摂取量に注意したい「水中毒」とは?安全な水分補給のために意識したいこと

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ライターの永野です!

私が住んでいる地域では、ついに土曜くらいから最低気温が10度を切りました。最高気温はまだ20度を超えているので、日中はしばらく過ごしやすいかなという感じですが…。死ぬほど暑いのも、寒暖差が大きいのも、考えものです。

暑いときは熱中症予防のためにも、こまめな水分補給が求められますが、「こまめに」というのがけっこう重要なんですよね。あと当然ですが「アルコールは水分に含まれない」ので、「お酒飲んでるから大丈夫~」と思っている方は注意してください(私も以前はそういうタイプでした)。

熱中症予防だけでなく、血液をサラサラにしたり脳や胃腸の働きを活性化させたり、生活習慣病を改善したりと、水を飲むことによるメリットは多数あります。しかし、何事も「やりすぎ」はNG。水も飲みすぎると「水中毒」になることをご存じでしょうか?

今回は、「水中毒」について解説します。どのような危険があるか、また安全な水分補給を実現するためのポイントなどをまとめましたので、参考にしてください。

目次

水中毒とは?どのような症状が起こるの?

「水中毒」という言葉は、聞きなれない方も多いと思います。私もこの言葉を知ったのは最近で、きっかけは「警視庁警備部災害対策課」のX(旧Twitter)の投稿でした。

余談ですが、こちらのアカウントでは日々災害や防災についてのお役立ち情報を発信しています。Xならではの短文投稿でわかりやすく、ときどき「中の人」のプライベートも垣間見える面白い内容なので、フォローしてチェックするのもよいでしょう。

永野

ほどよい情報量でおすすめ!

水中毒とは「大量の水を飲むことで不調を引き起こす」もの

前述の投稿(いまはツイートじゃなくてポストっていうんですよね!)と同じ内容にはなりますが、水中毒は「水を大量に飲むことで、血液中の塩分濃度が低下し、頭痛やめまい、呼吸困難などになること」をいいます。特に汗をかいたあとは、塩分濃度が低下しやすく危険です。

大量の水を飲むと、血中のナトリウム(塩分)濃度が急激に下がり、「低ナトリウム血症」の状態になります。さまざまな症状を引き起こす水中毒は、重症の場合死に至る可能性もあるようです。実際、アメリカのコンテストで大量の水を飲んで死亡したという報告もあります。

参考:水中毒とは

水中毒の主な症状

水中毒の症状として見られるのは、以下のようなものです。

【軽症】
・めまい
・頭痛
・吐き気
・頻尿
・下痢
・倦怠感 など

【重症】
・眠気
・嘔吐
・複視
・錯乱
・血圧上昇
・筋力低下
・けいれん
・錯乱
・意識障害
・呼吸困難
・脳浮腫

熱中症と同じような症状もあるため、不調の原因が「水分補給が遅かったことによる熱中症」なのか、「水を飲みすぎて起こる水中毒」なのかが判断しにくい部分もあります。水を多く飲んだあとに上記のような症状があらわれた場合は、水中毒とともに熱中症かどうかも疑いましょう。

参考:水中毒になる水の量とは

水中毒は摂取量に注意!水中毒を引き起こす「多飲症」も知ろう

水中毒は「大量の水を摂取したこと」により起こるものですが、「大量」とは具体的にどれくらいの量なのでしょうか。また、普段から水の摂取量が多い人は「多飲症」の可能性もあります。ここからは水の摂取量と多飲症について、見ていきましょう。

水中毒になる可能性がある摂取量

「飲みすぎ」となる量は、体格や気候などによっても異なります。汗をかきやすい夏場は、冬場よりも多く水分を摂取する必要がありますし、当然子どもよりも体の大きい大人のほうが、摂取量が多くなります。

「短時間で大量の水を飲む」の目安は、「1時間以内に1リットル」です。

1日の摂取量で「大量」に値するのは、「3リットル以上」「5リットル以上」「10リットル以上」など諸説あります。ただし「体重1キロにつき35ml」ほどが適正な量だといわれているので、たとえば50kgの人は1.7L、60kgの人は2.1Lくらい、つまり多くの大人は2L前後が適正量です。しかもこのうち1リットルほどは食事から摂取できるといわれているので、「飲み物」は、1~1.5Lほどがベストだといわれています。3リットルでも飲みすぎだといえるので注意しましょう。

永野

1リットルくらいなら無理なく飲めそうだよね

「多飲症」の人は特に注意が必要

多飲症とは、「1日に大量の水を飲む症状」をいいます。「大量」がどれくらいを指すのかは前述の通りですが、多飲には「飲水量が多くて多尿(1日3L以上の尿量)を来す状態」という定義もあるので、水の摂取量が3Lでも4Lでも、尿量が3L以上あれば多飲症だといえるでしょう。

多飲の原因は薬の副作用でのどが渇く、ストレスや不安感から水を大量に摂取してしまう、食事制限の空腹を満たすのに水を飲むなどさまざまです。短時間で大量の水を摂取するだけでなく、水をたくさん飲むのが習慣になっている人も、体内の塩分濃度が低下しやすく水中毒になる可能性があります。

水中毒になるのは「水」だけじゃない!

「『水』中毒」と聞くと、「水だけが危険」と思われるかもしれませんが、水以外の飲み物でも水中毒が起こるため注意が必要です。もうお察しの方もいるかもしれませんが、お茶も水中毒を引き起こす飲み物の1つ。「ジュースなら糖分とかいろいろ入っているし、いいだろう」ということもありません。ミネラルがほとんどない飲み物を大量に摂取すると、体内のイオンバランスが崩れてしまうからです。

「さすがにスポーツドリンクは大丈夫だよね…?」と思った方、危険です!スポーツドリンクには確かに塩分(ナトリウム)が含まれていますが、一気に飲みすぎれば水中毒を引き起こす可能性はあります。

どのような飲み物でも、短時間に大量に摂取するのはよいことではありません。また、水はもちろん、ジュースやスポーツドリンクを1日に何リットルも飲むと、糖分・塩分の過剰摂取となり、水中毒以外の深刻な病気につながる恐れもあるので注意しましょう。

参考:水中毒になる水の量とは

水中毒にならないよう、上手な水分補給をするには

水中毒にならないように水分を補給するのは、難しいことではありません。ここからは、健康的に水分補給をするためのポイントを解説します。

1日に必要な水分量を知っておく

まずは、自分の体重に対してどれくらいの水分量が適正かを知りましょう。前述の通り、1日の水分摂取量は「体重1キロにつき35ml」。健康な成人なら2L前後です。食事から摂取する水分も考慮し、飲み物は1~1.5Lほどがよいといえます。

多すぎるのもよくないですが、少なすぎても脱水症状や熱中症、肌の乾燥やドロドロ血液の原因になるので注意しましょう。

「少量」を「複数回」に分けて摂る

スポーツや力仕事などをしたあとは、体が熱くなりのどが乾くので、ゴクゴクと大量の水を飲みたくなります。しかし、一気にたくさん飲むと水中毒になりやすいので、水分は「少量」を「複数回」に分けて摂取するのが基本です。

1回あたりの摂取量は150~250ml、コップ1杯ほどにとどめ、1日に6~8回飲みましょう。スポーツなどで汗を大量にかく可能性がある場合も、活動前、活動中、活動後と分けたほうが水分不足になりにくく、熱中症や脱水のリスクを下げられます。

永野

一気飲みは厳禁!

経口補水液を飲む

経口補水液は、糖分や塩分を含んだ「人間の体液に近い成分」の飲み物です。スポーツドリンクの2~4倍のナトリウム(塩分)濃度なので、水分とともに塩分もしっかりと摂取できます。

好みにもよりますが、筆者的には経口補水液はお世辞にもおいしいとはいえません…。ゴクゴクと大量に飲んで「おいしー!」となる方は少ないのではないでしょうか。よって、水分を一気に大量に飲むのを防げます。水やお茶、ジュースよりも水中毒のリスクは低いものの、内臓への負担などを考慮し、こまめに飲むのがおすすめです。

参考:水中毒・多飲症とは?原因や対策を知って注意しよう!
   サントリー「水大辞典」

水中毒になったらどうする?

水中毒や熱中症は、注意していてもなってしまう可能性があります。「1時間以内に1リットル」というのもあくまで目安なので、ちょっと多めに飲んだだけで不調を来すことも。

最後に、水中毒になってしまった場合の対処法を解説します。

【軽症】塩分を補給する

症状が軽い場合は、水分摂取を控えたうえで、塩分を補給します。経口補水液だけでなく、塩飴やタブレットなど、ナトリウムやカリウムが多く含まれるものはあるので、そういったものを活用しましょう。

安静にしているほうがよい気もしますが、動いても問題なさそうであれば、軽い運動や入浴をするのも余分な水分を排出するのに有効です。

【重症】救急車を呼ぶ

嘔吐や意識障害といった重い症状がみられる場合は、すぐに救急車を呼びましょう。「これぐらい大丈夫」だと思っていると、重症化により後遺症が残ったり、最悪の場合命を落としたりすることもあります。

水分制限で多飲症を改善する

慢性的に水を過剰摂取している人は、多飲症の改善も必要です。摂取量を自分でコントロールできれば、意識的に水分をとらないようにするだけで徐々に改善されるでしょう。ストレスや不安感など精神面の問題から多飲してしまう場合は、正しい方法で改善するためにも、病院で治療を受けることをおすすめします。

参考:水中毒を起こす摂取量とは?

水中毒は命の危険も!水分補給は正しい水分量と摂取方法で

水中毒は、命を落とす危険もある侮れない症状です。水分補給はこまめに、摂取量を守って行いましょう。もし水中毒と思われる症状が出た場合には、まずは塩分を摂り、必要に応じて病院を受診してください。

水は摂取量を守れば、健康や美容によい効果をもたらしてくれます。水中毒に注意しながら、日々必要な水分を体に取り入れましょう!

編集後記

学生の頃に「水を2リットル飲むダイエット」というのを聞いて、頑張って水を飲んでいる時期がありました。食事からの水分を考慮すると1リットルちょっとでいいのですが、知らなかったので意識的に水を飲んだら、とにかくトイレが近い!すぐにいやになって、数日で辞めました。幸い、こまめに飲んでいたので水中毒のような症状はなかった記憶です。

まだ若かったので余分な水分がすぐに排出されてよかったですが、いまやったら、水分が体のなかに留まってしまいむくみまくっていただろうなと思います。

お酒は水分補給にならず、むしろ水分を体内から奪うことも。「じゃあビールをジョッキで2~3杯ゴクゴク一気するのは、水中毒にならないのか」という疑問が新たに生まれたので、安全に飲酒を楽しむためにこのあたりも調べていきたいです。

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語教師を経て2018年よりライターに転身。子どもと学べる防災に関心を持ち、日々災害や備えについて勉強中。
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