救急救命士になるには?仕事内容・職場・試験についても解説

本サイトはプロモーションが含まれています。

わたしたちが大きなケガや急に重い病気になったとき、心強い存在となる救急車。

救急車に乗って救命処置をしてくれる人と聞いて「救急救命士」を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。

2020年から世界中で猛威をふるったコロナ禍では、病院へ搬送困難なケースが増えるなど、ますます救急車における救助活動に注目が集まりました。

そこで今回は、救急救命士になるにはどのような方法があるのか、その仕事内容や職場・救急救命士になるための試験について調べてみました。(はじめに救急救命士について知りたい方は、こちらから確認できます)

これから救急救命士を目指す方はもちろん、わたしたちの命の危機を救護してくれる“医療の仕事”を知るキッカケとしても、ぜひ参考にご覧ください。

目次

救急救命士になるには国家試験に合格することが必須

救急救命士になるためには、救急救命士国家試験を受けて合格することが必要です。この試験は、誰でも受けられるものではなく、受験資格があります

ここでは、高校卒業後に救急救命士の受験資格を得る方法を解説します。

受験資格を得る方法は、主に次の2通りです。

◆救急救命士の受験資格を得る方法
 ➀救急救命士の受験資格がとれる学校に通う
 ➁消防士として働きながら受験資格をとる

では、それぞれ詳しくみていきましょう。

救急救命士の受験資格➀養成課程のある大学・専門学校を卒業

受験資格を得る1つ目の方法は、高校卒業後に救急救命士の養成課程がある大学や専門学校に進学し、必要な科目を学んで(2年以上)卒業することです。

高校在学中の進路を検討する際には、通える範囲や学費など、自分にあった学校をみつけることが必要になります。

インターネット上には、救急救命士の受験資格が得られる学校を検索する、いくつかのサイトがあるのですが、ここでは、大学・短期大学・専門学校の進学情報サイト「スタディサプリ」をご紹介しましょう。

スタディサプリ「救急救命士」では、エリアを指定したり学校の種別ごとの検索が可能です。また、パンフレットが請求できるほか、学校によってはオープンキャンパスの様子を動画で見ることもできます

進学を検討している方はもちろん、その保護者の方にとっても参考になるのではないでしょうか。

救急救命士の受験資格➁消防士として働きながら条件を満たす

2つ目の方法は、一度“消防士”になってから、救急救命士を目指す方法です。

消防士にはさまざまな職種があり、救急救命士になるためには次の条件をクリアしなければなりません。

消防士が救急救命士の受験資格を得るための条件
1.救急隊員として5年(または2000時間)以上の実務経験、かつ
2.救急救命士養成校で6ヶ月以上の研修を受講

では、消防士になるためにはどうすればよいのでしょうか。

消防士は各自治体の採用試験に合格することが必須

消防士は地方公務員です。そのため、消防士になるためには、各自治体で実施される消防士(消防職員・消防吏員)の採用試験に合格しなければなりません。

地方公務員であるものの、一般の公務員試験とは年齢制限などの受験資格が異なるため、受験の際はしっかり確認する必要があります。

試験の実施日も自治体によってさまざまです。消防士として就職を希望する自治体の広報誌をチェックしたり、インターネット上でも確認することができます。

いくつかサイトはありますが、公務員試験情報サイト「消防士の公務員試験日程一覧」では、検索時点で応募締切を過ぎていない日程を知ることができます。

救急隊員は消防士のさまざまな職種のうちのひとつ

先述のとおり、消防士が救急救命士の受験資格を得る条件のひとつが、救急隊員としての実務経験です。

救急隊員とは、救急車に乗ってケガ人や急病人を搬送しつつ、必要な処置をおこなう人のことですが、消防士の試験に合格したからといって、すぐ救急隊員になれるわけではありません

消防士の職種は、下記のとおりさまざまです。 

消防士の職種 
・消防隊員
・はしご隊員
・レスキュー隊員
救急隊員
・機関員
・指揮隊
・火災原因調査員
・予防課員
・航空隊員
・指令係員

キャリアガーデン「消防士の仕事」より引用

採用試験に合格すると、消防学校で必要な教育・訓練を受けた後、まずは消防隊員として働くことになります。

救急隊員になるまでには一定の時間が必要になることも、念頭においておきましょう。

救急隊員のうち1人は救急救命士でなければならない

救急救命士になるべく、救急隊員として実務経験をつむわけですが、通常救急車には3人が同乗しおり、そのうちの1人は救急救命士でなければならないとされています。

救急隊員として5年(または2000時間)以上の実務経験は長いと感じるかもしれませんが、日々の業務のなかで、実際に救急救命士の仕事を目の当たりにできることは、励みになるのではないでしょうか。

長く看護師をしてきた方が救急救命士になる道もある

1991年(平成3年)8月15日時点で次の条件に該当する方は、必要な手続きをおこなうことで救急救命士の受験資格を得ることができます。
・看護師免許を取得している
・看護師養成所を卒業していた
・看護師養成所に在籍しており、その後に卒業した

詳しくは、厚生労働省「救急救命士国家試験の受験資格認定手続きについて」から確認できます。
該当する方はご覧になってみてはいかがでしょう。

ここまで、救急救命士になるにはどうすればよいかについて、お伝えしました。

救急救命士について学ぼう

ここからは、救急救命士の仕事や職場・国家試験の内容について解説します。

救急救命士の仕事~命の危機を救う初期対応

救急救命士の仕事は、医師の指示をうけ救急救命処置をおこなうことです。

医師と同様の医療行為はできませんが、救護を必要としているケガ人や急病人に対して、命の危機を避けるために必要な初期対応をおこなう重要な役割をもっています。

かつては医療行為ができなかった救急救命士ですが、1991年(平成3年)救急救命士法が制定されたことで、一定の条件下における医療行為が認められました。しかし、それでも目の前の患者に対してできることは限定されており、もどかしくつらい思いをする救急救命士もいたと言います。

その後も法改正はおこなわれ、2014年(平成26年)には、心肺機能停止の危機にある人に対する点滴や、低血糖による意識障害がある人に対する血糖測定とブドウ糖溶液の投与が可能になりました。 

救急救命士の職場~活躍の場は消防署だけではない

このように、命の危機を避けるめに必要な初期対応をおこなう救急救命士の職場は消防署が多いものの、事故や災害下において活動する海上保安庁や自衛隊・警察なども活躍の場になります。

また、2021年(令和3年)の法改正では、救急救命士が救命処置をおこなえる場所が拡大されました。

それまで救急救命士が患者に対しておこなえるのは「病院に搬送するまでの間」だけでした。それが、法改正によって「病院到着後、患者が入院(もしくは帰宅)するまでの間」と拡大されたのです。

今後もますます、救急救命士には医療現場において重要な役割を担うことが期待されていると言えるでしょう。

日本病院救急救命士ネットワークでは、「医療機関救急救命士採用情報」に、病院からの救急救命士の求人を掲載しています。興味のある方はチェックしてみてはいかがでしょう。

救急救命士国家試験~年1回実施

救急救命士は救急救命士法にもとづく国家資格であり、試験は年1回以上、厚生労働大臣がおこなうとされています。

救急救命士国家試験の概要
・試験実施・・毎年1回
・試験場所・・北海道、東京都、愛知県、大阪府、福岡県
・試験窓口・・一般財団法人 日本救急医療財団
 (参考)厚生労働省「第46回救急救命士国家試験の施行」

試験の窓口となっている、一般財団法人 日本救急医療財団では、受験案内の送付や合格者の発表などをおこなっており、サイトには第1回試験からの合格率も掲載されています。

ちなみに、第45回(令和4年3月13日実施)の合格率は91.3%で、第46回救急救命士国家試験が令和5年3月12日に予定されています。

救急救命士の仕事を知って命の大切さをあらためて考える

今回は、医療の仕事のひとつである「救急救命士」になるための方法や仕事内容についてお伝えしました。

救急車を呼んだとき、ほかの救急隊員とともに、わたしたちの命にさいしょに向き合ってくれる存在の「救急救命士」

できる救命処置の範囲が医師とは異なるものの「命を守る仕事」であることに変わりはないでしょう。

本記事が救急救命士を目指す方の参考になるとともに、救急救命士について知ることで命の大切さを改めて考えるキッカケとなれば幸いです。

【参考文献】

e-GOV 法令検索「救急救命士法」https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=403AC0000000036

一般社団法人 日本救急医学会「救急救命士法の改正に伴う厚生労働省関係通知の改正及びガイドラインの周知について」
https://www.jaam.jp/info/2021/info-20211001.html

資格の大原「消防士(消防官)になるには?求められるスキルや採用試験の内容を解説」https://www.o-hara.jp/course/keisatsukan_shobokan/kei_column_3

帝京平成大学:コラム「救急救命士ができることって?行える医療行為や役割について解説」https://www.thu.ac.jp/column/ms_employment

神奈川県横須賀市「救急救命士が行なう処置範囲拡大について」https://www.city.yokosuka.kanagawa.jp/7427/kyumeisi_syotikakudai.html

神戸徳州会病院「時代とともに進化する救急救命士(2)」https://www.kobetokushukai.org/news/detail.php?id=184

(以上)

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

東北出身&在住フリーライター。
広告代理店・NPO・行政で勤務後、在宅ワーカーに転身。
妊娠中に東日本大震災に遭い、津波から避難・仮設住宅で子育てをする。
本サイトでは「命を守るために知っておきたいこと」「日常に潜むリスクへの備え」などについて発信します。
詳しいプロフィールはこちら

目次