5月末より、気象庁と国土交通省が発表する防災指標に変更点があるのをご存じですか?
これまでよりもさらに警戒を強め、改善され、私たちへいち早く危険をお知らせしてくれます。
受け手の私たちもまずは「知る」ことが大切です。届いた情報を活かして防災対策をしていく必要があります。
ぜひ参考にしてみてください。
「線状降水帯」による大雨の可能性を半日前から発表
出典:https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001482042.pdf
近年頻発している「線状降水帯」による被害を軽減するために、2022年6月1日より線状降水帯予測が開始されることになりました。
大雨の事態に備え、気象庁より半日前から私たちへ情報が提供されるようになります。
まずは大まかな地方ごとの予測からスタートしますが、令和11年には細かく市町村ごとに予測を発表することを目指しているそうです。
半日前から大雨の可能性が伝わってくると・・
大雨発生時までに約12時間あるので、適切に準備、そしてしっかりと危機感を持って備えることができます。
この発表の存在を知ることで、天気が崩れる日など「発表が出るかもしれない」と心構えすることもできますよね。
出典:気象庁 https://www.jma.go.jp/jma/press/2204/28a/senjoukousuitaiyosoku20220428.html
キキクル(危険度分布)の警戒レベル「黒」の新設と「うす紫」と「濃い紫」の統合
出典:https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001482042.pdf
土砂や浸水、洪水災害の危険度を知らせてくれる「キキクル」。
2022年6月30日より「キキクル」が表す、警戒レベルの「色」が変わります。
これまでは、以下のように警戒レベルが色別で表記されていました。
・「極めて危険」→濃い紫色
・「非常に危険」→うす紫色:レベル4相当
・「警戒」→赤色:レベル3相当
・「注意」→黄色:レベル2相当
・「今後の情報等に留意」→無色
今後(2022年6月30日より開始)は、以下に変更されます。
・「災害切迫」→黒色:レベル5相当
・「危険」→紫色(これまでのうす紫色と濃い紫色の統合):レベル4相当
・「警戒」→赤色:レベル3相当
・「注意」→黄色:レベル2相当
・「今後の情報等に留意」→白色
新しく黒色の表記が追加されました。
この黒色のキキクルが表記された際には、すでに大雨による災害が発生している可能性が高い状況となります。
「黒色」を待たずに、「紫色」の段階で、安全な場所へ避難するということがポイントです。
出典:気象庁 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/newstage.html
大雨特別警報(浸水害)の指標の改善
出典:https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001482042.pdf
2022年6月30日より、大雨特別警報(浸水害)の指標が改善されます。
これまで、大雨特別警報(浸水害)の発表をしたものの多大な被害には至らなかった事例、また一方で、大雨特別警報(浸水害)の発表をしなかったものの、多大な被害が発生してしまった事例が多くみられていることから、この度改善されることになりました。
この改善は、前項の「キククル」の危険度分布に関係しているものです。黒色キキクルの「災害切迫」を表す警戒レベル5相当の状況下において、大雨特別警報(浸水害)の指標をより適合させるように、発表する指標や基準値を新たに設定する、という内容となります。
これにより、以下の3つの効果が期待されます!
・大雨特別警報(浸水害)の対象地域を大幅に絞り込んだ発表ができることが見込まれる。
・島しょ部(大きい島や小さい島、さまざまな島がある地域)など狭い地域に対する警報の発表が可能となる。
・警戒レベル5相当の情報の信頼度を高め、住民や自治体等の防災対応を強力に支援する。
高潮警報の内陸市町村での運用追加
出典:https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001482042.pdf
2022年5月26日より、これまで高潮警報を運用していなかった内陸の市町村に対しても、高潮氾濫発生情報の運用を開始することになりました。
これまでよりも広い範囲へ警報を出すことで、災害発生時の被害を大幅に軽減することが見込まれます。
私たちも自分の地域だけでなく、周辺地域の情報へも注目するようにすると災害時の安全性が高まります!
指定河川洪水予報の氾濫危険情報を予測の段階で発表
出典:https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001482042.pdf
現在は、河川の水位が氾濫危険水位に到達した場合に、氾濫危険情報を発表しているのですが、2022年6月13日より、河川の水位が急激に上昇し3時間以内に、氾濫する可能性のある水位に到達する見通しとなった場合は、予測に基づいて氾濫危険情報を発表することになりました。
この改善により、急激な水位上昇に対応し、これまでの運用より早い段階から警戒を呼びかけることが可能になり、災害時の被害を抑えることができると見込まれています。
気象庁と国土交通省の防災指標のアップデートを
今後も改善されていくであろう、防災指標。
事前に情報や内容を知ることで、災害発生時に自分の行動が見えてきたり、準備ができるようになります。
気象庁や国土交通省のホームページの情報をぜひチェックしてみてください!
情報を待つこともひとつの方法ですが、自分から知ることも大切なことです。
ご家族や周りの方にも共有して、災害時に備えましょう。