アイスバーンとは路面が凍っている状態のことです。
雪が降りつもっている雪道ではなく「凍っている」ため、車の走行や歩くとき気をつけないと事故や転倒をひきおこす危険があります。
そこで今回は、アイスバーンの路面を運転するとき歩くときの注意点を、「いつもとどう変えたらいいのか」という視点からお伝えします。
本記事を参考に、冬の時期を安全に過ごしていただければ幸いです。
アイスバーンを運転するまえに知っておきたいこと
車を運転する注意点のまえに、まずはアイスバーンを運転するときの大前提として、知っておきたい2つのことをお伝えします。
滑らないための対策をとることが義務づけられている
雪があまり降らない地域では、冬でもノーマルタイヤということがあるでしょう。ですが、帰省などで雪道やアイスバーンを走行するとき、そのまま何も対策を取らないで走行することは法律違反になってしまいます。
それは、各都道府県(沖縄県をのぞく)が規則で定めているので、違反は罰則の対象となります。
滑らないための対策には、スタッドレスタイヤのほかチェーンもありますね。最近は着脱が簡単とされる布製のチェーンも販売されているので、まずは雪道・アイスバーンを安全に走行するための準備をしましょう。
なお、各都道府県(沖縄県をのぞく)の規則(抜粋)は、一般社団法人日本自動車タイヤ協会「冬道走行とタイヤ」から確認できます。
スタッドレスタイヤだからと過信しない
スタッドレスタイヤを履いていれば、100%滑らないというものではありません。
実際、東北地方に住んでいる筆者は、毎年スタッドレスタイヤに履き替え、アイスバーンを走行することもありますが、多少なりとも滑ります。
したがって、スタッドレスタイヤをつけているから大丈夫と過信せず、天候や路面の状況によっては滑ることもあることを念頭にいれておきましょう。
ここまで、アイスバーンを走行する際の大前提を確認しました。では次に、具体的な運転のコツをみていきましょう。
アイスバーンの運転で心がけたい3つのこと
アイスバーンの走行には車同士の事故だけでなく、歩行者も巻き込んでしまう危険性があります。
ここでは、アイスバーンの運転で心がけたいことを「いつもの運転とどう変えたらよいのか」という点から3つお伝えします。
いつもより「ゆっくり走る」急がない
スピードを出しすぎないことは、雪道運転の基本といえるでしょう。「これくらい大丈夫」という過信は事故をまねきかねません。
とくに、アイスバーンには、路面が凍っていないように見えても凍っている「ブラックアイスバーン」という状態があります。
スピードは出しすぎず「いつもより慎重にゆっくり」を心がけましょう。
いつもより「ゆっくりアクセルを踏む」急発進をさける
発進時に急にアクセルを踏むと、タイヤが空転してスリップする危険があります。
また、交差点や店舗の入口など、一度スピードを落としてからアクセルを踏み直す操作をする場所でも、いつもの感覚で踏み込むと滑ってしまうことも。
アイスバーンでは、いつもよりゆっくり「じわりじわり」とアクセルを踏みましょう。
いつもより「車間距離を長くとる」急ブレーキをさける
アイスバーンの走行では、停止するまでの距離が長く必要になるだけでなく、思いがけずスリップすることも十分あり得ます。
自分の運転でほかの車を事故に巻き込んでしまわないよう、また、前方の車がスリップしたとき対処できる余裕がとれるくらい、車間距離は長くとるようにしましょう。
ここまで、アイスバーンの運転で心がけたい3つのことをお伝えしました。
車の運転はアイスバーンにかぎらず、いつでも細心の注意をはらわなければいけませんが、「いつもよりさらに気をつけて」安全な走行を意識しましょう。
(参考:ホンダレンタカー「アイスバーンとは?北海道で運転する際の注意点やコツをチェック」)
アイスバーンや雪道を歩くときの注意点
一般的に、「アイスバーン」という言葉は車道に対してつかわれることが多いでしょう。ですが、道路とおなじアスファルトの横断歩道などでも、路面が凍っていれば転倒の危険があるため、歩くときにも注意が必要です。
まずは、滑りにくい靴や滑り止めの装着など雪道に備えた靴選びが大切です。そのうえで、ここにご紹介する歩き方を意識してみましょう。
靴の裏全体で着地する
かかとからの着地は滑りやすく危険なため、靴の裏全体をつけて歩くようにしましょう。
歩き始めは膝を斜め上にもちあげ、足の裏全体で着地するイメージです。
慣れないと恥ずかしさがあるかもしれませんが、転んでケガをしてから後悔するのは避けたいですね。
いつもより「歩幅を小さく」
歩幅が大きいとバランスが崩れやすく、転倒につながりやすくなります。
歩幅を小さく「ちょこちょこ」と少しずつ進むようにするのが良いでしょう。
いつもより「ゆっくり歩く」
急いで歩くと凍っているところに気付かなかったり、無意識ながらいつもの歩き方をしてしまう可能性があります。
焦らずにゆっくり歩くことを心がけましょう。
ここまで、アイスバーン・雪道での歩き方をお伝えしましたが、気をつけていても雪道で転倒するリスクはゼロではありません。転倒への備えとして、帽子をかぶるとより安心かもしれませんね。
(参考:ウインターライフ推進協議会 「転ばないコツおしえます。札幌発!冬みちを安全・快適に歩くための総合情報サイト」)
アイスバーンでは「いつもより時間に余裕」をもって
アイスバーンでは、車の走行でも歩くときでも時間がかかるものです。また、雪の影響で交通機関に遅れや運休が生じる可能性もあります。
今回お伝えした「いつもより気をつけること」を実践するうえでは、「いつもより早めに家を出発」して、時間的な余裕をもつことも大切です。
時間的な余裕は、気持ちの余裕にもつながるでしょう。
車のドライバーも歩行者も、みんなで安全に今年の冬をのりこえていきましょう。
(以上)