竜巻は激しい渦巻き状の突風。特徴、前兆、予測情報を知り避難しよう

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竜巻は「日本ではあまり起こらない」と思う人もいるかもしれませんね。

しかし、日本では夏から秋にかけ、平均すると1週間に1回は起きており、発生するとその被害は非常に大きなものとなっています。竜巻は、地震とは違い発生のサインもあります。

今回は、日本の竜巻の特徴、発生の前兆と予測、そして避難行動について、お伝えします。

目次

竜巻とは下から上へ渦を巻きながら登っていく強風

竜巻とは、発達した積乱雲に伴う、強い上昇気流によって発生する、激しい渦巻のことです。上昇気流とは「下から上に登っていく空気の動き」のことを言います。

積乱雲とは、雲の中でも空の低いところにでき白くてモクモクと見えます。強い雨や雷を発生させる雲として知られています。

黒い煙から大きな塊となって迫ってくる

2012年5月6日、茨城県つくば市で発生した竜巻の映像をご紹介します。

最初は、細くて黒い縦長のものが、黒い煙のようにも見える雲とともに見えます。しかし、その後、周りの物をまき散らしながら、大きな塊となって迫ってくる様子が映っています。

気象庁の防災啓発ビデオ「急な大雨・雷・竜巻から身を守ろう!」

 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/cb_saigai_dvd/sub6.html

竜巻は局所的に非常に大きな被害をもたらす 

気象庁は、竜巻などの突風に関する情報を「竜巻等の突風データベース」として整備しています。

この中に「最近発生した事例一覧(速報)」があります。

 2021年7月現在、最新の事例は2021年5月に静岡県牧之原市で発生した竜巻です。

風速55メートル、直径は220m、被害は1.2Kmに及びました。住居の一部損壊が39棟、非住居では全壊が2棟、一部損壊が10棟だったのです。

「ウエザーニュース」では、竜巻の風速や大きさについて、次のように述べています。

竜巻の大きさはさまざまで、小さいものは直径10m程度ですが、多くは直径100mから600mとなります。

また、被害状況から風速100m/sを超えていると推定されるものまであり、その風は台風以上に強く、破壊力は気象現象の中で最大と言われています。

ウエザーニュース「知ってる?竜巻とつむじ風の違い

このように竜巻は、比較的狭い範囲において、非常に強い破壊力による被害をもたらすものなのです。

<特徴>竜巻は夏から秋の午後に発生しやすい

7月から11月は毎週どこかで発生している

同じく気象庁のデータでは、1991年から2017年までの月別の発生確認数をまとめています。

すると、7月から11月の5か月間で、全体の70%を占めていました。最も多かったのは9月で、7月の2倍以上の件数となっています。

さらに、先ほどの「最近発生した事例一覧(速報)」をみると、2020年7月から11月の間に、明らかに竜巻として確認された件数は25件。

平均すると、1週間に1回はどこかで竜巻が発生している計算になります。

お昼から夕方がもっとも多い

次に、1時間ごとの発生件数が集計されてい発生時刻別の確認数です。

最も多かったのは13時から14時と、15時から16時、それぞれ35件でした。時間を区切ってみてみると、次のようになります。

・24時から正午までの12時間で、187件

・正午から18時までの6時間で、190件

・18時から24時までの6時間で、 72件

つまり、竜巻は、ほかの時間帯に比べると、圧倒的に「お昼から夕方」にかけて発生しているのです。

<前兆>竜巻の発生を知らせるサインを見逃さない!

では、次に竜巻発生の前兆とその予測について、気象庁のリーフレット「竜巻から身を守る」をもとに解説します。

竜巻が発生するサインを事前に知っておくことは、その被害を最小限におさえることにつながります。

竜巻が遠くにある

 ・雷の音が聞こえる

 ・空が急に暗くなる

竜巻を発生させる積乱雲が、空に覆いかぶさるように広がり日中でも暗くなります。

近づいてきている

 ・冷たい風を感じる

 ・草や土の匂い、アスファルトなどの”むわっ”とした独特の匂いを感じる

 ・雹(ひょう)が降ってくる

人間は匂いに関しては「気のせいかな」と思ってしまうこともあります。あとで後悔しないしたいためにも、このようなサインをしっかりと受け止め、避難行動をとりましょう。

もう目の前に迫っている

 ・ゴーという音が聞こえる

 ・小石などが飛んでくる

 ・耳鳴りがする

  耳鳴りは、急な気圧の変化でおきることがあります

 いつもとは「明らかに違う」様子です。先ほどの気象庁の映像でも、小石などが飛んでいる様子を見ることができます。

竜巻の発生を知る手がかりは、これらのサインだけではありません。天気予報などによる発生予測の情報も、合わせて把握しておくことが大切です。

<予測>発生前日から知ることができる

気象庁は、竜巻発生の可能性に応じて、段階的に情報を発表しています。地震は、発生直前に緊急地震速報が発表されますが、竜巻はそれよりも前に、発生の可能性を知ることができます。

段階①「半日~1日前」 気象情報に竜巻と明言される

発生の前日には、竜巻が発生しやすい気象状況にあるかどうかを確認することができます。気象情報では「竜巻などの激しい突風のおそれ」というように、竜巻という言葉を出して、注意を呼びかけます。

段階②「数時間前」 雷注意報においても”竜巻”と明言される

雷注意報だからといって、雷だけと受け止めず、竜巻にも注意しましょう。

段階③「0~1時間前」 竜巻注意情報が発表される

竜巻注意情報とは、竜巻が「まさに発生しやすい状況」にあることを伝えるものです。

空の様子を確認し、竜巻発生のサインがあった際には、いち早く安全な場所へと避難しましょう。 

具体的な発生予測地域を確認できる「竜巻発生確度ナウキャスト」

竜巻発生確度ナウキャストとは、気象庁のサイト上で、1時間後までの発生を予測しているものです。10分ごとに更新され、地図上に予測地域が色付けされるため、一目で確認することができます。

<避難>屋外は建物内へ屋内では壁から離れる

避難行動について、NHKそなえる防災「第6回 竜巻の前兆を知って身を守るためには」からも合わせてお伝えします

屋外にいたら、丈夫な建物の中に入る

一刻も早く、建物の中に避難することが大事ですが、注意する建物や避難行動があります。

物置や車庫、プレハブの建物はダメ!

飛ばされる危険があるので、避難場所としてはふさわしくありません。

電柱や木にしがみつくだけではダメ!

竜巻の力は凄まじく、人は簡単に飛ばされてしまいます。

車の中に避難はダメ!

竜巻のときは、車も転がってしまいます。車を安全な場所に移動、周囲の安全を確認し、建物の中に避難しましょう。

屋内では窓から離れ風通しの悪い場所で身を潜める

建物の中でも安心はできません。地下や1階の風通しの悪い所で身を小さくして頭を守ります。

窓、カーテン、雨戸は閉める!

窓が開いていると、竜巻によって飛ばされている物が、家の中に入ってくる危険があります。強い勢いで飛ばされてきたものは、重大なケガのもとになります。

壁、窓から離れる!

竜巻で巻き上げられた木材などが、家の壁に刺さることもあるため、壁際も安全ではありません。

トイレ、バスタブに避難!

トイレや浴室は、家の中の風通しが悪い場所といえるでしょう。浴室では、浴室内ではなく「バスタブの中」がベストです。

アメリカでは家自体は飛ばされても、バスタブの中に身を潜めていたため助かった」という事例もよくあるようです。

まとめ

竜巻は地震とは違い、その発生時期や時間帯に特徴があります。また、台風や雷のように天気予報をチェックすることで、発生の可能性も知ることができます。身近に感じにくい竜巻だからこそ、事前に知りその発生に備えることが大切です。

【引用元URL】

気象庁の防災啓発ビデオ  https://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/cb_saigai_dvd/sub6.html

気象庁は「竜巻等の突風データベース」http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/tornado/index.html

気象庁「最近発生した事例一覧(速報)」 http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/tornado/new/list_new.html

気象庁「月別の発生確認数」 http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/tornado/stats/monthly.html

気象庁「発生時刻別の確認数」 http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/tornado/stats/hourly.html

気象庁「竜巻から身を守る」 http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/toppuu/tornado4-3.html

NHKそなえる防災「第6回 竜巻の前兆を知って身を守るためには」 https://www.nhk.or.jp/sonae/column/20130711.html

ウエザーニュース「竜巻の前兆現象や身を守る方法はhttps://weathernews.jp/s/topics/201809/180115/https://www.nhk.or.jp/sonae/column/20130711.html

NHKそなえる防災「落雷・突風」 https://www.nhk.or.jp/sonae/column/rakurai.html

【参考文献】

内閣府「竜巻ポータルサイト」 http://www.jma.go.jp/jma/menu/tatsumaki-portal.html

ウエザーニュース「知ってる?竜巻とつむじ風の違い」 https://weathernews.jp/s/topics/201808/150205/

HondaKids「ふしぎな雲はなんの知らせ?雲から天気を読む方法」 https://www.honda.co.jp/kids/explore/cloud/

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

東北出身&在住フリーライター。
広告代理店・NPO・行政で勤務後、在宅ワーカーに転身。
妊娠中に東日本大震災に遭い、津波から避難・仮設住宅で子育てをする。
本サイトでは「命を守るために知っておきたいこと」「日常に潜むリスクへの備え」などについて発信します。
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