コロナ陽性で自宅療養をする場合、外出ができないので買い物にいくこともできません。そこで療養中の生活に困らないよう、自治体から物資が支給されます。
筆者の住む岐阜県でも、陽性者は希望をすると物資を受け取ることができます。今回は、筆者の家庭にも支給していただいた物資の詳しい中身をご紹介します。
筆者と次男がコロナ陽性者に…
2022年2月、筆者と次男がコロナ陽性と診断され、自宅療養をしました。同居する夫、長男は濃厚接触者として隔離となり、家族4人で約2週間の引きこもり生活を送りました。
コロナ陽性者、濃厚接触者の隔離期間や経過報告の方法に関しては、こちらの記事もぜひ読んでみてください。
支援物資の詳しい中身を紹介!
支援物資の詳しい中身をご紹介します。大きな箱は、配送業者さんからのお電話をいただいたあと、感染防止のため玄関先に置いてありました。
想像以上に大きなサイズで驚きましたが、開けるとこのように日用品・食品がいっぱいに詰まっていました。
中身を取り出して並べてみました。内容を詳しく説明していきます。
食品
1週間分の食品の基本は「ごはん」と「ごはんにかけられるレトルト食品」でした。内容は以下の通りです。
・レトルトごはん(18個)
・玉子がゆ(3個)
・インスタント味噌汁(21個)
・マーボー丼(3個)
・混ぜるだけのビビンバ(5個)
・レトルトカレー(6個)
・レトルトたまご丼(7個)
・栄養補給ゼリー(7個)
7日分の食事というと、3食×7日分なので、21食になります。ごはんとおかゆが計21個、レトルト食品も21個入っていました。加えて、飲むゼリーが7個入っており、これは栄養補給用のおやつ感覚で口にするものなのかな、と思いました。
中身は調理不要なものばかりで、体調が非常に悪い方でも簡単に口にできるものが多い印象でした。カップラーメンなどは入っておらず、栄養にも考慮されている印象です。
飲料
飲料は次の2つが入っていました。
・2リットルの水(2本)
・野菜ジュース(2本)
災害時ではないので「水道水が飲める」という認定なのか、飲料は計4本でした。どうしても動けない場合にはペットボトルの水が重宝されます。また、食欲がなくレトルト食品が食べられない場合も、野菜ジュースやゼリーなどで最低限の栄養や水分を補給することが可能です。
日用品
日用品は次のものが入っていました。
・ボックスティッシュ(1箱)
・トイレットペーパー(2ロール)
・小さめの除菌シート(1個)
・生理用品(2パック)
アレルギーや年齢に応じた対応ができないとはいえ、4歳児の支援物資に生理用品…?男性の1人暮らしの方はどうするのだろう、と思いました。しかし、高熱でお手洗いにも行けない方にとっては、非常時には役立つアイテムになるのかもしれません。
支給された物資についての情報
希望者には上述の通り、さまざまな日用品や食品などの物資が支給されます。1週間分の食料を送ってくださるということで、次男、そして私も物資をいただきました。「1人分じゃあ足りないだろうな」と思って2人分お願いしましたが、届いた段ボールは子どもたちが2人で入って電車ごっこができるくらい大きなもので、とても驚きました。
支援物資の内容については詳しくご紹介しましたが、その他の情報についてもお伝えしていきます。
支援物資の注意書き
支援物資のなかには特に書面などは入っていませんでしたが、別送された「自宅療養のしおり」のなかには、次のような注意書きがありました。
・療養期間中の食事等については、一定期間常温で保存可能な食料品(7日間相当)と日用品のセットを、希望される方に対し、県が療養者のご自宅(療養場所)まで配送するサービスを実施しています。
・自宅療養の決定連絡の際に、配送希望について確認します。なお、本配送サービスは無料です。
・アレルギーや離乳食等、個々の要望への対応はできませんので、ご自身で各食品の表示を確認してください。
・食中毒予防のため、封を開けた食品は基本的にすぐに食べるようにしてください。保存する場合には、冷蔵庫に入れてください。
希望者には無料で物資が支給されますが、中身は選べません、ということは電話でもお話を頂きました。家族そろって買い物に出られないこと、近距離に実家があるものの高齢の両親に感染しては大変だということから、2人分の物資を希望しましたが、非常にありがたく活用させていただきました。
次男と筆者の物資の内容の違い
筆者と次男、2人分の物資の内容は基本的には同じでしたが、以下のようにやや異なる部分もありました。
・飲料水や野菜ジュース、お味噌汁などのメーカーが違う
・1つはゼリーが入っていたが、もう一方はカロリーメイトだった
・除菌シートが小さいセットは生理用品が2袋だったが、大きめの除菌シートが入っているセットは生理用品が1袋だった
基本的な組み合わせは同じなものの、入っているもののメーカーが異なる、サイズや組み合わせなどがやや違っているようです。
特に活用できたものは…
物資のなかで特に活用させていただいたのは、「甘い食べ物」と「インスタントのお味噌汁」でした。子どもたちが食べるお菓子は多めに常備しているのですが、買い物に行けないのでお楽しみのお菓子は当然、どんどん消費されていきます。そんなときに届いたゼリーとカロリーメイトは、子どもたちの小腹を満たすのにとても役に立ちました。
また、食事は夫が自宅にある食品で作っていましたが、汁物を作る材料があまりなく、ごはんとおかずのみの夕飯が続いていました。インスタントの汁物は無ければ無いで困ることはありませんが、身体が温まる、箸休めになるなどよいことづくめで、食卓が少し豪華になったような気持ちになれました。
レトルト食品も昼食の際などに何食か消費させていただき、外出・買い物ができないなか本当に助かりました。
物資を受け取っての正直な感想
およそ2週間の引きこもり生活。「最悪誰かに頼ればよい」という思いはあったものの、大きな支援物資を2つもいただけたのは非常に助かりました。ただ、実際に物資を受け取ってみて思うこともいくつかありましたので、正直に思ったことを最後に書かせていただきたいと思います。
・主食について:栄養面やコスト面などさまざまな観点から、主食がお米のみだったのかもしれませんが、手軽さや食べやすさ、陽性者の年齢の幅広さを重視し、カップラーメンなどもいくつか入っているとよいと思いました。
・レトルト食品について:なぜかたまご丼が大量にありました。こちらも栄養面の観点などさまざまな理由があるのでしょうが、物資の写真を見せた友だちの多くから「たまご丼多いね(笑)」と言われました。バランスよくさまざまな種類のものを入れる、上述の通り麺などを主食に取り入れるなどすると、食品の偏りを防げるのではないかと思いました。
・生理用品について:もしもの時に役立つのかもしれませんが、やはり男性や生理のない年齢の方にとっては「不要なもの」であり、ごみとして捨てられてしまう可能性もあります。筆者は生理用品をいただけて非常に助かりましたが、どちらかといえば不要な方のほうが多いので、選択できないなら入れないほうがよいのかもしれないと感じました。
離乳食やご高齢の方が食べやすい介護食などは費用もかさみますし、さまざまなアレルギーに対応できるようにすると入れられる食品が限られてしまったり、細かく分類しなければならなくなったりして、自治体の負担も大きくなります。
しかし、すべてのセットに生理用品が入っている、子どもも同じものが支給されるのにカレーが中辛であるといったように、「あれ?」と思うようなチョイスもいくつかありました。無料でいただけるものに文句をいうのはよくないことですが、せっかく支給されたものが無駄になってしまっては意味がありません。
物資の内容やこうした選択肢については、自治体によって異なるので一概には言えませんが、岐阜県の支援物資については内容を再度検討していただく、もしくは「男性・女性・10歳以下」の大きく3分類くらいの選択肢を設けていただくなどすると、無駄なくいただいたものを活用できるのではないかと思いました。
おわりに
今回は、コロナ陽性者がいただける支援物資の詳しい内容をご紹介しました。1週間分の食料品は、外出のできない陽性者にとっては非常にありがたいものです。賞味期限の長いレトルト食品やごはんなどで残った分は、災害用の備蓄として保管するという選択もできます。
療養期間中は、体調により食欲が出ないこともあるでしょう。栄養をつけなければウイルスに対抗しにくくなりますが、決して無理をせず、口にできるものを食べるようにしてくださいね。