日々いろいろなことができるようになる赤ちゃんの成長は、見ていてとても楽しいものです。成長につれて赤ちゃんもミルクや母乳だけでなく食べ物を口にするようになります。
赤ちゃんのごはんは「離乳食」から始まりますが、離乳食をあげるときにはアレルギーを心配される保護者の方も少なくないでしょう。
今回は、離乳食の際に注意したいアレルギー反応の出やすい食材やどのような症状が出るのか、もしアレルギー反応が出たらどうしたらよいのかをご紹介します。また、我が家のアレっ子次男のアレルギー事情についてもお話させていただいていますので、参考になれば幸いです。
赤ちゃんの離乳食はいつから?
離乳食をスタートする時期の目安は、生後6か月前後です。生後5か月からスタートする赤ちゃんもいますし、少し遅らせて7か月くらいから食べ始める赤ちゃんもいます。
生後4か月くらいを過ぎると、家族がものを食べているのを見て一緒に口をもぐもぐさせたり、よだれをたらしたりする赤ちゃんもいますが、あまり早い時期に始めるとうまく租借できないだけでなく、アレルギー反応が出やすいともいわれているので、5か月を目安に始めるのがおすすめです。
離乳食をあげる意味
赤ちゃんに離乳食をあげるのには、大きく3つの意味があります。
・ミルク・母乳以外の食品から栄養を取り入れる
・段階を追って幼児食に向かっていく
・さまざまな食品の味や食感を覚えさせる
・アレルギーのある食材はないか確かめる
いつまでもミルクだけで栄養を摂ることはできませんので、徐々に大人やこどもと同じ食べ物を食べる必要性が出てきます。しかし、噛んだり飲み込んだりすることがまだ上手ではない赤ちゃんに、いきなり2歳や3歳のこどもと同じ食べ物をあげることはできません。
離乳食はミルクや母乳から徐々に離れ、幼児食へ移行していくための過程として、非常に重要です。「食べること」そのものの練習はもちろん、どういった食べ物があって、どのような食感や味なのかを1つ1つ確かめる作業でもあります。
さらに、食物によるアレルギーがないかどうかを測るのも、離乳食の重要な役割です。もしアレルギー反応が出た場合には、しかるべき対処をする必要があります。
もしかしてアレルギー反応!?気になる症状は
離乳食はおかゆから始まり、にんじんやじゃがいもなどの野菜のペースト、タンパク質、乳製品など徐々に食べられるものを増やしていきます。味や食感を確かめながら順調に進められればよいですが、食べさせている途中で気になる症状が出てくることも。
アレルギー反応の起こりやすい食材や、アレルギーだった場合に見られる症状にはどんなものがあるのでしょうか。
アレルギー反応が出やすい食材
アレルギー反応が特に出やすいといわれている食材は、卵・乳・小麦です。加工食品にはこれにえび・かに・落花生・そばを加えた7品目の表示が義務付けられています。
卵やヨーグルト(乳)、うどん・パン(小麦)などは離乳食の割と早い段階でお試しするので、アレルギーがあるかどうかがすぐにわかるでしょう。
ちなみに前述の7品目だけでなく、特定原材料に指定されている食材は全部で28品目です。アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチンなどもアレルギー症状が出やすいものとされ、表示が推奨されています。
アレルギーはさまざまなもので起こることがわかっており、お米やににじん、トマトなど誰が食べても問題のなさそうな食材でもアレルギーを引き起こす方もいるので、どの食材のときも「大丈夫だろう」と油断せず食べさせるとよいでしょう。
どんな症状が起こる?
アレルギーの症状は人それぞれですが、主な症状はじんましんなどの皮膚症状、嘔吐や下痢、呼吸困難、ぜんそく、口腔内のかゆみなどです。重症になると意識を失う、血圧が低下するといった命に関わる症状を引き起こす場合もあります。
ちなみに筆者は生の卵白に弱いです。症状は大人になるにつれて改善してきており、調子がよいときは問題ないですが、やや不調なときに知らずに食べてしまうと蕁麻疹が出てしまったり、お腹を壊したりすることがあります。
症状が出るのはいつ?
アレルギー症状は、対象の食物を口にしてからすぐに現れる印象です。実際、じんましんや口腔内のかゆみ、咳などは食べてすぐに現れることも多くありますが、食べてから数時間後、遅い場合は1日以上経ってからアレルギー症状が出ることもあります。
食物アレルギーの多くはすぐに症状がわかりますが、徐々に不調が出てくることもあるため、経過観察は必要です。
離乳食でアレルギー反応が出たら…
アレルギーや好き嫌いなく、離乳食が順調に進められるに超したことはありません。しかし、もしアレルギー反応が出てしまったら…どのように対処すればよいのでしょうか。
かかりつけの病院にかかる
口の周りにプツプツができる、身体に蕁麻疹が出る、嘔吐や下痢をしたなど「アレルギーかな」と思う症状が出たら、すぐにかかりつけの病院に電話をしましょう。病院に着くまでに症状が収まる場合もありますが、悪化する可能性もあるため、自己判断してはいけません。
ひどい場合は救急車を呼ぶのも1つの方法ですが、まずはかかりつけの病院や小児科の設備が整っているおおきな病院に連絡をし、指示を仰ぎましょう。
アレルギー検査をする
病院での治療が済むと、症状が出た当日、もしくは後日アレルギー検査を勧められる場合が多いです。該当の食材はもちろん、そのほかどのような食材でアレルギー反応が出やすいのかも、血液検査から数値で表してくれるので、その後の離乳食の進め方を検討する際にも役立ちます。
医師の指導のもと対処法を考える
検査結果が出たら医師の指導のもとで、どのように離乳食を進めるか、アレルギー食材を克服していくかを話し合います。アレルギー食材への対処法は医師によってさまざまです。
比較的症状の出にくいものから徐々に与えて経過を見ていくという方法もありますし、完全に除去して、ある程度年齢が大きくなってから食べさせ始めるという方針の医師もいます。アレルギーがひどい場合には、入院をして食材を試すこともあり、対処法についてはかかりつけ医の方針に従う、保護者の方針と合わない場合にはセカンドオピニオンで別の方法を提案してもらうことも可能です。
筆者のアレルギー体験談
アレルギーの症状やもしものときの対処法などについて、少しはご理解いただけましたでしょうか。実は、筆者の息子(次男)も乳製品アレルギーで大変な思いをしました。最後に、次男のアレルギー発症から現在までの様子をご紹介します。
生後7か月の次男、乳製品アレルギーで病院へ
離乳食が順調に進んだ生後7か月頃、初めての過熱ヨーグルトをあげる時期が訪れました。長男のときは何の問題もなく進みましたし、生後2週間くらいまでは粉ミルクも飲んでいたので全く心配せずあげたのですが…
いつもならパクパクと食べるはずの次男が、ヨーグルトを1口、2口食べて拒否。珍しいこともあるなと思っていたのですが無理に食べさせるのもな、と思い朝の離乳食を終了しました。
するとその後遊んでいた次男が突然咳をし始め、軽く嘔吐。泣いたり苦しんだりすることはありませんでしたが、首の後ろをずっとかいており、見ると蕁麻疹で全身ボコボコになっていました。
慌ててかかりつけ医に電話し病院に向かいましたが、病院に着くころには咳もじんましんもやや収まり、薬を処方され、血液検査をして帰宅しました。
その後の指導
後日、アレルギー検査の結果を聞きにいったところ、乳製品はアレルギー数値が非常に高めとのことで、しばらくは全ての乳製品を除去し、食べられるものが増えてきたらアレルギー症状の出にくい乳製品から徐々にスタートすることに。
アレルギー症状の出やすい「強めの食品」である牛乳そのものや生クリームをはじめ、その次の段階であるチーズやバター、ヨーグルトなどは避ける方向になりました。乳成分はハムやウインナーなどの加工食品にも含まれていますが、少しあげたところ問題なく食べられたので、そのあたりは割と小さなうちから食べていました。
驚いたのはアイスで、シャーベット系でも乳成分が含まれているものは意外と多く、サーティーワンで次男が食べられるのは「オレンジソルベ」のみ。また、市販の「アイスの実」にも乳成分が入っており、こちらは知らずに1つ食べさせたところ咳が出たので食べさせるのをやめました。
4歳となる現在の症状
半年に1度の血液検査と指導を繰り返し、成長と共に徐々にいろいろなものが食べられるようになってきた次男。最近はプリンやアイスクリーム、チョコレートなどは問題なく食べられています。毎朝飲むヨーグルトも飲んでおり、関係性は不明ですがこれを飲み始めてから、身長の伸びもよくなったように感じます。チーズは苦手ですが、何かに入っていてもアレルギー症状が出ることはありません。
ただ、やはりいちばん強い牛乳、生クリームはダメらしく、4歳の誕生日にケーキを喜んで食べた10分後にお腹を壊したので、まだまだ経過観察は必要です。しかし、年齢とともに徐々にアレルギー症状が改善され、食べられるものも増えているのは、親にとっても非常に嬉しいことだなと感じています。
保育園での対応は…
保育園ではアレルギー食に対応しておらず、乳製品が含まれている献立全般を「提供しない」という方針を取っています。医師からは「牛乳だけ飲まなければ大丈夫」と言われていますが、そういった対応はしていただけないので、月に1度給食を作ってくださっている職員さんと園長先生、副園長先生とお話をして、代替食を持ち込むもの、園から提供してもらえるものをチェックしています。
年中に上がるタイミングでアレルギー対応をやめられるかと思いましたが、やはりまだ牛乳や生クリームの接種が難しいことから、来年度も引き続きアレルギー対応をしていただく予定です。小学校に上がると「牛乳だけ飲まない」などの選択ができるようなので、少しずつ周りと同じものが食べられるようになるとよいなと思っています。
正しい対応でアレルギーと付き合っていこう
一昔前は「わがまま」で済まされてしまっていた食物アレルギーも、昨今は繊細に扱って頂くことができ、命にかかわるような症状や体調不良を引き起こす可能性は低下しています。赤ちゃんの離乳食の際にはアレルギー症状がないかよく観察し、少しでもおかしいなと感じたら迷わず医師に相談しましょう。
アレルギーが判明した場合は、正しい対応で対策や改善をし、お子さまが無理なく楽しく食事ができる環境を整えていってくださいね。