毎年9月1日は「防災の日」ですが、防災の日をふくむ「8月30日~9月5日」は『防災週間』とされています。
ですが、防災週間と言われても「なにをしたらいいかわからない・・」ということもあるのではないでしょうか?
そこで今回は、一般社団法人 日本記念日協会(以下、日本記念日協会)に登録されたなかから、「防災にまつわる記念日」をいくつか取りあげてご紹介します。
江戸・大正・平成それぞれの時代で発生した“大災害”についても解説するので、災害の知識を得つつ、記念日を活用しながら防災対策にとり組むことができるようになるかもしれませんよ。
ぜひ最後までご覧ください。
阪神淡路大震災にちなんで制定された記念日
阪神淡路大震災は、1995年(平成7年)1月17日に発生。地震の規模はマグニチュード7.3、最大震度7であり、死者行方不明者は6,437名にのぼりました。
1月17日『防災とボランティアの日』
阪神淡路大震災が発生した同年12月、内閣の了解によって『防災とボランティアの日』が制定されました。
阪神淡路大震災では、多くの人がボランティアとして活動し、社会が「ボランティア」に関心をもつきっかけとなったのです。この年を機に、ボランティアに関する法整備などがすすめらた一方、課題も明らかとなり、同年は「ボランティア元年」とよばれ、日本におけるボランティア活動の転機の年と言うことができるのです。
また例年「1月15日~21日」は『防災とボランティア週間』となっています。わたしたち一人ひとりがみずから防災活動にとりくむこと、災害時のボランティア活動が広く広まることを目的に、さまざまなイベント等が展開されます。
(参考元)
内閣府 防災情報のページ「阪神・淡路大震災教訓情報資料集阪神・淡路大震災の概要」
内閣府 防災情報のページ「防災とボランティアの日」及び「防災とボランティア週間」について
東日本大震災にちなんで制定された記念日
東日本大震災は、2011年(平成23年)3月11日に発生。地震の規模はマグニチュード9.0、最大震度7であり、日本国内観測史上最大かつ世界4番目の規模とされています。
岩手県・宮城県・福島県を中心に大津波(岩手県宮古市で8.5m以上、宮城県女川漁港で14.8mの痕跡、福島県相馬市で9.3mなど)が襲い、死者行方不明者約22,500名の多くが津波の犠牲者とされています。
3月11日『防災意識を育てる日』
インターネットラジオ局の(株)渋谷クロスFMが制定した記念日。
同社は【渋谷で一番の情報発信基地】をめざし、毎日お昼12時から23時まで生放送を展開中。さらに【一つの情報で救える命が必ずある】をモットーにかかげ、“防災への意識づけ”の普及に向けた、さまざまな情報を発信しつづけています。
3月11日『送る防災の日』
ヤフー株式会社が運営するエールマーケットが制定した記念日。
同社は【人・社会、地域、環境にやさしいエシカル商品を応援するお買い物メディア】として、食品のほか日用品・ベビー雑貨、ペット用品にいたるまで、幅広い商品を販売しています。
サイト上には【いつもともしもに寄り添うギフト「#おくる防災」 大切な人を守るために】と題した特集ページがあり、おいしい防災食やおすすめの防災ギフトが紹介されています。
インターネット上の防災・防犯のために制定
6月9日『サイバー防災の日』
LINE株式会社が制定した記念日で、鍵をかける「ロック」の語呂合わせから、6月9日を制定。
自宅に鍵をかけるように、インターネット上でも安心安全な利用のため、防災・防犯意識をもつ(鍵をロックする)ことの必要性を伝えています。
同社のほか、インターネットおよび通信事業会社でつくられたサイト「サイバー防災」では、アカウント乗っ取りの被害にあわないために必要なことを、ミッションをクリアするというゲーム感覚で学ぶことができます。
災害の減災を七夕に願いをこめて制定
「平成30年7月豪雨」とよばれる災害が、2018年(平成30年)7月3日~8日にかけて、西日本・東海地方を中心に発生。ライフライン、インフラともに甚大な被害が発生し、死者行方不明者は232名となったのです。
(参考元) 平成30年7月豪雨による水害・土砂災害からの 避難に関するワーキンググループ「平成30年7月豪雨の概要」平成30年12月
7月7日『みんなで土砂災害の減災を願う日』
徳島県小松島市の有志(※)で結成された記念日。日付は、この日に“想定外の土砂災害が多発した”ことと、七夕の夜に“安全に夜空を見上げられることを祈って”との想いによります。※「7月7日『みんなで土砂災害の減災を願う日』記念日推進会」
気象庁は、2022年6月1日から線状降水帯の予測情報を発表しています。線状降水帯が発生すると大雨による災害の危険が急激に高まることがあるため、このような情報を生かし減災にとり組むことも大切です。
関東大震災にちなんだ記念日は防災の日だけではない
関東大震災は、1923(大正12)年9月1日に発生。地震の規模はマグニチュード7.9と推定され、被害は南関東から東海地域の広範囲におよび、死者は105,385名と甚大な被害をもたらしました。
(参考元)内閣府 防災情報のページ「報告書(1923 関東大震災)」
9月1日(12/1・3/1・6/1)『防災用品点検の日』
防災システム研究所の山村武彦氏が提唱して制定された記念日。この記念日は、9月1日だけでなく、季節の変わり目となる3ヶ月おきの「12月・3月・6月(いずれも1日)」が登録されており、年に4回あります。
防災用品は頻繁につかうものでもないため「備えっぱなし」になってしまうことも。いざという時に「電池が切れている」「使い方がわからない」といったことにならないよう、定期的に点検することが大切です。
江戸時代の津波から命を守ったひとりの行動にちなみ制定
11月5日『津波防災の日』
津波による甚大な被害をもたらした東日本大震災が発生した2011年、津波対策についての理解と関心を深めるために、「津波防災の日」が法律に規定されました。
日付は、江戸時代(1854年)伊豆から四国にかけて発生した「安政南海地震の日」からとっており、この地震では最大震度6強(推定)、最高15mという津波が襲来したのです。
このとき、逃げ遅れている人を見つけた男性(濱口梧陵:はまぐちごりょう)が、刈り取った稲にともした炎によって、避難を誘導したとされています。
記念日から“災害を知る”こともひとつの防災
今回は、日本記念日協会に登録された記念日から、防災にまるわるものをいくつか取りあげました。それぞれの記念日には「災害による被害をなくしたい」という人々の想いを感じることができます。
“防災”と聞くと「難しい・・」「面倒くさい」と感じることがあるかもしれません。
ですが、記念日のもととなった“災害を知る”、そして、記念日に込められた“想いを感じる”ことも、大切なひとつの「防災への取り組み」と言うことができるのではないでしょうか。
(以上)