「天気予報は毎日かかさずチェックする」という方も、多いのではないでしょうか。
天気予報でつかわれている言葉は、もちろん一つひとつに正確な意味があり、使い分けられています。
そこで今回は、気象庁「予報用語」から、わたしたちに身近な気象用語を取りあげ、クイズにしてみました(全10問)。
クイズをとおして気象用語の正しい意味を知り、正しく情報を入手しましょう!
気象用語クイズ(選択式)~強い雨・強い風・ひょうとは?
日々の天気予報チェックでは「雨は降るか」「風は強いか」は気になるところですね。
問題のまえに『雨量』の意味を確認します。『雨量』とは、降った雨がどこにも流れ出ないと想定して、ふった雨が“溜まった深さ”のことです。したがって「1時間雨量20mm」とは、1時間で雨が20mm溜まることを意味しています。
(参考)国土交通省 川の防災情報「雨量」
それでは、雨と風についての問題から挑戦してみましょう。
『強い雨』とは・・
はじめは、雨に関する問題です。
問題 1|『強い雨』とは、1時間雨量がどのくらいの雨のことでしょうか?
➀ 1時間に10mm以上20mm未満
➁ 1時間に20mm以上30mm未満
③ 1時間に30mm以上50mm未満
正解|➁
『強い雨』とは、「1時間に20mm以上30mm未満の雨」をさします。感覚としては、わたしたちが「どしゃぶり」と受けとめる感じです。
なお、➀と③の意味は、次のとおりです。
➀ 1時間に10mm以上20mm未満の雨は『やや強い雨』。「ザーザーと降る」感じ。
③ 1時間に30mm以上50mm未満の雨は『激しい雨』。「バケツをひっくり返したように降る」感じ。
(参考)
気象庁 天気予報等で用いる用語「降水」
気象庁 天気予報等で用いる用語「雨の強さと降り方」
次は、風に関する問題です。
『強い風』とは・・
風速の単位のひとつが「m/s(メートル毎秒)」です。“s”は英語の秒(seconds)からきており、「m/s」は秒速をあらわしています。
それでは、問題です。
問題 2|『強い風』とは、どのくらいの風速をいうのでしょうか?
➀ 風速15m/s以上20m/s未満
➁ 風速20m/s以上30m/s未満
③ 風速おおよそ30m/s以上
正解|➀
『強い風』とは、「風速15m/s以上20m/s未満の風」をさします。人への影響は「風にむかって歩けなくなり、転倒する人もでる」ほどです。
なお、➁と③の意味は、次のとおりです。
➁ 風速20m/s以上30m/s未満の風は『非常に強い風』。
③ 風速おおよそ30m/s以上の風は『猛烈な風(※)』。(※)風速おおよそ30m/s以上、または最大瞬間風速が50m/s以上の風のこと。
(参考)
気象庁 天気予報等で用いる用語「風」
気象庁 天気予報等で用いる用語「風の強さと吹き方」
『ひょう』の条件は・・
次は、ひょうの大きさに関する問題です。
問題 3|『ひょう』は、直径何mm以上の氷の塊をさすでしょうか?
➀ 3mm以上
➁ 5mm以上
③ 7mm以上
正解|➁
『ひょう』は、積乱雲から降る「直径5mm以上」の氷の塊をいいます。
2022年8月30日スペインのカタルーニャ州では、頭にひょうが直撃した1歳8ヶ月の子どもが亡くなりました。ほかにも50人ほどが骨折の被害をうけました。ひょうは大きいものでは、直径10cmのものもあったとされています。
(参考)
気象庁 天気予報等で用いる用語「降水」
テレ朝NEWS「“10cm巨大ひょう”頭直撃…1歳女児死亡 スペイン」
気象用語クイズ(○×式)~台風・真夏日・真冬日・乾燥した空気とは?
ここからは、○×式クイズの問題です。
はじめは台風の条件についてです。さきほど『強い風』の風速を学びましたが、台風の場合はどうなのでしょうか。
『台風』の条件とは・・
問題 4|台風の風の条件は「最大風速(10分間平均)がおよそ15m/s以上のもの」である。
正解|×
台風と言うためには、最大風速(10分間平均)がおよそ「17m/s以上」でなければなりません。
台風の定義は次のとおりです
・熱帯低気圧が北西太平洋または南シナ海に存在し、かつ
・低気圧域内の最大風速(10分間平均)がおよそ17m/s(34ノット、風力8)以上
定義上は17m/s以上ですが、ご承知のとおり台風はそれ以上の暴風をともないます。天気予報では台風の進路や大きさなどもチェックすることが大切ですね。
(参考)気象庁「台風とは」
次は、気温に関する問題です。
『真夏日』とは・・
夏の天気予報では「今日は真夏日となりそうです」などと聞きますが・・。
問題 5|『真夏日』は、一日の最高気温が「25度以上」の日のことである。
正解|×
『真夏日』とは、1日の最高気温が「30度以上」の日をいいます。25度以上は「夏日」であり、35度以上が「猛暑日」となります。今年(2022年)6月25日東京都心で35.4度となり、東京が猛暑日となった最も早い日付となりました。同日には、群馬県伊勢崎市で40.2度を記録し、観測史上はじめて6月に40度となりました。
(参考)
気象庁 天気予報等で用いる用語「気温、湿度」
ウエザーニュース「群馬県伊勢崎で40℃観測 今年全国初、6月としては史上初 熱中症予防を」
では、冬はどうでしょう。
『真冬日』とは・・
問題 6|『真冬日』は、一日の最高気温が0度未満の日のことである。
正解|○
ポイントは“最高”気温という点です。“最高”気温が0度未満は『真冬日』であり、“最低”気温が0度未満の日になると「冬日」とよばれます。ちょっとややこしいですが、この機会に覚えておきたいですね。
次は「湿度」に関する問題です。
『乾燥した(渇いた)空気』とは・・
冬の天気予報では、火災予防の観点から乾燥についても取りあげられますが・・。
問題 7|『乾燥した(渇いた)空気』とは、湿度が「およそ50%未満」の状態をいう。
正解|○
空気中の湿度が半分を満たしていない状態を『乾燥(渇いた)空気』としているのですね。
湿度は、高すぎてもカビやダニの発生につながり、逆に低すぎてもウイルスが活発になってしまいます。いずれも人の体に影響を及ぼします。快適な湿度は40~60%とされているので、湿度計をチェックするとよいですね。
気象用語クイズ(○×式)~天気が崩れる・数日・明け方とは?
最後は、天気と時間の問題に挑戦してみましょう。
『天気が崩れる』とは・・
はじめは、天気に関する問題です。
問題 8|『天気が崩れる』とは「晴れから曇り、または曇りから雨(雪)に変わる天気」の傾向を言う。
正解|×
『天気が崩れる』とは「雨または雪などの降水をともなう天気になること」です。
問題文の「晴れから曇り、または曇りから雨(雪)に変わる天気」とは、『天気が下り坂』と表現されます。
『数日』とは・・
次は『数日』についてです。
この言葉は、日常会話でも比較的つかわれますが、気象用語としての意味はどうなのでしょう・・。
問題 9|『数日』とは、2~3日のことを指す。
正解|×
『数日』とは「4~5日程度」の期間をさします。「2~3日」をイメージする方が多いのではないでしょうか。
気象用語では『数日』とは別に『2~3日』があります。意味は「今日を含めて2~3日」であり、たとえば「ここ2~3日は気温が低い」などのように、具体的につかわれているようです。
最後は、時間に関する問題です。
『明け方』とは・・
天気予報では「台風は明け方には本州に上陸し・・」などと聞くことがありますが・・。
問題 10|『明け方』とは、午前3時頃~6時頃までを言う。
正解|○
気象庁でも厳密に“何時”とは断定してはいません。日没・日の出の時刻は日々変わることを考えれば、文字通り「夜が明ける頃」というイメージで捉えるとよさそうですね。
なお、明け方の前後である、午前0時~午前3時頃までは『未明』、午前6時頃~9時頃までが『朝』とされています。
言葉の意味を正しく知り、正しい情報を得よう!
災害時に大切なことの一つに「正しい情報を得る」ことがあります。
災害下では、避難所の開設や給水情報など、避難生活に必要なさまざまな情報が発表されます。しかし、なかにはウワサやデマもあるため、災害下における情報のとりあつかいは、いつも以上に注意が必要です。
そのため、ふだんから「この言葉の正しい意味は?」「情報のでどころは?」と意識しておくことは、災害下であっても冷静に正しい情報をうけとるための訓練にも自然となるのではないでしょうか。
今回のクイズが、その少しのお役になれば幸いです。
(以上)