活火山・休火山・死火山の違いは?噴火の種類などの詳しい知識を身につけよう!

本サイトはプロモーションが含まれています。

学校の授業やテレビの解説などで「活火山」「休火山」「死火山」といった言葉を耳にしたことはある方は多いでしょう。3つの言葉はそれぞれ意味が異なりますが、正しく説明できるという方は、少ないかもしれません(筆者も難しいところです)。

そこで今回は、活火山・休火山・死火山、それぞれの違いを解説します。また、活火山の噴火の種類や噴火による被害・注意点などにも触れますので、火山について知りたい方はもちろん、改めて知識を身につけたいという方もぜひ読んでみてください。

目次

活火山とは「噴火したことがある、噴火の可能性が高い」火山

活火山はおよそ1万年前から今までに噴火の記録がある火山のことです。また、現在活発な噴気活動をしている火山についても「活火山」に分類されます。

2003年には定義の見直しも

以前は「盛んに噴火を繰り返している火山」のみを活火山と呼んでおり、後述する休火山、死火山と分類していました。しかし、それまでの定義に合わないものがあったりしたため2003年に定義を再検討。

現在の「概ね1万年以内に噴火した火山及び、現在活発な噴気活動のある火山」を活火山の新たな定義としました。

日本の有名な活火山

日本国内に新たな活火山の定義に当てはまる火山は110あります。以下の有名な活火山については、一度は名前を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

・桜島
・霧島山
・三宅島
・伊豆大島
・八丈島
・硫黄島
・赤城山
・浅間山
・御嶽山
・恐山
・蔵王山
・利尻山
・十勝岳

活火山は全国に点在していますが、特に北海道、伊豆・小笠原諸島に多い傾向です。近くに活火山があるかどうか、ぜひ調べてみてくださいね。

休火山・死火山という定義はなくなった?

休火山・死火山とは、2003年以前の定義で「現在噴火していない火山」を指す言葉でした。詳しい定義や2つの分類が撤廃されたきっかけなどを解説します。

休火山・死火山の定義

休火山とは有史以来、噴火記録があるもののしばらく活動していない火山のことです。たとえば富士山などは休火山に分類されていました。

一方死火山は、そもそも活動の記録がない火山を指します。休火山・死火山という名前からは「現在は活動していない」「噴火の心配がない」という印象を受けますね。

現在はこうした分類はしない

以前の定義では火山の分類は大きく3つでしたが、以下のような理由から定義が見直され、休火山・死火山という言葉を使うことはなくなりました。

・死火山と認識されていた北海道の雌阿寒岳が1955年以降、噴火を繰り返した
・同じく死火山と認識されていた木曽御嶽山が1979年に水蒸気爆発を起こした
・そもそも有史以来の噴火記録をもとにした定義だったが、火山の長い歴史から見ると、有史以来の記録だけで分類するのは難しい

こうして3つの分類の定義は大きく見直され、休火山・死火山という用語は学術的に廃用に。現在は「活火山以外の火山」「活火山ではない」といった言われ方をしています。

噴火は大きく3種類

活火山はもちろん、かつて休火山・死火山などと呼ばれていた活火山以外の火山についても、噴火の可能性はゼロではありません。噴火は地下にあるマグマなどが地上に噴き出る現象で、火山噴火と一言でいっても噴火には大きく3つの種類があります。

マグマ噴火

マグマが地上に直接噴き出す噴火を「マグマ噴火」といいます。ゆっくりドロドロと噴出するタイプから、大爆発を起こし近隣の街に甚大な被害を与えるものまで規模はさまざまです。

マグマ噴火のなかでも、噴火規模やマグマの性質などにより、細かく呼び方が分類されます。

マグマ水蒸気噴火

マグマが地下水などと接触し、急激に水蒸気が大量発生すると大爆発が起こります。こういった噴火がマグマ水蒸気噴火、マグマ水蒸気爆発です。

噴出物のなかにマグマ由来の物質が含まれているという特徴があり、後述の水蒸気噴火と区別されます。

水蒸気噴火

マグマにより地下水などが間接的に加熱され爆発を起こす噴火を水蒸気噴火、水蒸気爆発といいます。噴出物にマグマ由来の物質が含まれていないのが、水蒸気噴火の特徴の1つです。

マグマ噴火、マグマ水蒸気噴火などと比べると噴火の規模は比較的小さいですが、2014年の御嶽山の噴火では水蒸気噴火によって多くの犠牲者が出ています。

火山噴火による被害

火山が噴火すると、溶岩や石、灰、ガスなどを吹き出し、周辺の建物や住民、登山中の人に被害を及ぼします。どういったものを噴出するか、具体的に見ていきましょう。

噴石:直径2ミリ以上の石を噴石といいます。なかには数十センチの噴石もあり、火口から2キロ以上離れた場所まで噴石が飛んで行くこともあるので注意が必要です。

火山灰:直径2ミリ以下の石は火山灰と呼ばれます。噴石よりも被害の範囲が広く、火口から数十~数百キロの場所にまで飛散することも。建物や人体、交通網、農作物などさまざまなものが被害を受ける可能性があります。

溶岩流:1000度を超えるマグマが固まらず地表に流れ出る現象です。通過した場所には火災が起こる、鉄筋の建物も壊れるなどの被害が及びます。ただしその速度は非常に遅く、歩いての避難も可能です。

火山ガス:マグマには二酸化炭素や二酸化硫黄、硫化水素などが溶けていますが、これらの成分がガスとなり放出されたものが火山ガスです。火山噴火がしたときはもちろん、噴火していないときでもガスのみ放出される場合があり、ガス中毒による登山者の死亡事故も起こっています。

火砕流:数百度の溶岩片や火山灰、火山ガスなどが急速に山の斜面を流れるのが火砕流です。時速数十キロから数百キロの速度のため、避けることは難しいでしょう。火砕流が通過した場所は焼失・埋没などの被害を受けます。

火山噴火時の注意点と対策

噴火速報や噴火警報が発令された場合、まずは安全な場所へ避難しましょう。避難中やその後の作業では、以下の3点に注意してください。

火山灰による人体への影響に注意する

火山灰は2ミリ以下ととても小さいため、空気と共に吸い込んでしまうことがあります。肺の奥に火山灰が侵入すると、息苦しさを感じたり咳が出たりするので、火山灰を吸い込まないよう防塵マスクなどで口元を覆いましょう。

また、目に入るとかゆみや痛みを引き起こす、皮膚に触れると皮膚が炎症を起こすこともあるので、ゴーグルや長袖の服、軍手などさまざまなアイテムで身を守るようにしてください。

運転の際は事故に気をつける

避難時に自動車を使用する人もいますが、火山灰が降ってくると視界が悪くなり、道路標示や通行人、他の車が見えにくくなるので、運転には充分注意してください。火山灰が道路に積もると、自動車はもちろん、自転車もブレーキがききにくくなり事故の原因となるので、普段以上の安全運転を心がけましょう。

また、火山灰が多く積もると運転すること自体困難になることも忘れてはいけません。この場合はしっかりと体を保護し、徒歩での避難に切り替えるようにしてください。

降灰除去作業での注意点

噴火が落ち着いたら、自宅の屋根や周辺の道路に積もった火山灰を除去する作業が待っています。除去作業のときゴーグルや防塵マスクなどで防備し、人体への影響を避けることが大切です。

火山灰は滑りやすいので、屋根の上に積もったものを除去する際などは足元に注意しながら、必ず2人以上で行います。火山灰は水に溶けず、雨どいや下水に詰まりやすいので、流さず袋などに入れてまとめ、自治体の指示に従ってゴミとして廃棄するようにしてください。

活火山・休火山・死火山への正しい知識と対策を覚えておこう

活火山は「概ね1万年以内に噴火した火山及び、現在活発な噴気活動のある火山」のことをいい、以前は噴火記録があるものの活動していない火山を休火山、そもそも噴火記録がない火山は死火山といっていました。

最近は定義も変更され、かつての休火山・死火山は「活火山以外の火山」「活火山ではない」などと呼ばれています。

万一火山が噴火したときは、正しく身を守りながら安全に避難することが大切です。火山噴火や防災についてさまざまな知識を身につけ、対策をしていきましょう。

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語教師を経て2018年よりライターに転身。子どもと学べる防災に関心を持ち、日々災害や備えについて勉強中。
詳しいプロフィールはこちら

目次