異常気象とはどれくらい異常なの?地球温暖化との関係もデータで確認!

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近年「異常気象」や「地球温暖化」という言葉を耳にする機会が多くなりました。

しかしそもそも、どれくらい異常で地球温暖化の影響は本当にあるのでしょうか?

そこで今回は、世界各地の事例とともに異常気象とは何か?そして、日本の研究チームが示した「地球温暖化と日本の豪雨災害との関係」をご紹介します。

さらに、約30年前から継続的に発表されている国際的報告書をもとに「人間の活動が地球温暖化にあたえる影響」はどの程度なのかを読みといてみます。

さっそく異常気象の定義からみてみましょう。

目次

異常気象とは「30年に1回おきるかどうか」の現象

異常気象があたりまえになっていると言われる昨今、いったいどのような現象なのでしょう。

気象庁の定義を確認

気象庁では、異常気象を次のように定義しています。

気温や降水量などの異常を判断する場合、原則として「ある場所(地域)・ある時期(週、月、季節)において30年に1回以下で発生する現象

気象庁「気象・異常気象について」より引用 ※太字は筆者加筆

つまり、異常気象とは「30年に1回おこるかおこらないかの現象」なのです。

異常気象には“気象災害”もふくまれる 

さらに気象庁は『気象災害も異常気象に含む場合があります』とつたえています。

気象災害とは『大雨、強風、雷などの気象現象によって生じる災害』であり、たとえば大雨害や干害・着雪害や日照不足害などです。【参考文献】気象庁「気象災害に関する用語」

日本ではゲリラ豪雨とよばれる急な激しい大雨による被害が毎年のように発生しており、「30年に1回おきるかどうか」だった異常気象は「わたしたちの日常」になっていると感じざるを得ないでしょう。

異常気象がいかに世界中で頻発しているか、それを知ることのできるサイトがあります。

世界の異常気象|2023年7月26日から1週間におきた現象

通信技術の発展にともない、世界各地で発生する異常気象の状況が把握できるようになりました。

たとえば、気象庁「世界の異常気象」では、世界の異常気象と気象災害にかんする情報が「週・月・季節・年ごと」に発表されています。

ここではその中から「2023年7月26日~2023年8月1日」に世界各地でみられた異常気象の一部をご紹介します。

北海道・オーストラリア|日平均気温より7度以上も高温

北海道(札幌市)とオーストラリア(キャンベラ)では異常気象による高温が観測され、いずれも「日平均気温」は平年値より7度以上も高くなっています。

オーストラリアにかぎってみると、日平均気温の平年値は“約6度”ですが、7月29日の日最高気温は“18度”にもなったのです。

異常気象(高温)の事例

・北海道の札幌では、29日の日平均気温が29.7℃(平年値:22.7℃)で、日最高気温が34.4℃(平年値:27.0℃)だった。
・オーストラリアのキャンベラでは、30日の日平均気温が約12℃(平年値:約6℃)で、29日の日最高気温が18℃を超えた。

気象庁「世界の週ごとの異常気象(2023年7月26日~2023年8月1日)」より引用

ドイツ|1か月分の雨がおよそ1週間で降った

ドイツ(フランクフルト)では、7月の降水量平年値が約66mmですが、 “6日間で60mm以上”の雨がふりました。

異常気象(多雨)の事例
ドイツ西部のフランクフルトでは27日〜1日の6日間降水量が60mmを超えた(7月、8月の月降水量平年値:66.6mm、62.8mm)

気象庁「世界の週ごとの異常気象(2023年7月26日~2023年8月1日)」より引用

イタリア|7月に“ひょう”をふくむ大雨

読売オンラインが報じたところによると、イタリア(ミラノ)では2023年7月21日ひょうが交じった大雨が観測されたといいます。

このサイトには動画があり、建物の上階から撮影したと思われる映像にはいくつもの白い固まりが道路上を流れていく様子が映っており、 それはとても恐怖に感じるほどです。

異常気象の原因|地球温暖化の影響を2つのデータから読みとく 

このような異常気象がおきる原因として、よく耳にするのが「地球温暖化」でしょう。

とくに、猛暑日が続くと「やっぱり地球の温度があがっているせいかなあ」と考えたくなるものです。

しかし、そうとは言いきれない面もあるといいます。

自然のゆらぎによる猛暑もあるが・・・

日本の夏が猛暑になると言われる背景には、ラニーニャ現象(※本サイト名関連記事)や偏西風の蛇行(だこう)などがあげられます。

これらは「自然のゆらぎ」とよばれるもので、地球にもともとある性質です。

そのため、ラニーニャ現象のような「自然のゆらぎ」の発生自体が異常気象の原因ではないといいます。

ですが、地球の温度が上昇している事実はあるため、自然のゆらぎの発生にともなって、平年よりも高温となる確率は高くなると言われています。

地球温暖化がなかったら日本の豪雨災害はどうなっていた? 

一方、日本の豪雨災害に地球温暖化が影響していることを示したデータがあります。

それは、2020年10月20日に日本の研究チームが発表したもので、2つの災害(平成29年7月九州北部豪雨・平成30年7月豪雨)に相当する大雨に、地球温暖化がどれほど影響しているかを調べたものです。
※ 気象庁気象研究所・東京大学大気海洋研究所・国立環境研究所・海洋研究開発機構

その結果、これらの大雨の発生確率は、地球温暖化がないと仮定した場合よりも、それぞれ約1.5倍・約3.3倍も多かったのです。

この結果は、それまでにない調査方法によって明らかにされており、地球温暖化の影響をしらべる貴重なデータと言えるでしょう(くわしい内容は、こちらの報道発表資料からご覧になれます)。

地球温暖化の原因は本当に人間なのか? 

地球温暖化に関して、もう1つ資料をご紹介しましょう。

それは、195の国と地域で構成される「ICPP(=気候変動に関する政府間パネル)」が発表する報告書で、このなかに「人間活動がおよぼす地球温暖化への影響」があります。

これまでに6つの報告書を発表しているのですが、今から約30年前にだされた第1次報告書(公表1990年)では、人間活動がおよぼす影響については『気温上昇を生じさせるだろう※1』と記録されていました。

それが、第5次報告書(同2013~2014年)では『可能性が極めて高い※2』となり、そして、第6次報告書(同2021年~)ではついに『人間活動によって温室効果ガスの濃度が増加 していることは疑う余地がありません。※3』となったのです。

しかも、世界の平均気温は『少なくとも今世紀半ばまでは上昇が続く※4』とも示しています。

※1 環境省『IPCC 第5次評価報告書の概要 -WG1(自然科学的根拠)』2014年/8頁
※2 同上/10頁
※3 文部科学省・気象庁「IPCC第6次評価報告書第1作業部会報告書:一般向け解説資料(基礎編)/5頁
※4 同上/11頁               

異常気象は“日常にあるリスク”として備えよう

異常気象とは簡単にいうと「30年に1回おきるかどうかの現象」です。

そして、異常気象の原因には地球温暖化があげられ、それは人間がおこなう活動によってもたらされることがデータからも明らかになりました。

災害は「いつおこるかわからない」と言われますが、そこには“頻繁におこるもの”という感覚は少ないのではないでしょうか。

しかし、異常気象はもはや日常的になりつつあります。

わたしたちの日常には事故や病気などさまざまなリスクがありますが、異常気象がもたらす災害もそのリスクだと認識し、あらたな備えや対策をとる必要があるでしょう。

□関連記事
異常気象で梅雨が明けないと日本は崩壊する!?確率ゼロではないお話

【参考文献】
*気象庁|気候・異常気象について
*気象庁気象研究所|地球温暖化が近年の日本の豪雨にあたえた影響を評価しました
*環境省|気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第6次評価報告書(AR6)サイクル
*一般社団法人クライメード・ダイアロ(CDJ)|報告書
*ソフトバンクニュース|豪雨、猛暑、干ばつ…。異常気象は地球温暖化が原因? 専門家が語るその真相と、変わりゆく気候への備え方

(以上)

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この記事を書いた人

東北出身&在住フリーライター。
広告代理店・NPO・行政で勤務後、在宅ワーカーに転身。
妊娠中に東日本大震災に遭い、津波から避難・仮設住宅で子育てをする。
本サイトでは「命を守るために知っておきたいこと」「日常に潜むリスクへの備え」などについて発信します。
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