防炎カーテン・防火カーテンは設置義務あり?役割や選び方のポイントを知ろう

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さまざまな災害が起こるなか、機能性の高い防災アイテムが年々登場しています。火災の際には、「防炎カーテン」「防火カーテン」というアイテムが、火災の広がりを抑えることに貢献することをご存じでしょうか。防炎カーテンは設置が義務づけられている建物もあるため、ルールを理解しつつ、よりよいものを選びたいところです。

今回は、防炎カーテンがどういったものかをはじめ、防炎カーテンの設置が必要な建物、防炎カーテンの選び方など、防炎カーテン・防火カーテンに関するさまざまな情報をお届けします。

目次

防炎カーテンとは「燃えにくいカーテン」のこと

防炎カーテンは一言でいうと、通常のカーテンよりも燃えにくいカーテンのことです。あくまでもカーテンなのでまったく燃えない、炎を完全にシャットアウトできるというわけではありませんが、非防炎のカーテンと比較すると燃えにくくなっています。

「防炎カーテン」というのが一般的な名称ですが、販売している店舗や製造メーカーなどによっては「防火カーテン」と呼ぶこともあります。

なぜカーテンで防火できるの?

防炎カーテンは特殊な加工を施すことで、燃えやすい布を燃えにくくしています。特殊材による加工で防炎を実現しているカーテンがほとんどですが、なかにはカーテンを作る糸そのものが燃えにくい「難燃糸」でできているものもあります。

防炎カーテンには公益財団法人 日本防炎協会の「防炎ラベル」がついているので、一般的なカーテンとの見分けも簡単です。

防炎カーテンの価格相場

防炎カーテンは特殊な加工をしているので、通常のカーテンよりもやや高めの価格設定となっています。安いものだと100センチ×200センチのものが2枚で、6000円ほどで購入可能です。

なかにはデザインやサイズを指定できるフルオーダーのカーテンもあり、こういったものだと同様のサイズで10000~15000円くらいが相場となっています。

防炎カーテンを使用するメリット

防炎カーテンのメリットは、炎の広がる時間を遅らせてくれること、そして周囲への二次災害を防げる確率が上がることです。

防炎カーテンは、通常のカーテンよりも燃えるのが5分から10分遅いです。従来のカーテンはすぐに燃えてしまい、窓などの避難経路が塞がれてしまうという事態が起こりやすいですが、防炎カーテンなら燃える前に窓から避難する、といったことも可能になります。

火の手が広がる前に消火活動を実施できる可能性も高いので、周辺の住宅なども火災に巻き込まれるという、二次災害が起こりにくいのも、防炎カーテンのメリットだといえるでしょう。

防炎カーテン使用時に考えられるデメリット

デメリットは価格がやや高めであること、そして手入れの方法を誤ると効果が薄れてしまうことです。

防炎カーテンの防炎効果は、無限ではありません。洗濯表示などをしっかりと確認せず洗ってしまうと、加工が薄れる、取れてしまうこともあります。再加工も可能ですが、再加工には費用が必要になります。

防炎カーテン使用は義務?義務付けの条件は3つ

防炎カーテンは、火災報知器などと同様、特定の場所での設置が義務づけられています。防炎カーテンが必要な場所は、大きく3カ所あります。

公共施設

図書館や病院、学校などの公共の施設は、防炎カーテンの設置が必須です。国や民間が管理する施設は、防炎カーテンをはじめさまざまな災害対策が施されており、万一のときも利用者の安全を守れるよう工夫しています。

大勢の出入りがある店舗

映画館やショッピングセンター、ホテルなど、大勢の人の出入りや利用がある場所でも、防炎カーテンの設置が義務づけられています。一般家庭のカーテンとは異なる、大きくて重いカーテンが採用されることも多く、災害時に不特定多数の方の命を守るために役立ちます。

高層ビルや高層マンション

11階以上、31m超の建物は、火災が起こった場合に避難や消火活動がスムーズにいかないこともあります。防炎カーテンはそんなときに、火の手が迫るのを遅らせるために役立ちます。

ちなみに、高層階のみでなく、1階など低層階の居住・利用でも防炎カーテンの設置は必須です。

設置義務があるのに防炎カーテンをつけていないと…

マンションなどでは、消防機関が防炎カーテンがついているかどうかをわざわざ確認に来るということは滅多にありません。しかし、防炎カーテンをつけていないと、消防法違反として罰則を受けます。

消防法命令違反に対する罰則は、大きなものだと罰金や懲役もあります。違反の内容により罰金の額や懲役の期間は異なりますが、「チェックされないからいい」というわけではなく、法律を守るため、またもしものときに自身や大勢の方の命を守るためにも、防炎カーテンは設置するようにしましょう。

防炎カーテンはどう選ぶ?ポイントを解説

ご自宅が防炎カーテン設置の対象である場合には、防炎カーテンを購入する必要があります。防炎カーテンを選ぶときには、次の4点に注目すると、よりよいものを手に入れられるでしょう。

必ず「防炎マーク」がついたものを

防炎カーテンには、以下のような防炎マークがついています。

日本防炎協会 防炎ラベル

このマークがついていないと防炎カーテンとはいえませんので、必ず防炎マークのあるものを選ぶようにしてください。

ちなみに、オーダーで防炎カーテンを作る場合には、防炎マークを縫い付けてもらう必要があります。店舗によってはオプションになっていることもありますので、購入の際に確認しましょう。

窓のサイズに合ったもの

せっかく防炎カーテンを設置していても、窓のサイズに合っていないと防炎効果が薄れてしまうことも。窓にピッタリ合うサイズのものを選ぶことで、もし火災が起こってしまっても、その効果をしっかりと発揮してくれます。

好みのデザインの防炎カーテンを選ぶ

少し前までは防炎カーテンは機能性ばかりが重視されており、無地のシンプルなものが多い印象でした。しかし最近は、一般的なカーテンと変わらないくらいおしゃれなものも増えています。デザインやカラーも豊富になっているので、好みのデザイン、お部屋にあった色味のものを選ぶと、防炎しながらも快適な空間を演出できます。

水洗いができるものも◎

衛生面を考慮すると、カーテンも定期的に洗濯したいものです。前述の通り、防炎カーテンはお手入れの方法を間違えると防炎機能が低下してしまいます。

最近は、自宅の洗濯機で水洗いできる防炎カーテンも増えてきていますので、手軽に洗いたいという方は、水洗いOK、洗濯機OKという商品を選ぶことをおすすめします。

防炎カーテンは一般家庭にも必要?

一軒家やアパート、高層でないマンションなどは、防炎カーテンの設置対象外のため、必ず設置しなければいけないというわけではありません。しかし、防炎カーテンは火災のときに命を守る大きな役割を果たしてくれます。

カーテンを新しくする予定のある方や、お引っ越しなどでカーテンを新調するご家庭などは、この機会に防炎カーテンを導入することをおすすめします。カーテン1つでご家族や周囲の方の命を守れる確率が上がることを忘れず、ぜひ一般のご家庭でも、導入を検討してください。

防炎カーテンで防火効果をより高めよう

防炎カーテン(防火カーテン)は、燃えにくい素材で火災の際に燃え広がりを遅らせる重要な役割を果たします。防炎カーテン1つで、防火効果を大きく高めることができますので、設置が必須な住宅にお住まいのかたもそうでない方も、ぜひお気に入りの1枚をみつけ、設置してみてはいかがでしょうか。

このほかにも火災報知器や消火器など、火災のためのアイテムは多くありますので、この機会にご自宅の火災対策を徹底的に見直しましょう。

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語教師を経て2018年よりライターに転身。子どもと学べる防災に関心を持ち、日々災害や備えについて勉強中。
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