防犯などの観点から以前は多くの家庭で設置していたブロック塀ですが、劣化や地震地震の影響などにより倒壊の恐れがあるため、撤去が推奨されていることもあります。ブロック塀の撤去には費用がかかりますが、補助金を利用することで安価に実施することも可能です。
今回は、ブロック塀の危険性や補助金の申請方法、撤去の際の注意点などをご紹介します。ブロック塀の撤去費用の相場についても解説していますので、ご自宅にブロック塀がある場合には、撤去するかどうか検討する材料にしてみてください。
ブロック塀は危険?耐用年数は
ブロック塀は経年劣化や地震などの災害により崩れる可能性があるため危険です。撤去を検討する方もすくなくありませんし、自治体などから撤去が求められる場合もあります。
まずは、そもそもブロック塀とは何か、耐用年数はどれくらいなのかを見ていきましょう。
ブロック塀とは
ブロック塀は、コンクリートブロックやレンガ、御影石などの石材を用いて作られた塀のことをいいます。少し前までは自宅の囲いにブロック塀を用いる家庭も多くありました。
ブロック塀の耐用年数
ブロック塀の耐用年数はおよそ20年ほどだといわれていますが、これは設計や施工の状態がよかった場合です。
外気などから住宅を守る役割であるブロック塀は風雨や熱、寒さなどさまざまな天候にさらされているため、実際の耐用年数は20年よりも短いと考えたほうがよいでしょう。
古いブロック塀は撤去が求められることも
ブロック塀は劣化すると、崩れたり倒れたりする恐れがあります。ブロック塀の近くに人がいた場合、巻き込まれて大きな事故につながる可能性もあり危険です。実際、地震によるブロック塀の倒壊に巻き込まれ、小学生が亡くなるという事故も起こっています。
こうした事故が起こらないためにも、自治体では古くなったブロック塀を放置せず、撤去するよう住民に呼びかけていることも多いです。
ブロック塀の危険性
古くなっていないにしても、ブロック塀の設置は2つの危険をはらんでいるといえます。
倒壊の恐れがある
1つは倒壊の恐れです。古いブロック塀が何かの衝撃で倒壊することもありますが、古くないブロック塀も地震などの災害の影響で、倒壊する可能性があります。
比較的新しいブロック塀でも、施工状態がよくない場合は安全性が確保されず、万一の場合に人命を奪うような事故を引き起こしかねません。
防犯のはずが犯罪を許すことにも
ブロック塀を住居の周りに設置することで、自宅内の様子や洗濯物などが外から見えなくなります。一昔前はこうした防犯対策が主流でしたが、もし空き巣などがブロック塀のなかに侵入した場合、なかの様子を見ることができず犯罪を許すことにもなりかねません。
防犯のつもりで設置したブロック塀が、逆に犯罪をしやすい環境を作る可能性があることも覚えておきましょう。
こんなブロック塀には注意!
古くなったブロック塀は危険ですが、具体的にどういった状態のものに注意すればよいのでしょうか。
傾いている
ブロック塀に傾きが見られるのは、地盤や基盤がゆがんでいる、もしくはブロック塀そのものに不具合が生じている証拠です。傾いたブロック塀は些細な揺れや衝撃でも倒壊する恐れがあるので、早めに点検・修理をするようにしましょう。
鉄筋がさびている
ブロック塀のなかにはブロックとブロックをつなげるための鉄筋が通っていますが、この鉄筋がさびていると鉄筋が折れてしまう可能性があります。また、鉄筋のなかには錆びると膨張するタイプのものもあり、鉄筋が膨張することでブロックに日々が入ることもあるので注意が必要です。
ひび割れている
前述のような鉄筋の錆び・膨張でブロック塀がひび割れると、少しの刺激でブロック塀が崩れることもあるため危険です。ひび割れが見えたらなかの鉄筋も一緒に点検してもらうことをおすすめします。
2.2mを超える高さのもの
現在の建築基準法では、ブロック塀の高さは2.2メートル以下とされています。つまり2.2メートルを超えるブロック塀は以前の建築基準法に基づいている古いものであるか、建築基準法に違反して建てられたものだといえます。
高すぎるブロック塀がある場合にも、注意をするようにしましょう。
透かしブロックが多い
ブロック塀の通気性確保や装飾性を与える目的で、穴の開いたブロックが採用される場合もあります。こういったブロックを「透かしブロック」といいますが、透かしブロックが多いということは鉄筋が通っていない可能性が高いです。
鉄筋が通っている透かしブロックも、規準より少ない本数であることが多いので、透かしブロックがあまりにも多かったり、連続して使用されているブロック塀も危険があるということを覚えておきましょう。
ブロック塀の撤去には補助金が出ることも
古いブロック塀や危険なブロック塀は撤去したほうがよいですが、撤去にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。ブロック塀を撤去する場合には、その費用の一部として補助金を申請することが可能です。
撤去にかかる費用の相場
ブロック塀を撤去する場合の費用は1㎡あたり5,000円から、高くて10,000円程度だといわれています。一般的な住宅に設置されたブロック塀の場合、撤去にかかる費用相場は50,000円前後です。
内訳は人件費や廃材処分費、運送費などですが、撤去を依頼する業者やブロック塀の設置環境により、相場から金額が大きく跳ねあがる場合もあるので覚えておきましょう。
撤去の補助金は各自治体から
自宅に設置しているブロック塀が危険だとわかっていても、費用がかかることから放置してしまうという方も少なくありません。そうした危険なブロック塀を少しでも多く撤去できるよう、自治体によっては解体にかかる費用を補助してくれる場合もあります。
補助金は撤去後に申請しても通りません。要件や必要書類、申請方法、どれくらいの補助をしてもらえるかは自治体によってことなりますので、撤去工事をしたいと思ったら、まず地域の役所などに相談に行きましょう。
補助の対象となるのは
ブロック塀を撤去する際の補助金は、全てのブロック塀に適用されるわけではありません。詳しい条件は自治体が定めていますが、道路に面しているブロック塀や、地震が起こった場合に倒壊する可能性が高いブロック塀は、補助の対象となりやすい傾向です。
また、ブロック塀を撤去したあとには新しくフェンスなどを設置する方も多いですが、こうした設置費用も補助の対象としている自治体もあります。
ブロック塀を撤去する際の注意点
ブロック塀の撤去工事をする前には、次の3点に注意をしましょう。
近隣住民への挨拶と説明をする
麹の際は騒音で近隣の方に迷惑がかかることがあります。また、稀に撤去工事を反対される場合もあるため、あらかじめ近所の方に工事をするという説明と挨拶をするようにしましょう。
もし撤去に反対する近隣住民がいた場合には、専門家から工事の必要性について説明してもらうことをおすすめします。
業者を比較・検討する
ブロック塀の撤去費用は、依頼する業者によって大きく異なる場合もあります。最初に見積もりを依頼した1社で決定せず、数社から見積もりを取り、比較・検討するようにしましょう。
もし相場より安くても、信頼できる雰囲気でなければ、依頼しない方が賢明です。価格と信頼度、両方の観点から業者を決定するとよいのではないでしょうか。
所有権にも注意
隣の家とのあいだに建っているブロック塀を撤去したい場合は、工事前に所有権をはっきりさせなければなりません。所有権が自身にあれば、撤去や新設を自由にすることができます。しかし、共有のものである場合や所有権が自身にない場合には、勝手に撤去などをすることはできません。
所有権を明らかにし、必要に応じて管理方法や費用負担について話し合うようにしましょう。
まとめ
ブロック塀にはプライバシーを守る、暴風などから家を守るといったさまざまな役割がありますが、劣化すると倒壊の恐れがあるため危険です。古くなったブロック塀の撤去には補助金が適用されることも多いので、近隣地域の方々の安全を守るという意味でも、撤去を検討することをおすすめします。
ブロック塀倒壊による事故を少しでも減らすためにも、補助金を活用して安全な街づくりに貢献しましょう。