅速に避難できるような準備をしておく必要があります。

また、もし土砂災害に巻き込まれた場合の避難場所についてもチェックし、安全なルートで避難場所にたどり着けるよう、経路の確認も忘れてはいけません。

情報の共有

家族で住んでいる場合は、情報を共有しましょう。誰か1人が土砂災害に関する情報を持っていて意味がないということはありませんが、もしものときに他の家族が土砂災害の危険性や避難場所について何も知らないと、家族が危険にさらされる可能性があります。

自宅や会社周辺の災害の危険性、避難場所、避難経路、非常時の行動や連絡手段などを普段から家族で話し合っておくと、緊急時にも比較的スムーズに行動できるでしょう。

また、地域で防災訓練や防災に関する会合が行われている場合は積極的に参加し、地域住民での「共助」に努めると、自分や家族の命を守ることはもちろん、より多くの方の命を守ることにもつながります。

非常用のグッズなども準備しよう

避難場所には自宅にあるものすべてを持って行けるわけではありません。また、もし自宅が土砂災害に巻き込まれたら、戻ってきても自宅にあったものを救出できない可能性があります。

必要最低限のものをまとめた非常用の避難袋を用意しておき、土砂災害が起こる可能性がある場合には貴重品と一緒に持ち出せるようにしておくと、安心です。

避難袋のほか、日用品や食料品の備蓄などもしておくと、土砂災害以外のさまざまな災害の際にも活用できます。

土砂災害の種類を知って正しく対策しよう

土砂災害は「地すべり」「土石流」「がけ崩れ」の大きく3種類です。それぞれ起こりやすい地形は異なりますし、発生までの時間や被害の範囲も違います。

前兆を見逃さず安全に避難できるよう、日頃から知識とモノの備えをしておきましょう。大切な命や財産を守るために、少しずつ自宅の防災を強化していってくださいね。

編集後記

熱海の土砂災害から話は始まりましたが、「そういえば結局伊豆山の土砂災害ってどの種類だったんだろう」と思い、Wikipediaで情報を見返してみました。「熱海市伊豆山土石流災害」という名称がついていることから、土石流が起こったことがわかります。

逢初川という川が土石流の原因だったようで、通りで被害が及んだ範囲が(横幅的に)狭いんだなと再認識しました。

こういう地形の話や、以前執筆した天気の話などは学校でも習ったはずですが…改めてこうして自分で言葉にしてみると、勉強になることが多くあります。

私は日常的に新聞やニュースを熟読するタイプではなく(ライターの分際で…)、興味を持ったものや仕事に関連する内容は読み込むという人間なのですが、こうやって興味・関心の幅が広がるのもライターの楽しいところです。

そういえば昔、アニメの放送予定を予想する記事?を某ブログのお手伝いということで執筆し、そこで「呪術廻戦」と「炎炎ノ消防隊」に出会ってドはまりしたこともありましたし、Netflixで放送している海外ドラマや映画に関するラジオを記事にする仕事をしているときは「映画みたい~」と思ったのですが我が家は既にU-NEXT会員だったのでそこは諦めましたが、もしネトフリ会員だったら海外映画にハマっていた気がします。

趣味や娯楽として楽しめることももちろん魅力的ですが、防災新聞の執筆は、自分や家族を守るための知識が備わり、防災への意識が高まるなぁと毎回実感しています。

そんな気持ちを、読んでくださる皆様にも、少しでも持って頂ければ幸いです。

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語教師を経て2018年よりライターに転身。子どもと学べる防災に関心を持ち、日々災害や備えについて勉強中。
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