ピッキングでインターネット検索すると、多くは必要な品物を集める仕事として紹介されています。
ですがここでいうピッキングとは、玄関ドアの鍵を壊すことなく自宅に侵入する空き巣の手口を指しています。
ピッキング犯罪の怖さは、犯行途中に発見されるとその場で強盗に変わってしまうことです。
逃げ道がなく捕まる状況から、殺傷事件に発展するケースもあります。
そこでピッキングの怖さと、対応策を一緒に学んでおきましょう。
ピッキングとは鍵を壊すことなく自宅に侵入する犯罪の手口のこと
ピッキングとはピックやテンションと呼ばれる、特殊な小型の金属棒を玄関ドアの鍵穴に指し込んで、正常なカギを使うことなくドアを開けて侵入する手口です。
玄関ドアが壊れていないので、盗難被害に遭ったことにすぐに気づかず、警察への報告が遅れてしまいます。
その間に犯人は、遠くに逃げられるという訳です。
ピッキング用のアイテムはネット通販で購入できる
ピッキングで使う道具は特殊なアイテムであり、特殊開錠用具とも呼ばれています。
特殊な工具になるので、鍵屋さんなどでしか使われないのですが、ネット通販で誰でも購入が可能になっています。
海外サイトでは、なんと練習用のスケルトンの錠前までもセットになって販売されています。
本職でない者が購入すると法律違反となる
2003年6月に制定された法律に「特殊開錠用具所持禁止法(ピッキング防止法)」があります。
これは、ピッキングによる侵入犯罪を未然に防ぐ法律であり、次のことが禁止されています。
簡単に説明すると、鍵屋さんなど本職の仕事で利用する以外で、ピッキングとなり得る道具を持っていたり、隠したり、購入したりしてはいけないという法律です。
ですから、海外のサイトで販売されているピッキング用のツールを、面白半分で購入して所持しているところを警察に見つかれば、逮捕されることとなります。
ピッキングを未然に防ぐ方法
ピッキングによる侵入犯罪も、開錠までに時間がかかれば諦めるケースが多くなります。
従って侵入に時間がかかってしまう仕組みをつくればよいのです。
2つ以上のカギを付ける
玄関ドアの鍵は、主錠と補助錠の2つ以上ついていれば侵入まで時間が倍かかるので、途中で諦めることとなります。
従って、玄関ドアは主錠と補助錠の2つ以上あることが望ましいです。
最近の住宅の玄関ドアでは、2ロックは標準となっているので心配いりません。
もしも玄関ドアに1つしか鍵がない場合は、補助錠を別途購入して設置しておくと、安全の確率がアップします。
ピッキングに強いシリンダーに交換する
ピッキングに強いシリンダーを採用した、玄関用の鍵も販売されています。
シリンダーとは、鍵を差して回す部分の部品のことです。
鍵屋さんに相談すれば、今の玄関ドアに合うシリンダー錠を提案してもらえます。
防犯カメラを設置する
防犯カメラがあると、侵入犯罪は少なくなります。
現代ではいたる所に防犯カメラが設置されているので、犯行時の姿を写されると顔を隠していても捕まる可能性が高くなります。
そのことは、プロの犯罪者が一番よく知っていることなので、防犯カメラには自分の姿を写されたくないのです。
ですから、防犯カメラと防犯ステッカーをセットで玄関付近に設置しておくと、犯罪の抑止に大きな効果が期待できます。
最強の防犯対策は隣近所とのお付き合い
今回はピッキングについて解説していますが、侵入犯罪は玄関だけとは限りません。
ベランダや庭などから、堂々と侵入するケースもあります。
そうなると、頑丈な鍵を玄関に付けても防犯カメラを設置しても意味がなくなります。
そこで最強の防犯対策は、隣近所のお付き合いなのです。
あなた誰!の一声で逃げてしまう
見かけない人がウロウロしていた時に「あなた、誰!」と声をかけられると、犯人としては犯罪を諦めるしかありません。
一度不審に思われると、どのように誤魔化しても不信感は拭えません。
「依頼された工事業者です」と嘘をいっても、出かける際に一言声をかけておくと、嘘であることがすぐにバレてしまいます。
それでも侵入するようなら、警察に通報しますから犯人はどうしようもできません。
このような状況になることは、犯人がよく分かっているはずなので、その場から立ち去るしかなくなってしまうのです。
近所づきあいが希薄な現代だからこそ他人の一声が有効となる
最近は隣近所の付き合いが激減して、隣にどんな人が住んでいるのかさえ分からない時代になっています。
隣家に興味がないので、侵入犯罪が増加してしまう訳なのですが、逆にいえば、声をかけられことが犯罪者にとっては一番怖いことだともいえるのです。
できれば、日常から隣近所との付き合いを増やしておくことが、最強の防犯対策となりますよ。