霜害(そうがい)とは?被害や対策、家庭菜園成功のポイントを解説

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ライターの永野です!

先日、夫が「2023年から2024年にかけては暖冬らしい」という話をしてきました。どれほどの暖冬なのか、果たして本当に暖冬なのか…。微妙なところです。

暖冬は暖冬でいろいろとデメリットがありますが、寒さが厳しいことで起こる問題も少なくありません。その1つが霜害(そうがい)。農業を営まれている方には馴染みあるワードかもしれませんが、私は調べるまで読み方すら知りませんでした。

今回は、「霜害(そうがい)」についての基本的な情報をまとめました。どのような被害があるのかとその対策、家庭菜園をしている方向けの冬の栽培に関するアドバイスも記載していますので、ぜひ最後まで目を通してみてください!

目次

霜害(そうがい)とは霜による農作物への被害

霜害(そうがい)は、霜によって農作物に被害が及ぶことをいいます。まずは、霜害の定義と霜害が起こる原因について見てみましょう。

霜害の定義

霜により、野菜や果樹が凍結し、傷んだり枯れたりすることがあります。これが「霜害」です。霜は気温が低い冬におりるものですが、気象庁では季節外れの秋の冷え込みによる霜を「早霜(はやじも)」、晩秋から初夏にかけて見られる霜を「遅霜(おそじも)」といい、早霜は秋の収穫物に影響し、遅霜は果樹の生育を妨げる可能性があります。

霜害はなぜ起こる?

そもそも霜は、気温の低下により空気中の水蒸気が凍ることで起こります。夜間から早朝にかけての冷え込みが強まると、放射冷却現象で霜がおります。冬の農作物は寒さに強いものも多いですが、霜がおりるほどの寒さのなかでは細胞が壊れてしまいます。また、季節外れの霜がおりるのにも気温の低さが影響しており、寒さに弱い農作物はたちまちやられてしまいます。

永野

霜そのものが直接影響する、というわけではないんだね

霜害が起こりやすい時期と地域

霜害が起こりやすいのは、早霜・遅霜の時期です。とはいえ、霜が降りる時期は地方によって差があります。気象庁のデータによると、霜の降りる可能性がある時期(平年値)札幌では10月下旬から4月下旬まで、東京は12月下旬から2月中旬まで、大阪は12月上旬から3月下旬まで、福岡は12月中旬から3月中旬まで。寒さが厳しい地域のほうが霜のおりる時期が長いことがわかります。

とはいえ、気象的な条件がそろえば秋や春先にも広い地域で霜がおりることはあり、霜害の被害を受けやすいのは4~5月です。また、霜害が起こりやすい地域には、風通しが悪く冷たい空気がたまりやすいという特徴があります。盆地や窪地、土手、防風林の近くなどは、霜害に特に注意したほうがよいでしょう。

参考:霜害とは|気象予報士がメカニズムを解説!作物別の対策方法も紹介
霜害とは? 原因とメカニズムを解説・深刻な被害と農家の対策

霜害による農作物への被害

霜による農作物への被害を「霜害」といいますが、具体的に霜を受けた農作物はどうなってしまうのでしょうか。霜害を受けやすい農作物とともに、解説します。

霜害を受けやすい農作物

霜害を受けやすいのは、寒さに弱い農作物です。具体的には、サツマイモやショウガ、ジャガイモ、ヤマイモ、サトイモなどがあります。寒さに弱い農作物は、霜があたると壊死してしまいます。とはいえイモは地中に埋まっているので、葉が枯れてしまっても野菜そのものは問題ないこともあるようです。

前述のものほどではないものの、レタスやニンジン、ブロッコリー、春菊、セロリなども寒さには強くありません。1度の霜で枯れることは少ないですが、霜が続けば葉が傷んだり壊死したりします。

霜で農作物はどうなる?

霜が農作物に与える影響は、前述の通り壊死や葉の傷みなどです。また、霜が当たった部分が凍ってしまう、枯れてしまうこともあります。

また、果樹の生長に霜害が影響する可能性も高いです。霜によっておしべやめしべが枯れてしまうと、果樹そのものは元気でも果実が実らないという被害が起こります。

霜害は私たちの生活にも影響する?

霜害は農作物に影響するものなので、農業以外の仕事をしている人は「関係ないこと」だと思うかもしれません。しかし、霜害によって農作物や果樹が受けた被害額が数十億円となる年もあり、深刻な問題であることがわかるでしょう。

農業を営む方々の生活を脅かすことはもちろん、作物の出荷ができないことによる食糧不足、物価の高騰など、私たちの生活に及ぶ悪影響も少なくありません。

永野

物価の高騰は勘弁…

参考:マイナビ農業|あなたの野菜は大丈夫? 家庭菜園の防寒対策!
ふるさとチョイス|フルーツの収穫が壊滅的状態に~東北地方を中心とした凍霜の被害について~

霜害を防ぐために農業で実施されている対策

昨今は異常気象も多く、夏の暑さからは想像もつかない寒さが襲うこともあります。農業分野では、農作物が霜害を受けないために、どのような対策が行われているのでしょうか。

不織布や寒冷紗、もみがらをかける

作物の上から資材をかける方法を「べたがけ」といいます。不織布や寒冷紗(かんれいしゃ)などの被覆資材で作物を覆うと、霜による被害の防止が可能です。

根菜類の場合は、もみがらをかける方法が広く採用されています。根菜類の株元に数センチもみがらをかけると、土の中の作物を霜害から守れます。

糖の含量を増やす

寒さに強い農作物は、霜害で葉が傷むことはあっても、全体が枯れることは少ないといえます。これは、細胞が凍らないよう当分濃度を上げるからで、寒い年ほど冬野菜の甘みが増すのもこのためです。

この原理を寒さに弱い野菜にも応用し、霜害対策をする方法もあります。糖分を与えられる肥料により作物の糖の含量を高めることで、凍結を防止します。

暖房機を使う

ハウス栽培の場合、暖房機でビニールハウス内の温度を下げないのも、霜害対策の1つです。屋外でも、薪などを燃やすことで植物を温める方法を取ることがあり、これを「燃焼法」といいます。

薪を使った燃焼法は設備投資や経費を抑えられるのがメリットです。しかし、夜間に作業をしなければならない負担から、この方法を取る農家は減っているともいわれています。

散水や送風での対策も

スプリンクラーなどで散水して凍結を防ぐ方法、ファンによる送風で上空の暖かい空気を地表に吹き下ろす方法など、ほかにも霜害対策はさまざまです。また事前の対策として、葉面散布剤を散布する方法もあります。散布は霜がおりる数日前に行うと効果が高まるため、気温の予測も欠かせません。

農家は複数の霜害対策から費用や労力に見合った方法を選択し、実践しています。

永野

いろいろな対策があるんだね!農家の人ってすごい!

参考:マイナビ農業|凍霜害の仕組み、簡単にできる4つの防ぎ方

冬の家庭菜園を成功させるには?霜害に遭ったらどうする?

自宅で家庭菜園をしている場合も、霜害には注意が必要です。せっかくお金をかけて環境を整えたり種を購入したりして、手間をかけて育てた作物が霜害でダメになってしまったらガッカリしてしまいますよね。

最後に、失敗しない冬の家庭菜園のポイントと、もし霜害に遭ってしまった場合の対処法を解説します。

寒さに強い野菜を育てる

日本は時期によって気候が大きく変動するので、作物を育てる場合は季節に合ったものを選びましょう。寒さに強い野菜には、大根や白菜、ホウレンソウ、キャベツ、コマツナ、ネギ、カブ、イチゴなどがあります。

プランターで手軽に育てたい場合は、コマツナや小カブ、ミニ白菜などがおすすめです。また、リーフレタスも寒さに強く、短期間で収穫できるのが魅力だといえます。

霜害や寒さ対策をする

寒さに強い野菜も、霜がおりるような寒さのなかではうまく育たない場合もあります。広い畑で作物を育てる農業と同様、小さな家庭菜園も霜害や寒さに備えた対策は欠かせません。

家庭で行うなら、前述の「べたがけ」がおすすめです。不織布や寒冷紗をかけるだけと簡単ですし、これだけで霜よけはもちろん、防虫、保温効果が期待できます。

霜で凍ったら溶けるのを待つ

野菜が霜にあたってしまうと、凍ってしまうことがあります。野菜は凍ると半透明になるので、一目でわかるでしょう。寒さに強い野菜も気温が低く霜がおりると凍ることはありますが、「凍ったら終わり」「凍っていないところだけ食べよう」と収穫したり処分したりしてはいけません。

凍っている状態で収穫すると、凍った部分が壊死しますが、収穫しないでそのままにしておくと、やがて日が当たり溶けて、細胞も再生します。その後収穫すれば、一度凍った部分も問題なく食べられるので、覚えておきましょう。

永野

凍ってもそのままにしてね!

霜害は私たちの「食」に関わる災害!事前の対策でおいしい野菜を育てよう

霜により農作物に被害が及ぶことを「霜害」といい、ひどい場合には数十億円もの損害が出るものです。農業分野ではさまざまな霜害対策が行われていますが、霜害が起こると私たちの食にも影響します。

おいしい野菜や果物が手に入る環境は、当たり前ではありません。農業に関わる方々の努力に感謝しながら、日々の食事を楽しみたいですね。

編集後記

「いただいた花を早い段階で枯らしてしまう」のが得意な私ですが、息子が夏休みに持ち帰ってきたアサガオやミニトマトは、比較的上手く育成できたと思います。特にミニトマトは自分でもびっくりするぐらい順調だったのですが、玄関先に作られた蜂の巣を駆除するときにスプレーがかかってしまい、育たなくなってしまいました(ちゃんと避けたつもりでしたがダメでした)。

3年生からはもう何もないだろうと思っていたところ、「来年も使う可能性があるのでプランターはご自宅で保管ください」との連絡が…。来年は次男が1年生。またアサガオのターンがやってくるのに「2つは勘弁してくれよ」と、母はいまから気が重いです。

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語教師を経て2018年よりライターに転身。子どもと学べる防災に関心を持ち、日々災害や備えについて勉強中。
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