被災者生活再建支援制度とは?支援内容や受給方法を知り、正しく活用しよう

本サイトはプロモーションが含まれています。

災害にあった方を対象としたさまざまな支援の1つに、被災者生活再建支援制度というものがあります。

災害で住む場所を失った、自宅が大きな被害を受けた方を対象としたこの制度ですが、どういった経緯で生まれたのか、どのように申請すればよいのかなど、気になる点が多いという方もいるのではないでしょうか。

今回は、被災者生活再建支援制度の内容や申請方法、利用時の注意点などを解説します。

目次

被災者生活再建支援制度とは家屋の被災を支援してくれる制度

被災者生活再建支援制度とは、災害で被災した方々の生活を支援するために、国や都道府県が資金を援助してくれる制度です。

この制度が生まれるきっかけとなった災害や制度の目的、詳しい条件などを見ていきましょう。

被災者生活再建支援制度が生まれたきっかけ

被災者生活再建支援制度が生まれたのは、平成7年に起こった阪神・淡路大震災の際です。同震災では多くの方が被災し、元の生活を送ることが困難になりました。

これを受け、被災者生活再建支援制度が平成10年5月に成立。11月6日に施行されました。ちなみに制度ができてから現在までには、所得による制限や使用用途などが見直され、6度の法改正がなされています。

被災者生活再建支援制度の目的

「被災者生活再建支援制度」といっても、具体的にどういった支援が受けられるのかイメージがつかないという方もいるかもしれません。

この制度の目的は、自然災害によって住居や生活基盤に大きな被害を受けた場合に、安定した生活を取り戻せるようにすることです。多くの方が災害が起こる前の生活に戻れるよう、国は支援金の半分を負担することとなっています。

制度の対象となる条件

とはいえ、被災者生活再建支援制度はどういった被害にも対応しているわけではなく、対象となる条件が設けられています。大まかな条件は「全壊被害の発生状況」です。

住宅の損壊具合は、市町村職員などが「全壊」「大規模半壊」「半壊」「半壊に至らない」という4段階で判断します。

被災者生活再建支援制度の対象となる一例として以下のような場合が挙げられます。

・市町村内で自然災害によって10世帯以上の住宅が全壊した
・都道府県内で自然災害によって100世帯以上の住宅が全壊した
・災害救助法の適用基準のうち、1号または2号を満たす自然災害が発生した市町村

この他にも、制度の適用には細かなルールがあります。
(参考:被災者生活再建支援制度の概要

被災者生活再建支援制度は2種類

被災者生活再建支援制度は、2種類の支援金が用意されています。どちらか一方のみを受給できるというわけではなく、被災状況に応じ、2つの合計金額を受け取ることができるので、覚えておきましょう。

住宅の被害に応じた基礎支援金

災害発生前に住んでいた住宅の被害状況に応じて受けられる支援が「基礎支援金」です。基礎支援金は、全壊、大規模破壊、半壊など、被害の程度によっていくらもらえるかが判断されます。

ちなみに基礎支援金は半壊解体世帯、敷地被害解体世帯、長期避難世帯にも適応可能な支援金です。半壊解体世帯、敷地被害解体世帯とは、住宅が全壊、もしくは半壊し、さらに敷地に被害が生じるなどの理由で修理に高い費用がかかってしまうため、住宅を解体しなければならない世帯をさします。

また、長期避難世帯は噴火などの災害で住宅周辺に危険が続くため、同じ場所に住むことが長期的に困難になった世帯のことです。

基礎支援金は、全壊世帯、解体世帯、長期隔離世帯と判断された複数世帯に100万円、単数世帯に75万円支給されます。また、大規模半壊世帯の場合は複数世帯なら50万円、単数世帯は37.5万円です。

住宅の再建に応じた加算支援金

災害により住宅が被害を受け再建が必要になった場合、建設するか補修をするか、購入か賃借かなど再建方法の段階に応じて支給されるのが「加算支援金」です。

加算支援金は建設、購入した場合は全壊世帯、解体世帯、長期隔離世帯、大規模半壊世帯のすべてにおいて複数世帯が200万円、単数世帯は150万円支給されます。

補修の場合も被害の規模に関わらず複数世帯が150万円、単数世帯が75万円、賃借は単数世帯が50万円、単数世帯は37.5万円です。

そして、住宅の被害の大きさ、世帯規模によって決まった基礎支援金、加算支援金の合計額を受け取ることができます。

被災者生活再建支援制度の申請方法

地震や大雨、噴火など、さまざまな災害により住む場所が大きな被害を受けた方々は被災者生活再建支援制度を活用し、次に住む場所を確保するための資金を少しでも支援してもらいたいのが本音でしょう。

ここからはこの制度を利用するための流れ、支援金の申請方法を解説します。

支援金支給の流れ

災害が起こると、まずは都道府県が国に対し、支援制度を適用してもらえるよう報告をします。その後、市町村が専門の調査員による現地調査をおこない「罹災(りさい)証明書」を発行。住居の被害の程度はこの罹災証明によって決められます。

罹災証明が出たら、被災者は市町村に対し支援金を申請し、市町村が被災者生活再建支援法人に申請書を送付することで、支援金が支給される、という流れです。

支援金の半分は国が負担する、と解説しましたが、残りは全国都道府県の拠出金から支払われます。ただし、東日本大震災の際は国が5分の4を負担し、災害の規模などによってはその限りではないようです。

支援金の申請方法

もしも今住んでいる場所で災害が起こり、住む場所を失ったら…。被災者生活再建支援制度を使って支援金を受け取りたいですよね。

基礎支援金の申請に必要な主な書類は、住民票・預金通帳の写し・罹災証明書です。この他、損壊状況に応じて解体証明書や滅失登記簿謄本なども必要となるので確認しましょう。

加算支援金の申請には、契約書の写しが必要です。

必要な書類を用意したら、各市町村の窓口へ行き、書類を提出して支援金の申請をしましょう。

被災者生活再建支援制度を利用する際の注意点

被災者生活再建支援制度は災害の影響を受けた多くの方を救済するための制度であるため、申請が非常に大変、面倒ということはありません。

しかし、申請には期限があるため注意する必要があります。申請期間は基礎支援金が災害が発生した日から13か月以内、加算支援金が37か月以内です。

非常に短い、というわけではありませんが、期日が長いからと思っていると申請するのを忘れてしまう恐れもあるので、罹災証明書を受け取ったらなるべく早く申請に行くようにしましょう。

まとめ

被災者生活再建支援制度は災害により住居が被害を受けた方々を支援する重要な制度です。阪神大震災を機に生まれたこの制度は、さまざまな災害発生時に、多くの被災者が利用しています。

被災時に利用できるこうした制度を多く知っていれば、もしものときに活用することはもちろん、被災した方に「こういった制度があるよ」と伝えることも可能です。さまざまな制度を利用し、1日も早い復旧・復興を目指しましょう。

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

大学・大学院にて日本語学を専攻。日本語教師を経て2018年よりライターに転身。子どもと学べる防災に関心を持ち、日々災害や備えについて勉強中。
詳しいプロフィールはこちら

目次