ライターの永野です!
我が家はテレビを子どもが占領しているので、ニュースなどはネットでチェックし、情報収集もテレビからはあまりしません。「そろそろ朝の情報番組をつけたい」とは思うものの、子どもって不思議で全く興味のない内容でも手を止めて凝視するんですよね…。
朝は近所の小学生とグループで登校するので、決まった時間に家を出るためには1分1秒を争います。そんなときにテレビを悠長に見られていたら朝から私のなかの鬼が発動しそうなので、まだまだしばらくテレビをつけることはなさそうです。
そんな私がテレビを見る時間といえば、夕飯どきの17時半から19時半くらいまで。短時間のあいだに、最近も地震速報を見ることがあり、「やっぱり地震多いな~」と肌で感じています。
日本は地震大国だ、というお話は何度もさせていただいていますが、「そもそもなんでそんなに地震が多いのよ」と思われる方もいるでしょう。「プレートが~」という話はたびたび耳にしますが、実際私も今回の記事をまとめるまで、詳しいことはよくわかっていませんでした。
地震にはプレートが関係している?メカニズムは
地震とプレートの関係は、学校の授業でも習った記憶があるようなないようなという方もいるでしょう。まずは、地震がどのように起こるのか、基本のメカニズムを簡単に解説します。
地震はプレートの「ずれ」が引き起こすもの
地球の地下には岩盤がありますが、これがずれることで地震が起こります。岩盤にはある力が加わっており、普段はこれに耐えている状態です。しかし、固いものに力を加え続けると割れたりひびが入ったりするように、岩盤もいつか力に耐えられなくなります。
耐えられなくなったときが、いわゆる「岩盤がずれる」状態で、これが地震を引き起こす原因でもあるのです。
プレート運動と地震の関係性
上の説明を読んで、「なるほど」と思う方もいるでしょうが(私は深く考えないのでこういうタイプです…)、「いやいや、そもそもなんで岩盤に意味不明な力が加わってるの」と疑問に思う方もいるでしょう。岩盤に加わる力は「プレート運動」によるものです。
地球は中心から核・マントル・地殻という構造になっているといわれていますが、マントルの上部、地殻に近い部分が、硬い岩盤(プレート)になっています。このプレートは対流するマントルの上に乗っているため、そもそも少しずつ動いており、これが「プレート運動」です。
プレート運動によって、地球にある十数枚のプレートがぶつかったりすれ違ったり、1つのプレートが別のプレートの下に沈み込んだりするのですが、こうした動きのなかで強い力が働くとき、地震が発生します。
日本の地震は4つのプレートが原因で起こっている!
地震はプレート運動によって起こるものだということがわかりましたが、日本はどういったプレートの影響を受けているのでしょうか。4つのプレートと、プレートの境界はどこかを解説します。
4つのプレートの上に乗っている日本
地球には十数枚のプレートがありますが、日本は以下の4つのプレートの上に乗っかるような状態で存在しています。
・北米プレート
・ユーラシアプレート
・太平洋プレート
・フィリピン海プレート
北海道や東日本のほうには北米プレート、その下に太平洋プレートがあり、西日本の下側に、フィリピン海プレートがあります。ユーラシアプレートはその名の通り、ユーラシア大陸のほうにあり、西日本から九州までが乗っかっているような構造です。
プレートの境界はどこにある?
上図を見ればそれぞれの境界のプレートがどこかがだいたいわかりますが、より具体的に境界の場所を説明します。
・糸魚川-静岡構造線:北米プレートとユーラシアプレートが押し合っている境界線。新潟県のいとい吾川から長野県、山梨県を経て静岡県に抜けるような線
・日本海溝:太平洋プレートが日本列島の下に沈み込んでいる境界。北海道から房総半島沖にかけてある、浸水8,000m以上の巨大な谷
・駿河トラフ、南海トラフ:フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込んでいる境界。伊豆半島西に位置する駿河湾の駿河トラフが、南海トラフにつながっていく
・相模トラフ:フィリピン海プレートが北米プレートの下に沈み込み、さらに太平洋プレートが沈み込んでいる境界。相模湾にある深い谷(相模トラフ)は、3つのプレートが重なり合い特に複雑な構造をしている
震源地となるのはどのような場所?
プレートの動きが地震につながること、日本の下には4つのプレートがあり、それぞれが押し合ったり重なり合ったりしていることがわかりました。これが日本で多くの地震を引き起こす原因なのですが、地震速報などを見ると震源地となる場所には偏りがあると感じることはないでしょうか。
震源地となりやすい場所には、3つの特徴があります。
海のプレートが沈み込んでいる場所
日本海溝や駿河湾トラフ、南海トラフ、相模トラフから海のプレートが日本列島の下に沈み込んでいるのですが、海のプレートが動くことで、陸のプレートに摩擦が加わります。摩擦が起こると陸のプレートが引きずり込まれ、これにより千葉県や静岡県、四国の一部では毎年少しずつ地盤が沈下しています。
こうして陸のプレートにひずみが溜まり、摩擦の力が限界までいくと、一気にエネルギーが放出されて大きな地震が起こるのです。
プレートが3つ重なっている部分
北米プレート、フィリピン海プレート、太平洋プレートの3つが重なる部分は、南関東の下です。ここでは3つのプレートが重なったりこすれたりぶつかったりという運動も激しく、地震が頻発します。
プレートが衝突する部分
糸魚川-静岡構造線では北米プレートとユーラシアプレートが押し合いをしている、つまり衝突している状態です。この衝突により揺れが生じることもありますし、日本列島は東西に毎年1センチずつ縮んでいます。
地震大国日本で進む、対策の内容
プレートの動きが地震を引き起こすメカニズムがわかったところで、地震を食い止めたり、何ヵ月も前から予知することはできません。地震が頻繁に起こる国として、そしてそんな日本に住む1人として、国や自治体が進めている対策には、どういったものがあるのでしょうか。
地震予知・警戒システムの強化
地震は初期微動という小さな揺れがあり、そのあとに大きな揺れが起こります。この初期微動を検知して、地震情報を分析。その情報を警報として早急に発信するシステムは、年々強化されているといえるでしょう。
全国瞬時警報システム(Jアラート)も警戒システム強化の取り組みの1つで、地震はもちろんテロやその他さまざまな緊急事態に早急に警報を発令できる仕組みで、国や自治体は私たちの安全を守ってくれます。
建物やインフラへの耐震
地震に強い建物は増えており、住居はもちろん、オフィスビルやさまざまな施設も、耐震構造を取り入れたものが多く見られます。また、ガスや水道、電気、道路、線路などのインフラは、災害時に被害を受けると復旧まで多くの人が困ってしまいますが、地震に強いインフラを実現するために、老朽化したインフラの耐震補強を行ったり、新たに地震に強いものと交換したりという動きも活発化しているといえるでしょう。
発災後も以前のような生活を1日も早く送れるような環境を整えているのも、日本の地震対策の1つです。
「自助」のための防災意識や備蓄などの促進
いくら国や自治体が地震に強い街づくりに尽力しても、1人ひとりの防災意識が低ければ、いざというときにどう動けばよいか分からず逃げ遅れてしまう、防災グッズが何もない不便な状況で数日間をすごさなければならないといったことにもなりかねません。
防災の知識を得て、日々の「備え」を怠らないことは、災害時に自分で自分の身を守る「自助」につながります。「自助」ができる人が1人でも増えるような活動を促進することも、国や自治体の取り組みの1つです。
防災士や防災リーダーの講習を実施することはもちろん、防災関連の冊子を各家庭に配ったり、地域で防災訓練を実施したりと、災害対策に力を入れている自治体は多く、メディアなどでも防災関連の情報を取り上げることで、私たちが日常的に防災意識を高めることに貢献してくれているのではないでしょうか。
日本の地震に影響するプレートは4つ!該当地域以外でも警戒を
地震はプレートの動きによって起こり、日本は下にある4つのプレートの影響を受けるため、地震が多く起こります。プレートの境界では特に地震が起こりやすいですが、それ以外の地域も、いつ大地震の影響を受けるか分かりません。知識やモノの備えなど、自分でできる災害対策を実施しながら、いつ・何が起こっても対応できる力を身につけましょう。
編集後記
記事を書くというのは、国語力が試されるところでもあります。どれだけ言葉を知っているか、伝わりやすい文章や構成を作れるのかが重要です。防災新聞は書きながら、災害や防災に関する知識を身につけられる媒体でもあるのですが、そのなかで今回の「岩盤」「プレート」のように理科で習ったかもしれない(多分習ってます)知識が試されることも。
世界の災害をテーマにしたときは地理、過去の災害を取り上げるときは歴史と、執筆を通して昔のさまざまな学びを振り返ることができる時間だと思い、日々取り組んでいます。「習ったことがあるのに忘れた」というのはちょっと恥ずかしい部分もあるのですが、「忘れていた」ということを思い出せるのはまだセーフかなぁと思っているので(ちょっと何言ってるか分かりませんという方はごめんなさい)、これからも学校で習ったことなどを思い出しながら、新しい知識も身につけていけたらなと思います。