日本は地震が多い国といわれており、各地で地震が発生しています。
今回は、地球の構造から地震が起きる仕組みをひもときながら、地震の種類、震度とマグニチュードの違いについてお伝えします。
地球はどのような作りになっているのか?
まず、地球がどのようにつくられているのかみていきましょう。
地球は3層構造
ゆで卵を想像してみましょう。真ん中には黄身があり、それを囲むかたちで白身があり、そして殻が表面になっていますね。地球もこれと似たようなつくりで、中心から核、マントル、プレートとなっています。
核
地球の中心には鉄でできた「核」があります。温度は5000度から6000度と非常に高く、太陽の表面と同じくらいだといいます。
マントル
「マントル」は岩石が熱によってドロドロに溶けており、下部マントルと上部マントルに分けられます。下部マントルが熱くなると上部に沸き上がる動きとなり、反対に冷たくなると沈み込むのです。
プレート
「マントル」の上には「プレート」があります。厳密には、上部マントルの上には「地殻」という岩盤があり、上部マントルと地殻が接する部分を「プレート」とよんでいます。「プレート」は板状の岩盤なのですが、ドロドロした「マントル」のうえで少しずつ動いています。
※参考サイト
気象庁|地震発生のしくみ http://www.data.jma.go.jp/svd/eqev/data/jishin/about_eq.html
地震本部「地震をみてみよう」 http://www.jishin.go.jp/main/pamphlet/primary_school/primary_school_high.pdf
海溝型地震と内陸型(直下型)地震
私達がふだん使っている「地震」という言葉は、プレートや活断層が動くことによって発生する地震のことを指しています。ここでは原因別に、地震の種類を見ていきましょう。
プレートが原因でおきる地震
地球には10数枚のプレートがあります。日本は、このうちの4枚のプレートに囲まれており、それぞれが複雑に入り組んで動いています。そのため、ほかの国よりも地震が多く発生し、全体の約10%が日本とその周辺でおきているのです。
日本を囲む4枚のプレート
日本列島は、陸側に2枚(北米プレートとユーラシアプレート)、海側に2枚(太平洋プレートとフィリピン海プレート)の「プレート」に囲まれています。海側のプレートである太平洋プレートは1年間に8㎝、フィリピン海プレートは3~5㎝動いているといわれています。
海溝型地震
海側のプレートは、陸側へと沈み込んで動いています。このとき摩擦によって、陸側のプレートは引きずり込まれ、年々ひずみがたまっていくのです。このひずみが耐えきれなくなったとき、陸側のプレートは跳ね上がります。これまでたまっていた力が、一気に吹き出す感じといえるかもしれません。この動きが「海溝型地震」とよばれるもので、非常に大きな地震になることが特徴です。
2011年に発生した東北地方太平洋沖地震(東日本大震災をひきおこした地震)は、この海溝型地震にあたります。
活断層が原因でおこる地震
「断層」とは地下の岩盤のずれのことで、このうち過去に地震を引き起こし、今後もその可能性があるものを「活断層」とよんでいます。
内陸型(直下型)地震
内陸部にある活断層がずれることで発生する地震を「内陸型(直下型)地震」とよびます。ゆっくりと大きな揺れがおきる海溝型地震とくらべると、とつぜん下から突き上がってくる縦揺れとなります。
1995年に発生した兵庫県南部地震(阪神淡路大震災をひきおこした地震)や、2016年の熊本地震が、この内陸型(直下型)地震にあたります。
震度とマグニチュードのちがい
震度とマグにチュードの違い「なんとなくわかる」という方が多いのではないでしょうか?テレビで地震速報がながれると、必ず示される「震度」と「マグニチュード」。この違いをみていきましょう。
震度とは?
震度は「ある場所での地震による揺れの強さ」を表しており、各地に設置された震度計で測っています。揺れの強さは各地で異なり、気象庁では10段階(0、1、2、3,4,5弱、5強、6弱、6強、7)に分けています。この段階は日本独自のもので、震度0とは人が揺れを感じないが、震度計には記録されている状態です。
マグニチュードとは?
マグニチュードは「地震そのものの大きさ(地震のエネルギー)」をあらわす単位で、「M」をつけて示します。各地で大きさが異なる震度とはちがい、マグニチュードは1回の地震に対して1つの値になります。
マグニチュードが1大きくなると、地震のエネルギーは32倍になり、2大きくなると約1,000倍になります。たとえば、M7はM6の地震32個分で、M8はM6の1000個分のエネルギーになるのです。
【参考文献】
気象庁|震度・マグニチュード・地震情報について https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq27.html#4
地震本部「地震をみてみよう」 https://www.jishin.go.jp/main/pamphlet/primary_school/primary_school_high.pdf
地震の発生確率は低くても安心できない
2016年の熊本地震を引き起こした断層の地震発生確率は、30年以内で1%だったといいます。日本では発生確率が90%とも言われている地域があるなかで、1%だと聞いたら「大丈夫だな」と思ってしまうかもしれません。
しかし、日本には、まだ見つかっていない活断層があり、どこで地震が起きてもおかしくないといわれています。発生確率だけを頼りにすることなく「大きな地震はどこでも起こり得る」という気持ちを忘れずにいましょう。
【参考文献】
内閣府|地震災害・防災情報 http://www.bousai.go.jp/kyoiku/hokenkyousai/jishin.html
まとめ
これまで日本は多くの地震被害にあってきました。もうこれ以上、地震はおきないでほしいと、わたしたちは願うところです。しかし残念ながら、日本列島は地震がいつおきてもおかしくない状況におかれています。
今回、地球の構造から地震がおきる仕組みを学びましたが、地震に限らず台風や噴火といった自然災害は、今後も発生していくでしょう。
なぜ災害がおきるのか?を知ることは、わたしたちがこの地球で、どのように暮らしていくのが望ましいのか、できることは何なのかを考えることにもつながるでしょう。
人間は、過去の経験やデータから、災害による被害を少しでも防ぐための努力をしてきました。ふだんの日々の生活のなかで、私達ができることもたくさんあります。これからもいっしょに災害に備えていきましょう。
【参考文献】
地震本部 https://www.jishin.go.jp/
宮城県沖 | 地震本部 https://jishin.go.jp/regional_seismicity/rs_kaiko/rs_miyagioki/
都道府県ごとの地震活動 | 地震本部 https://www.jishin.go.jp/regional_seismicity/
被害地震 | 地震本部 https://www.jishin.go.jp/resource/terms/tm_hazardous_earthquake/