最近、イノシシやクマが住宅に出没したニュースが報じられていますが、その際に市の職員や警察官が「さすまた」を持って追いかけている映像を見かけます。
この「さすまた」は漢字では「刺股」または「指叉」と表記され、イノシシやクマを取り押さえるだけの道具ではなく、犯罪者の動きを封じるためにも開発された道具です。
今回は「さすまた」の歴史や役割、そして使い方を画像や動画で紹介します。
「さすまた」の歴史
さすまたって最近できたのかな?
さすまたは、江戸時代に作られたもので、犯罪者の動きを封じ込めるための「捕り物用」として作られたんだよ!
へぇ~!!江戸時代からあるんだね!
江戸時代には「刺又(さすまた)・突棒(つくぼう)・袖搦(そでがらみ)」が、犯罪者を捕縛するための、3道具として使われていたんだよ。
これがその3道具の画像だね。右が「刺又(さすまた)」中央が「袖搦(そでがらみ)」左が「突棒(つくぼう)」だよ。
どれも、使われると痛そうだね・・
江戸時代の犯罪者はドスや刀をもっているからね。これぐらいの武装じゃないとダメんだよ。
でも、鉄砲を持っている犯罪者には使えないね。
そうだね。飛び道具には向かない道具のようだね。
さすまたの構造
なんだか古そうな「さすまた」だけど、本物かな?
本物だよ!これは上田市立博物館に収蔵されている、江戸時代に使われていた「さすまた」なんだよ!
「さすまた」はこんな感じで使われてたんだ。
さすまたは火消しにも使っていたから、地図記号になっている
火消しって、今の消防団のこと?
そうだね、今でいう消防団や消防署の消防隊の人達のことだね。
なんで、火を消すのに「さすまた」を使うのかな?
それは、こういうことなんだ!
じゃあ、さすまたって江戸時時代には大活躍だったんだね。
そうかも知れないね。火消しが「さすまた」をよく使っていたことから、現在の消防署の地図記号は「さすまた」の形が用いられているんだ!
あっ、このマーク見たことあるよ!
現代の「さすまた」の素材はアルミ合金が主流で女性でも使える
昔の「さすまた」は、いかにもって感じだったけど、現代では軽くて女性でも使えるアルミ合金製が主流になっているよ。
江戸時代のは、とても重そうだったね。
じゃあ、ここで「さすまた」の基本動作を確認してみよう!
「さすまた」の3つの基本動作
防犯のプロ「アルソック」が、使い方を教えてくれているよ。
この方法で犯人を捕まえるんだね!
「さすまた」は捕まえるではなく、警察官が到着するまでの時間稼ぎが目的
いや、そうじゃないんだな!
エッ!?犯人を捕まえるんじゃないの?
捕まえるのではなくて、警察が到着するまでの「時間稼ぎ」が目的なんだよ!
「さすまた」の使い方を動画でご紹介!
先に「さすまた」の3つの基本動作を紹介したけど、動きがあった方が分かりやすいので、ここからは動画で使い方を紹介するよ!
うん!動画の方が分かりやすいよね!
(一社)全国警備業協会監修 (株)金星制作
東峰保育園 2021年 防犯対策 vol.3「刺股の使い方 実践編」
刺股の使い方学ぶ 愛媛大図書館で訓練・愛媛新聞
渋谷駅で“刃物男”想定訓練 渋谷署と鉄道4社合同で(2021年11月30日)
「さすまた」はひとりでなく、大勢で囲むように使う!
今回は「さすまた」について歴史や使い方を紹介してきました。
江戸時代では現在の消防士が、住宅を壊して延焼を防ぐ目的でも使われていました。
現代では、火事の現場では使われなくなり、軽量化されて侵入者や犯罪者の動きを止める目的で使われています。
「さすまた」はひとりではなく、大勢で囲むようにして使うのがベストです。
動画を参考に、使い方のイメトレをするだけでイザという時に役立ちますよ!