避難所とは?
避難所とは、災害が起きた時に避難する場所のことです。
地震や水害が起きたとき、避難所の存在はとても心強いもの。
危険から身を守れるだけでなく、食料の提供を受けたり、支援の情報を貰えたり、被災者を守ってくれる存在です。
でも、避難所の実態についてはあまり知られていません。
避難所について、以下のようなことを知っていますか?
〇緊急時に避難する避難所と、避難生活を送る避難所は違う
〇障碍者やお年寄り・妊婦さんのための避難所もある
〇災害によって、避難所の種類は違う
そう! 避難所には色んな種類があり、災害によって開設される場所も違います。
今のうちに学んでおかないと、いざという時に「どこに逃げればいいの?」と、パニックになってしまうかも。
このページでは、避難所に関して以下のことを記載しています。
万が一の時に命を守れるよう、しっかり学んでおきましょう!
避難所について学ぶ前に! 車で避難は避けよう
避難所について学ぶ前に、これだけは知っておいてください!
避難所への避難はできるだけ徒歩で! 車で移動は危険です!
車って便利ですよね。
家族みんなで逃げられるし、荷物もたくさん載せられるし、寝泊りもできます。
このため、「万が一の時は車で避難しよう」とお考えの方も多いのではないでしょうか。
でも、ちょっと待って!
大きな災害(特に地震)が起きると、交通が麻痺します。
そのため、みんなが車で道路に殺到し、大渋滞が起きます。
渋滞で車が動けない間に、津波が来たらどうしますか?
2011年の東日本大震災では、海から離れようとする車で大渋滞が起き、多くの方が津波の犠牲になりました。
水害でも、以下のような危険があります。
車での避難には、災害とはまた別の危険があると考えてください。
自治体の中には、避難所への移動に車の使用を禁じているところもあります。
日ごろから、車以外の避難方法を考えておくことが大事です。
車で避難した時は途中で乗り捨ての選択肢も
では、車で避難してしまった時はどうすればいいのでしょう?
車での避難中に、「このままだと危険だ」と判断した場合は、乗り捨てる勇気を持ってください。
車は大切です。
値段は高いし便利だし、乗り捨てるのは勇気が要るでしょう。
家族の思い出もたくさん詰まっているはずです。
しかしそれでも、命は代えられません。
以上のことを踏まえ、乗り捨てる勇気を!
命を守る選択を最優先にしましょう。
必見! 避難所の種類を解説します
では、具体的に避難所の種類を解説しましょう。
避難所には、大きく分けて3つの種類があります。
避難所の種類
・指定避難所
・指定緊急避難場所(+広域避難所)
・福祉避難所
この3つの避難所の役割について、解りやすく簡単に解説します。
指定避難所=避難生活を送る場所
大きな災害により、被災者の避難生活が長期に渡ると判断されると、「指定避難所」が開設されます。
公民館や学校の体育館が指定避難所になることが多いです。
ニュースや新聞で良く報道されるのが、このタイプの避難所です。
避難所には、本当にたくさんの役割があります。
指定避難所の役割
・被災者の安全を守る
・食料や寝具の配布
・医療サービスの提供
・炊き出しやお風呂の提供
・その他、情報やサービスの提供
このように、被災生活の拠点となるのが避難所だと考えれば間違いないです。
でも注意!
指定避難所は、災害があった直後に開設されるものではありません。
「長期の避難生活をする場所が必要」と判断された場合にのみ、開設されるものです。
地震が起きた直後、水害の浸水から逃れたい場合は、「指定緊急避難場所」に逃げることになります。
指定緊急避難所=災害直後に避難する場所
大きな災害が起きた直後に、安全確保のために避難する場所を「指定緊急避難所」と言います。
災害が起きると、まずはこの「指定緊急避難所」に避難します。
その後、「長期的に避難生活が必要」と判断された場合に、「指定避難所」が開設されます。
ここで注意!
指定緊急避難所は、災害の種類によって開設場所が異なります!
つまり、洪水で避難する指定緊急避難所と、地震で避難する指定緊急避難所は別。
なので私たちは、災害別に指定緊急避難所の場所を覚える必要があります。
指定緊急避難場所は、自治体のHPや「重ねるハザードマップ」で確認できます。
必ず確認しておいて下さいね。
地震で火事が起きたら「広域避難場所」に逃げる!
大きな地震が来た後には、大規模な火災を警戒する必要があります。
また、津波が起きる可能性もあります。
地震で火災や津波が発生した場合は、「広域避難場所」に逃げましょう!
広域避難場所は、このピクトグラムが目印。
最寄りの大きな建物・公園などに、このピクトグラムが無いかを確認しましょう。
広域避難場所の注意点!
広域避難場所に入れる人数は限られています。
いっぱいで入れなかった時のために、複数の場所を確認しておくことをオススメします。
福祉避難所=障害者やお年寄りのための避難所
福祉避難所は、「避難生活中に何かしらの配慮が必要な方のための避難所」です。
福祉避難所の対象は、障害者やお年寄り、妊婦さんや病気をお持ちの方など。
通常の避難所での生活が難しい方が対象となります。
また、入院や入所までいかないことが条件です。
(介助者・家族の避難も1名程度可能です)
ここで注意!
福祉避難所は、条件に当てはまれば誰でも避難できる場所ではありません。
福祉避難所については、数の不足も指摘されるなど、まだまだ改善の余地アリ。
今後さらに改定される可能性もあるので、こまめな情報収集をしていきましょう!
避難場所探しは『重ねるハザードマップ』を利用しよう!
災害直後に避難できる「指定緊急避難場所」は、『重ねるハザードマップ』で探しましょう!
『重ねるハザードマップ』は、使い方もとっても簡単!
家族で共有して、全員で緊急指定避難場所を把握しておきましょう。
避難所(避難場所)の数が足りない! 在宅避難も視野に入れよう
これだけ災害が多い日本なのに、避難所や避難場所の整備は十分ではありません。
特に、指定緊急避難所・指定避難所共に、数の不足は深刻な問題です。
災害直後に避難する「指定緊急避難所」、長期避難生活を送る「避難所」、どちらも数は不足気味。
過去の災害時には、
「避難したのはいいものの、避難所がいっぱいで入れてもらえなかった」
「別の避難所への移動を促された」
というケースがありました。
そこで近年は、「在宅避難」がクローズアップされるようになっています。
在宅避難=自宅で避難生活を送ること
自宅が倒壊や浸水・火災の心配がない場合は、自宅で避難生活を送る「在宅避難」となる可能性があります。
特に、頑丈なマンションにお住いの場合は、在宅避難を勧められることが多いです。
近年は、避難所でのコロナウイルス対策も求められ、ますます収容人数が縮小傾向に。
避難所はプライバシーの確保が難しい上、食料不足や感染症と言った問題も指摘されてきました。
それを考えれば、家族だけで過ごせる在宅避難には、一定のメリットがあるでしょう。
でも注意! 在宅避難には気を付けるべきポイントがあります。
在宅避難の注意点!
・避難所(避難場所)のように、食料が配布されない可能性がある。
・食料を避難所(避難場所)に貰いに行っても、貰えないことも。
・自力で情報収集をする準備が必要!
災害直後は、避難所でも物資が不足します。
在宅避難者まで物資が行き渡らない可能性もあり、事前の準備が必要です。
在宅避難のためには、水や食料の確保・簡易トイレの準備・ラジオの確保など、日ごろの防災対策が重要!
日ごろから災害アイテム&食料・水の備蓄をしておきましょう。
避難所生活に求められるコロナウィルス対策
2021年現在、世界を悩ませているコロナウイルス感染症は、まだまだ収束しそうにありません。
有事の際に人が集まる避難所にも、コロナ対策が求められています。
コロナウイルス感染症の影響から、避難所でもソーシャルディスタンスが求められます!
隣の人との距離を1メートル確保することなど、新たな注意喚起が増えました。
感染症対策グッズは持参して!
★マスク
★除菌シートや除菌スプレー
★体温計
★ビニール手袋
すぐに持って行けるように、予備をバッグに入れて置いたり、非常用バッグに多めに入れてみて下さい。
マスクや消毒液は、避難所にあったとしても不足が予想されます。
日ごろから多めに持って行けるように準備を!
大都市(東京や大阪)で避難するときのQ&A まとめ
災害はどこで起きても困りますが、特に大都市で起きた場合の避難方法は大きな課題。
すぐに避難所に行ければ良いですが、大都市だと人が多すぎるため、難しいこともあります。
地下鉄に乗っている時に、地震が起きたらどうすればいいの?
帰宅困難者になった場合の過ごし方は?
災害後に帰宅するときの注意点はある?
気になる大都市での避難情報について、Q&Aをまとめてみました。
- 大都市で地震が起きるとどんな状態になる?
-
東京や大阪など、大きな都市で地震が起きた場合、火災や建物の崩落に加えて、「人の密集」に注意が必要です。
大きな道路や橋、駅に人が集中する可能性があるので、混みそうな場所は避けて。
人の密集は、怪我や圧迫の原因となり、とても危険です。 - 大きな駅で地震が起きたらどうすればいい?
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地震が起きると、まず電車や新幹線が止まります。
タクシーで帰れれば良いですが、長蛇の列でしょう。帰ることは考えず、落ち着くまで駅で過ごすことも視野に入れてみて。
大きな駅には、非常食やブランケットなどの備蓄品もあります。
また、日ごろから防災ポーチを持ち歩くのも手。
荷物が多い方は、ミニマム防災ポーチの作り方を参考にしてみて下さい。 - 災害の時に地下鉄は安全なの?
-
東京都の場合は、地震で地下鉄が停電しても、予備電源がつくようになっています。
また、地下鉄は大地震を想定して作れているため、地震には強い造りです。
焦らず、駅員さんの指示や誘導を待ちましょう。
水害の場合も、被害が抑えられる設計にしてあります。
まず、駅員さんの指示を聞くことが大切です。 - 大きな災害直後に帰宅するときの注意点!
-
地震などが収まり、帰れる状況になったとしても、電車や新幹線が動くとは限りません。
場合によっては、徒歩で自宅まで歩くことになるでしょう。
★停電した道を安全に歩けるように、持ち物に蛍光テープを貼る。
★靴の中に、災害用のインソールを入れておくなど、普段から備えがあるとより安全です。
まとめ
災害が多く起きる日本ですが、まだまだ避難所の整備は発展途上。
今後もガイドラインは変化していくと予想されるため、日ごろから情報収集が必要です。
避難所(避難場所)に入れる条件・場所など、常にアンテナを張って押さえておきたいものです。
また、避難所(避難場所)そのものの情報だけでなく、避難方法を考えておくことも大切!
「避難したくても、道路が混みすぎていてたどり着けない」ということも想定されます。
複数の避難ルートを持つこと、避難せずにその場で過ごす方法も考えておきましょう。
避難所不足の現状や、コロナウイルス感染症を思えば、今後は在宅避難がより現実的なものとなります。
自宅での備蓄強化・見直しも忘れずにやっていきましょう。