梅雨前線・秋雨前線の違いを、高校理科で生物しか得意ではなかったライターが解説!

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ライターの永野です!

クリスマスのあとには子どもたちの誕生日が待っているので、プレゼントについて考えます。季節を問わず贈れる品物ももちろんありますが、その季節によく使うものを渡すことも、少なくないですよね。

たとえば冬ならマフラーや手袋など、夏場は冷感グッズのかわいいものだと「自分では買わないものの人にあげたら喜んでもらえそう!」と、ついつい買ってしまいます。私は6月生まれなのですが、誕生日プレゼントに折り畳み傘を頂くことがやたら多い時期がありまして…。

「そりゃ梅雨の時期だから仕方ないよな~」とは思いましたが、「6月=傘類」というのはなんだか複雑な気持ちです(笑)。

雨がよく降る時期といえば、梅雨はもちろん、夏から秋に向かうときにも台風やら何やらとけっこう雨が降ったりしますよね。と、いうことで今回のキーワードは「梅雨前線」と「秋雨前線」!

それぞれの特徴や違い、雨の続く時期に注意したいポイントをまとめましたので、参考になれば幸いです。

目次

そもそも「前線」とは?全部で4種類あるらしい

梅雨前線と秋雨前線の違いについて解説する前に、「そもそも前線とは」という方に、簡単に前線について説明します。私も「前線」というワード自体はよく耳にしていましたが、具体的にどういった意味があるのか知らなかったので、調べてきました!

前線は前線面が地上と交わる部分

空気には暖かいものと冷たいもののかたまりがあり、それぞれを「暖気」「寒気」といいます。この暖気と寒気がぶつかるところが「前線面」、前線面が地面に接する部分が「前線」です。

ちなみに、暖気と寒気では暖気のほうが軽いので、ぶつかると暖気が上に、寒気が下になります。このときにできる雲によって雨が降る、という仕組みです。

前線の種類は4つ

前線面がぶつかる地点、前線となる地域では、風向きや気温の変化が激しくなるのが特徴です。また、暖気と寒気の大きさにより前線の種類は異なります。4種類の「前線」の名称や、どういったものなのかを確認しましょう。

温暖前線:穏やかな雨が長く続く。通過すると気温が上昇する
寒冷前線:強い雨が短時間で降る。通過すると気温が下がる
閉塞前線:温暖前線の後ろから寒冷前線が追いつくもの。追い付いた寒気の温度により、寒気の温度が高い温暖型、寒気の温度が低い寒冷型に分かれる
停滞前線:暖気と寒気の勢力がほぼ同じ。動きが遅いので、停滞しているように見える

予想天気図(日本周辺域)の説明
「日本周辺域 予想天気図」気象庁ホームページより

天気図では、実際に上図のように前線が示されています。ちなみに、天気図内の記号についても、気象庁ホームページで以下のように説明されています。

気象庁ホームページより

4つの前線はそれぞれ異なる記号で表現されているのがわかりますね。

停滞前線の1つ、梅雨前線!特徴は

「梅雨前線」「秋雨前線」というのは正式な前線の名称ではありません。梅雨前線は停滞前線の一種で、オホーツク海気団と小笠原気団が入れ替わろうとすることで起こります。2つの気団(空気の塊)の勢力はほぼ同じなので、張り合うことで動きが遅くなるのです。

梅雨前線の活動時期や特徴などを、解説します。

活動時期

梅雨前線が日本にとどまる期間は非常に長く、1ヵ月以上にも渡ります。5月から7月頃がその時期にあたるので、ちょうど真ん中の6月に、「梅雨」のイメージが強くなるのでしょう。

5月に南で発生し北上し、東日本に到達するのが7月頃。北日本が梅雨に入るころには、九州や沖縄では梅雨明けをしています。

雨の降り方

梅雨前線の影響で降る雨は、西日本と東日本では雨の降り方が変わってきます。梅雨というと、1日じゅう静かに雨が降り続くイメージですが、西日本は激しめ、東日本は静かめな傾向です。

西日本では集中的な雨がよく見られます。特に、九州や四国などでは強い雨が降りやすく、水害や土砂災害につながることも少なくありません。しかし、年間水量の多くを梅雨の雨でまかなう地域もあるので、貴重な水源ともいえます。また、西日本では気温が上がり、雨なのに暑いのも特徴です。

東日本、関東や東北では「梅雨」のイメージ通りの雨が降ります。静かに雨が降り続き、肌寒い日もあるでしょう。

梅雨入り・梅雨明けの基準は?

天気予報などを見ていると、「梅雨入り」「梅雨明け」というワードを耳にしますが、その基準は何なのでしょうか。

梅雨に入るときには、5日ほど移り変わりの時期があります。天気のよい日がしばらく続き、その後、曇りや雨の日が連続するという予測ができるときを「梅雨入り」とするそうです。

梅雨明けについては、南のほうから順番に訪れます。梅雨明けの直前は、強い雨が断続的に降り続けることも多いです。その後、6月後半から7月中旬にかけて、順に梅雨明けとなります。

梅雨入り・梅雨明けについては天気の予測を見て暫定的に決めるので、発表後に修正されることも。梅雨が近づいてきたら、天気予報をより詳しくチェックしてみると、おもしろいかもしれません。

秋雨前線も停滞前線!梅雨前線とはどう違う?

梅雨前線と同じく、秋雨前線も停滞前線の1つです。梅雨前線と異なる点を、見てみましょう。

活動時期の違い

梅雨前線は5~7月ですが、秋雨前線は8月の終わり頃から10月末くらいまでに発生します。梅雨よりも雨の量が少ないですが、台風も発生しやすい時期なので、その影響で大雨が降ったり落雷が起こったりすることもあるので注意が必要です。

台風が近づいていなくても、梅雨前線が暖気を刺激することで、大雨になることもあります。

進行方向の違い

梅雨前線は南で発生して北上しますが、秋雨前線は進行方向が逆になります。秋の冷たい空気が南の暖かい空気と押し合いながら、南に向かうのです。

秋雨前線は発生した頃の動きが活発で、終りに近づくにつれて穏やかになります。これも、梅雨前線とは異なる特徴だといえるでしょう。

入り・明けははっきりしていない

梅雨入り・梅雨明けについてはニュースにもなりますが、秋雨については入り・明けがありません。梅雨の時期のように天候の変化がはっきりしないので、はじまりや終わりがいつなのか決める、ということをしないようです。

秋雨は梅雨よりも雨量が少なく、あまり前線の影響を感じない地域もあるでしょう。

長く雨が続く時期にはこんなことに気を付けよう

大雨になると、洪水や土砂災害などに警戒が必要ですが、雨が激しくない場合も、長く続くときには注意したいことがあります。

最後に、梅雨や秋雨の時期に気を付けたいポイントを見てみましょう。

車などの運転

梅雨の時期は、交通事故が多発します。雨により視界が悪くなる、雨音で外の音が聞こえにくい、水たまりができることで滑りやすくなるので、注意して運転しなければなりません。普段以上の緊張感を持って運転をすること、慎重に運転する人が増えて渋滞が多くなることなどから、ドライバーの精神的な負担が大きくなり、イライラから思わぬ事故を引き起こすこともあります。

運転時は常に周囲に気を配っているでしょうが、雨の時期は特に事故防止に努め、自身のストレスにもならないよう、時間に余裕を持つなどの行動を心がけましょう。また、歩行者も、ドライバーと同じように、雨によって視界不良やエンジン音が聞こえないといった状況になりやすいので、普段以上に交通ルールを守ることを意識してください。

食品管理

高温多湿な梅雨や秋雨の時期には、食品の管理にも注意が必要です。食品が傷みやすく、食中毒も起こりやすいので、室内に食べ物を置きっぱなしにしないようにします。食べないものはすぐに冷蔵庫に入れることを徹底し、食べ物が腐る、傷むのを最小限に抑えましょう。

お弁当を持って行く際は保冷剤などを一緒に入れる、冷めてからお弁当箱に詰める、傷みにくい食材やおかずを入れる、会社などに冷蔵庫がある場合は活用するなどして、対策をしてください。

心身の不調

梅雨は気圧の変化で、自律神経が乱れやすくなります。倦怠感や頭痛といった体の不調が起こったり、なんとなく気分が落ち込んでしまうということもあるかもしれません。

睡眠や休息をいつも以上に取り、規則正しい生活で自律神経を整えること、好きなことや楽しいことで気分転換をすることで、不調を乗り越えましょう。

自然災害

雨が長く降り続けたり大量に降ったりすると、河川の氾濫や洪水、土砂崩れなどの自然災害を引き起こす恐れもあるため危険です。日ごろから災害への備えをしておくこと、知識や情報を蓄えておくことで、いざというときも安全を確保しやすくなります。

近年は「ゲリラ豪雨」と呼ばれる集中豪雨も増えていますし、落雷などの影響も心配です。「大雨が降るとどうなるか」をしっかり理解しておき、備蓄や非常用持ち出しバッグを準備する、避難経路や緊急時の連絡手段を家族で共有するなどしておきましょう。

梅雨前線も秋雨前線も、快適に乗り切って

梅雨前線、秋雨前線はともに、停滞前線の1種です。雨が降り続ける、激しい雨が降るこの時期には、災害の可能性を危惧したり、日常的なトラブルを避けるための工夫をしたりする必要があります。

雨が続いてなんとなく憂鬱な時期ですが、快適に乗り切れるよう工夫して過ごしましょう。

編集後記

この記事を書いている12月14日、朝の気温は5度で寒いながらも「やや暖かくなる兆し」だな~などと思っていました。しかし、午前中に突然短時間の雨が降り、12時頃に外に出たらありえない寒さ。

早速、今回の記事で覚えた知識とワードを活用し、「これは寒冷前線かな…」などと「いかにも天気に詳しい人」のような分析をしました(笑)。

昔から理科はあまり得意ではなく、天気に関する項目も苦手だったな~、高校では生物を選択したけど、暗記ものは割といけたかな~ということを思い出しつつ、「じゃあ私って何が得意だったんだろう」と考えると、恐らく得意といえるのは現代文だけ…。

でも、唯一の「得意」を活かして大学に進学し、その後も日本語教員、ライターと「言葉」を扱う仕事に就けたのは、ありがたいことだなと思うのでした。

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語教師を経て2018年よりライターに転身。子どもと学べる防災に関心を持ち、日々災害や備えについて勉強中。
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