斜面崩壊とは土砂災害のひとつ!発生する原因を解説

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みなさんは、斜面崩壊との言葉を聞いたことがあるでしょうか?

文字をみると恐ろし気な感じがしますが、そのとおり、土砂災害となる現象のことです。

簡単にいうと山肌の土砂などが、ある面を境に滑り落ちる現象をいいます。

地すべりとは違う区分に分類されていて、一般的に土砂崩れと呼ばれる現象が斜面崩壊に該当します。

今回は、斜面崩壊を分かりやすく解説してみます。

目次

斜面崩壊とは土砂災害のひとつで崩れるスピードが速い

斜面崩壊は土砂災害の一種で、学術的には「地すべり」とは違う分類に属します。

地すべりと斜面崩壊との違いは斜面崩壊は崩れるスピードがとても早く、斜面崩壊が起きてから逃げるのは至難の業です。

つまり、斜面崩壊から逃れるには崩れそうな斜面や急ながけ地には、近づかないことがベストとなります。

斜面崩壊が起きる原因は大雨がほとんど

土砂災害が起きる原因は、集中豪雨などの大雨がほとんどです。

斜面崩壊は土砂崩れなどを含む現象なので、起きる原因は大雨がほとんどです。

・大雨時には斜面やがけ地には近づかない
・ハザードマップの土砂災害警戒区域から逃げる

この2つを守っていれば、土砂災害にも斜面崩壊にも逢うことがなくなるので安全で安心です。

斜面崩壊は表層崩壊と深層崩壊に分かれる

斜面崩壊を分類すると、表層崩壊(ひょうそうほうかい)と深層崩壊(しんそうほうかい)の2つに分類できます。

ここでは、それぞれの特徴を解説しましょう。

表層崩壊(ひょうそうほうかい)は山の表面が崩れ落ちる

出典:土木学会委員会サイト 表層崩壊の発生状況

山の表面が崩れ落ちる斜面崩壊は「表層崩壊(ひょうそうほうかい)」と、呼ばれています。

これは山の表面の土砂部分だけが崩れ落ちる現象で、約0.5~2.0mの厚みの土砂が崩れ落ちると、表層崩壊(ひょうそうほうかい)になります。

表層崩壊は写真のように崩壊部分が非常に浅く、地層の分かれ目などが境になることが多いです。

深層崩壊(しんそうほうかい)はより深い部分から崩れる

先の表層崩壊(ひょうそうほうかい)は、約0.5~2.0mまでの比較的浅い表面部分のみが崩れますが、深層崩壊はそれよりも深い部分から崩れる現象で、より多くの土砂が流れてくるので被害が大きくなります。

深層崩壊を引き起こす代表的な原因は、大雨・地震・雪解け水です。

山の岩盤の割れ目に大雨や雪解け水が大量に浸み込むことで、割れ目に溜まった水の圧力で岩盤は崩れてしまいます。

また、小さな割れ目の多い場所に地震によって揺れが加わることで、深層崩壊が起きるとされています。

2010年に深層崩壊推定頻度マップを公開

国土交通省

国土交通省では2010年に「深層崩壊推定頻度マップ」を公開しました。

それが上記の画像ですが、これは全国版なので自分の住んでいる地域が該当するのか、とても分かりずらいです。

地域別 深層崩壊 跡地密度マップが公開された

国土交通省

その後国土交通省は、深層崩壊が最も多い地区を3地区に分けて「深層崩壊 跡地密度分析区域図」を作成して公開しています。

この地図では、先の全国版よりも分かりやすい大きさになっていますが、それでも大よその範囲の特定しかできません。

深層崩壊渓流(小流域)レベル評価マップでより分かりやすくなった

国土交通省

国土交通省は次に「深層崩壊渓流(小流域)レベル評価マップ」として、相対的な危険度の高い渓流のある地域に対して、21地区の評価マップを作成しました。

このマップでやっと、自分の住んでいる地域が該当するのかがより分かりやすくなっています。

深層崩壊も土砂災害ハザードマップで確認できる

国土交通省も10年以上前から、土砂災害についてさまざまな警告を発信してきています。

それが現在では土砂災害ハザードマップとして、詳細な状況を把握できるようになりました。

たとえば、先の「深層崩壊渓流(小流域)レベル評価マップ」と、重ねるハザードマップの土砂災害状況を比較してみましょう。

相対的な危険度から確実な危険度の表示に変わっている

以前では深層崩壊が起きやすい渓流域を、相対評価にて表示するしかありませんでした。

その結果、予想される範囲を広くする必要があり「危険度が低い⇒やや低い⇒やや高い⇒高い」と、4段階の表示をしていました。

ところが現在のハザードマップでは、危険な場所がほぼ限定されており「確実な危険度」の表示に変わっています。

つまり、斜面崩壊の起きる可能性のある場所は「土砂災害ハザードマップ」を確認すれば、直ぐ分かるようになっているのです

普段からハザードマップで危険個所を確認しておく

今回は、斜面崩壊について解説してきました。

斜面崩壊は土砂崩れとなるため、その危険度はとても大きなものです。

だからこそ、あらゆる手段を考えて、国も地域住民にできるだけ分かりやすい危険個所の表示を試みてきました。

そして現在では、重ねるハザードマップによって「確実に危険な個所」を手軽に把握できるようになっています。

せっかくの防災ツールですから、普段から身近な危険個所を把握して災害に備えておくことが重要です。

参考サイト
国土交通省 深層崩壊渓流(小流域)レベル評価区域図
国土交通省 深層崩壊 跡地密度分析区域図
国土交通省 深層崩壊渓流(小流域)レベル評価マップ
国土交通省 重ねるハザードマップ

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

1963年生まれ、兵庫県在住の防災士&フリーライター 
2014年から本格的にライターを開始!これまで多数の記事を執筆
2017年にひょうご防災リーダー講座を受講し防災士を取得。ハザードマップなど防災業務に長年従事し、防災関連の講演も行っています。
経験を活かして防災に関する情報をできるだけわかりやすく、みなさんへ届けたいとの想いを持って執筆しています。詳しいプロフィールはこちら

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