罹災証明書とは?手続きの手順や写真の撮り方などを解説

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災害によって自宅が被害を受けた場合の諸々の申請には「罹災証明書」というものが必要ですが、「そもそも読み方がわからない」「手続きはどこですればいいの?」「何に使う証明書なのか」といった疑問を抱く方も少なくありません。

今回は、罹災証明書とは何か、手続きの手順や罹災証明書に必要な写真の撮り方などを解説します。

目次

罹災証明書とは各種支援制度適用の判断材料となるもの

罹災証明書(りさいしょうめいしょ)は、自然災害などで被害を受けた住居の被害状況を調べ、認定・発行する証明書です。建物の被害の程度を4段階に分類しますが、こちらは次項「罹災証明書に提示される被害の程度は」にて詳しく説明します。

罹災証明書を発行するのは自然災害の場合は市町村などの自治体ですが、火災の場合は消防署です。

罹災証明書は何に使う?

発行された罹災証明書は、被災者への支援制度が使えるかどうかの判断材料として使用されます。

住居が被災した場合に適用される支援制度はさまざまですが、罹災証明書はそもそも制度が適用されるのか、適用されるのであれば、どの程度支援を受けられるのかを決める基準となります。

つまり、罹災証明書がないといくら住宅が損壊していても何の支援も受けることはできないため、申請は必ずしなければなりません。

罹災証明書に提示される被害の程度は

罹災証明書に提示される被害程度は全部で4段階です。被害規模の大きなものから順に説明していきます。

全壊

全壊は、住居の延べ床面積の70%以上が倒壊や埋没、焼失、流失してしまった状態です。

また、原型が残っていても、損壊の度合いが激しく、50%以上の損害を受けており、補修しても元のように住むことができない場合も、全壊扱いになります。

大規模半壊

大規模半壊は、延べ床面積の50~70%が損壊しており、そのままでは済むことができない状態です。

また、40~50%の損害を受けている場合も大規模半壊に該当し、大々的な補修が必要となります。

半壊

半壊は、延べ床面積の20~70%程度に損壊が見られますが、補修することで元通りになり、また済むことができる状態です。

また、20~50%の損害を受けている場合も半壊に該当します。

一部損壊

一部損壊は20%未満の損害割合であったり、半壊に至らない程度の損壊である状態です。

住居の一部のみが被害をうけており、補修は必要ですが済むことに特に問題はありません。

罹災証明書を受け取るための手順

罹災証明書を受け取ると、固定資産税や国民健康保険料の減免や猶予、支援金・義援金の支給、無利息での借入制度利用、民間支援、学費免除などさまざまな支援を受けることができます。

ここからは、罹災証明書の申請に必要なものや、申請手順を見ていきましょう。

罹災証明書の手続きは大変?

罹災証明書は住居の被災状況を示し、さまざまな申請に必要な書類であるため手続きが大変なイメージを抱く方もいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。

災害発生時、特に震災など広範囲で甚大な被害を受ける恐れがある場合には、一刻も早く支援が必要な人が多く発生します。そういった方々がスムーズに証明書を発行してもらえるよう、罹災証明書の申請は比較的簡単にできるようになっています。

罹災証明書の申請に必要なもの

罹災証明書の申請に必要なのは以下の3点です。

  • 罹災証明交付申請書
  • 身分証明書
  • 建物の写真

申請書は地域の役所で受け取る、ホームページからダウンロードするといった方法で入手できます。自治体により申請書の仕様が異なるので、必ず申請する自治体のものを使用するようにしてください。

身分証明書は、本人確認のために使用します。罹災証明書の申請以外にも身分証はさまざまな場面で役立ちますので、パスポートや運転免許証、マイナンバーカード、健康保険証など身分を証明できるものは、避難時に必ず持っていくようにしましょう。

申請時には、住居の被災状況を判断するための写真も必要です。正しい認定を受けるためにも、外観から内装まで、被害状況がよくわかる写真を撮影し、提出するようにしてください。

この他にも、自治体によっては必要な書類、証明書の提出が求められることもあります。事前にホームページを見る、電話で問い合わせるなどして確認をしておくとスムーズです。

罹災証明書の申請手順

申請の手順は次の通りです。

  1. 書類準備:罹災証明交付申請書を入手し、記入します。また、写真撮影や本人確認書類など、必要なものを用意しましょう。
  2. 申請:提出するものがすべてそろったら、自治体の役所、出張所へ行き申請をします。申請は本人だけでなく、委任状を持った第三者も代理で行うことが可能です。
  3. 現状調査:申請をすると、自治体から委嘱された調査員が実際の被害状況を確認、認定するための現状調査に来ます。調査は屋根や外壁、柱などを確認する外観調査、建物内の損傷具合を調査する内部調査の2種類です。
  4. 証明書発行:現状調査が終わり判定がなされると、罹災証明書が発行されます。ちなみに、損壊度合いの判定に納得がいかない場合は、再調査の依頼も可能です。依頼を受け自治体が必要ありと判断した場合には、再調査が実施され、認定が変わることもあります。

罹災証明書申請には写真も必要!撮り方のポイントは

多くの自治体では罹災証明書の申請時に写真の提出も必要ですが、申請に使用する写真はどういった点に注意して撮ればよいのでしょうか。

家の外の写真を撮るときのポイント

家の外は、まず建物全体が写る写真を撮影します。正面、後ろ、左右の四方向から撮り、全体の被害状況がわかるようにしましょう。また、損壊が大きい部分はアップにしての写真を残すことも忘れてはいけません。

家の中の写真を撮るときのポイント

家の中を撮るときも、外と同じように部屋全体の様子が写る写真と、損壊部分をアップにした写真を残すようにします。被災状況が詳細に伝わるよう、枚数が多くなってもよいので損壊部分はすべて撮影しましょう。

その他写真を撮る際に注意したいのは

このほか注意したい点として、「浸水時は深さがわかる写真を残す」「片付けをする前に写真を撮る」ということが挙げられます。

津波や大雨などで住居が浸水被害を受けた場合は「建物のどこまで浸水したのか」がわかる写真が必要です。メジャーなどを使い、どこまで浸かったのかが分かる写真を撮りますが、その際も建物と浸水状況が一目でわかる全体写真と、メジャーなどの目盛りが見えるアップの写真を撮るようにしましょう。

また、災害で住居内がめちゃくちゃになってしまった場合、一刻も早く片付けて元通りにしたいと思いがちですが、片付けてしまっては被害状況を100%伝えることはできません。まずは罹災証明書のために写真を残すことを優先してください。

同居するご家族がいる場合、片付けのタイミングに関して事前に情報を共有しておくことも忘れないようにしましょう。

まとめ

罹災証明書は住居の被災状況を提示する書類で、さまざまな支援を受けるために欠かせません。もしものときにスムーズに手続きができるよう、必要な書類や申請の手順、写真撮影のポイントを覚えておきましょう。

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語教師を経て2018年よりライターに転身。子どもと学べる防災に関心を持ち、日々災害や備えについて勉強中。
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