「在宅避難」という言葉を聞いたことがありますか?
コロナ渦の今、大勢の人が避難所へ集中することを防ぐために政府でも「在宅避難」を推奨しています。
また、人口の多い地域では人が一箇所に集中してしまい、避難所へ入れないケースもあるので、今後皆さんも「在宅避難」を選択すべき状況があるかもしれません。
今回は「在宅避難」について解説します。
在宅避難とは、災害時に安全な自宅で生活を継続させること
コロナ禍の今、災害時に一箇所へ大勢の人が集まり感染症が広がるリスクを下げるとして、分散避難に注目が集まっています。
(https://bousai.nishinippon.co.jp/665/)
在宅避難は、分散避難の選択肢の一つです。
災害が起こった際に、避難所へ避難をせずに自宅での生活を継続することを言います。
在宅避難のメリット
在宅避難をすることにおけるメリットをご紹介します。
普段の生活と変わらない環境で過ごすことができる
自宅で過ごすことで他人に気を遣うことがなく、プライバシーの面でのストレスがありません。また、生活の場が普段と同じ環境という安心感があります。
感染症のリスクが低い
避難所では、避難した方々と同じ空間で過ごすことやトイレの共用などにより感染リスクが高まります。自宅にいることで、感染リスクを回避することができます。
ペットや小さい子どもがいる場合のストレス軽減
ペットがいる場合は、ペット同伴可の避難所を探して避難することへのストレスが減ります。
自治体によってはペット同伴可の避難所を設けていない場合もあるので、事前に確認しましょう。
ペット同伴可の避難所の場合でも、飼い主だけでなく、ペットにとっても環境の変化によるストレスが大きく掛かります。
小さい子どもがいる場合も、周囲へ迷惑をかけるのではないかという心配がなくなるので、家族にとって環境が変わらず過ごせることは大きなメリットになります。
在宅避難のデメリット
在宅避難をすることにおけるデメリットをご紹介します。
生活物資の支給をすぐに受けられない
避難所では食料などの物資の支援をすぐに受け取ることができますが、在宅避難をする場合は自分で備蓄する必要があります。
電気、ガス、水道が使えない可能性がある
災害によっては、自宅のライフラインが止まってしまう可能性があります。このような場合も想定した準備が必要となります。
最新情報を得ることが難しいケースも
避難所では災害の情報がすぐに入ってきますが、在宅避難の場合は最新情報を得ることが難しくなるケースもあります。
在宅避難を選択するために必要な準備
備蓄を用意する
自宅で過ごすために、最低3日分の食料、可能であれば1週間分の食料備蓄をしておきましょう。
内閣府では首都直下地震等による東京の被害想定を公表しており、各ライフラインの復旧目標日数は、電気6日、上水道30日、ガス55日となっています。
懐中電灯や電池、充電器の準備、水のストックや給水タンクや給水袋の準備、カセットコンロやガスボンベなどの準備があると安心です。
室内を安全にする
安心して自宅で生活をするために、室内の安全を保つ必要があります。以下の点に普段から気をつけましょう。
・落下しやすい場所に物を置かない。
・ドアや窓などの避難するための出入口が塞がらないように、家具などの配置を工夫する。
・家具が転倒や移動しないように固定する。
・動く可能性があるものは、滑り止めを付けたりベルトなどで繋ぐ。
ハザードマップで、避難しなくても良い災害を知る
ハザードマップで、自宅の周辺ではどのような災害が起こる可能性があるのかを確認し、在宅避難が可能な災害、すぐに避難が必要な災害について確認、想定をする必要があります。
確認したことや想定される行動について、家族間で事前に情報共有しておくと安心です。
在宅避難と判断するための4つのポイント
災害発生時に、在宅避難が可能かどうか判断するためのポイントをご紹介します。
1.自治体の避難指示、勧告を確認する。
2.周辺道路が移動可能かどうか、確認をする。
3.家屋の被害状況を見て、引き続き生活できるかどうか確認する。
4.自宅、周辺の家に倒壊、火災の恐れがないかどうか確認する。
災害時には、咄嗟の判断が必要となります。少しでも危険を感じる場合には、すぐに安全な場所へ避難をしましょう。
在宅避難ができる準備をして、避難の選択肢を増やす
いかがでしたか?
今回は「在宅避難」についてご紹介しました。
在宅避難も、避難所も、メリットとデメリットがあります。
自宅と避難所との行き来が可能な場合は、自宅で過ごしながら避難所で情報収集をしたり物資を受け取るなど、時にはどちらも選択することができます。
大切なのは、固定概念に囚われず選択肢をいくつか持っておくということです。
最近ではコロナ禍により「おうちキャンプ」が流行していますね。
在宅避難中にライフラインがストップしてしまったときの練習として、家の水道、電気、ガスを使用せずに過ごす「おうちキャンプ」をすることも、災害に備えた立派な準備となります。
事前に備蓄や住宅の安全管理をして、災害時の選択肢を増やし災害時にも安心して過ごせるような準備をしておきましょう!