スーパーサイクルとは?超巨大地震の発生はもう想定外ではない

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スーパーサイクルとは、数百年単位で繰り返す超巨大地震の発生周期のことです。

2011年3月11日の東日本大震災も、このスーパーサイクルによるものということがわかりました。

そして2021年11月現在、日本ではこのスーパーサイクルによる超巨大地震の発生が危惧されている地域が明らかになっています。

この記事では、「スーパーサイクルによる超巨大地震の発生が懸念されている地域」と「スーパーサイクルによる被害を伝えているもの」、そして「どのように備えれば良いのか」お伝えします。

危険を知って、日頃の備えに生かしてみませんか。

目次

スーパーサイクルによる超巨大地震~南海トラフ、千島海溝沿い

3.11クラスの地震は数百年単位で発生する

繰り返しますが、スーパーサイクルとは数百年単位で繰り返す超巨大地震を発生させる周期のことです。

東日本大震災が発生して以降、テレビなどで取り上げられる言葉には「想定外」や「1000年に1度」というものがありました。

死者数が約2万人という甚大な被害をもたらすほどの地震・津波の発生は「想定外」であり、そしてこのような大地震は1000年に1度程度くるものであると。

しかし、スーパーサイクルが明らかになった現在、東日本大震災クラスの大地震と津波の発生は「想定外ではなく、数百年単位で発生するもの」となっているのです。

南海トラフの震源域の化石調査からスーパーサイクルは割り出された

南海トラフ沖地震の震源域にあたる地域の化石を発掘・分析したのが、独立行政法人 産業技術総合研究所(地質調査総合センター研究グループ長)の宍倉正展さん(以下、宍倉さん)です。

宍倉さんは、フジツボなどの「海辺に生息する化石」過去5500年分を発掘、分析しました。その結果、400~600年周期で巨大地震が発生していることを明らかにしたのです。

南海トラフでのスーパーサイクルによる直近の超巨大地震は、1707年に発生した宝永地震とされています。2021年現在すでに300年以上が経っているため、次の南海トラフ地震がスーパーサイクルによるものとみられているのです。

しかし、それ以上に切迫した状況にあるとみられているのが、北海道の千島海溝です。

千島海溝6500年分の津波堆積物から、350年程のスーパーサイクルが判明

北海道東部の沖合にある千島海溝。宍倉さんたちは、過去6500年分の津波堆積物を調査し、ここでは350年前後でスーパーサイクルによる超巨大地震が発生していることを割り出したのです。

政府の地震調査研究推進本部「千島海溝沿いの地震活動の長期評価(第三版)のポイント」では、千島海溝では前回の超巨大地震から400年以上が経っているため、超巨大地震が「切迫している可能性が高い」としています。

このほか、房総半島東の沖合にある日本海溝沿いでも津波の痕跡が見つかり、繰り返し起きている可能性もあるとして今後調査を進めるとしています。

スーパーサイクルによる地震の証拠を現代に伝えているもの

宍倉さんたちは、3.11の発生前に仙台平野や石巻平野における地下の地質を調べていました。津波堆積物と呼ばれる砂が混じった層があることを発見し、東北沖では600年程度の間隔で巨大地震・津波が発生してきた可能性が高いと見ていました。

さらに、このスーパーサイクルによる直近の地震から、すでに600年が経っているとして、超巨大地震の発生が切迫していると訴えていたのです。

内陸部の地質からも津波堆積物が発見された

さらに津波堆積物は、海岸から3~4km離れた地点においても見つかっており、巨大な地震によって内陸にも津波が襲来していたことが示されているのです。

東日本大震災においても、「まさかここまで津波が襲ってくるとは思わなかった」という地域にまで津波が押し寄せているのは、報道でも繰り返し伝えられています。

石碑には過去の被害や伝承が刻まれている

青森県、岩手県、宮城県の沿岸部である三陸地方は、明治・昭和とそれぞれ大地震・大津波に見舞われてきました。

「明治三陸地震」と呼ばれる地震。明治29(1896)年6月15日19時32分、現在の釜石市東方沖を震源としてマグニチュード8.2の地震が発生。約2万2千人の命が犠牲となっています。

明治三陸地震から37年後の昭和8年(1933年) 午前2時30分。マグニチュード8.1、岩手県宮古市で最大震度5を記録した「昭和三陸地震」では、津波の第一波が約30分後に到達しているのです。

この地域には数多くの石碑があり、津波到達地点や「ここから下には家を建てるな」など先人からの切実な想いが刻まれています。

東日本大震災や津波関連の資料を公開している「いわて震災津波アーカイブ」では、石碑に刻まれた伝承・被害を知ることができます。

◇関連記事:「てんでんこ」とは何か?共倒れせずに未来へ命をつなぐための言葉https://bousai.nishinippon.co.jp/359/#index_id2

スーパーサイクルに備えて今できることとは?

災害は日常のなかに突然やってきます。

それは、スーパーサイクルによる超巨大地震だけに当てはまることではありません。ですが、スーパーサイクルが明らかになったことで「想定外」とは言えない状況にあります。

東北大学災害科学国際研究所の今村文彦教授は、『地球で生きている限りは、巨大地震・津波は避けられない』と話しています(NHK 明日をまもるナビ 2021年11月7日放送「震災10年 巨大津波にどう備える」より)。

あなたが今、「そのとき」に備えて一番知りたいのはどんなことでしょう?

避難方法や防災グッズについてでしょうか、それとも災害そのものの知識を得ることでしょうか。

現代は、昔よりはるかに多くの手段によって災害に備えるための情報が発信されています。

それらを受け取ったとき、その情報を「どのように災害対策へと生かし、どう行動するのか」は、私たち一人ひとりの選択、判断によるのかもしれません。

まずは今、一番知りたいこと備えたいことに取り組んでみませんか?

【参考文献】

NHK 明日をまもるナビ 2021年11月7日放送「震災10年 巨大津波にどう備える」 https://www.nhk.or.jp/ashitanavi/broadcast/3187.html

NHK 明日をまもるナビ「切迫する巨大津波にどう備える」 https://www.nhk.or.jp/ashitanavi/article/3293.html#mokuji03

NHK NEWS WEB:痕跡調査で浮かぶ「スーパーサイクル」”超”巨大地震の周期 https://www3.nhk.or.jp/news/special/saigai/select-news/20210311_01.html

excite【警告】南海トラフが各地の断層と連動、日本全土が揺れまくる「全日本大震災」が迫っている! 列島は“大地変動の時代”にガチ突入、絶望的事態 https://www.excite.co.jp/news/article/Tocana_201807_post_17615/

十勝毎日新聞電子版「「今の北海道は3・11前の東北と似ている」 必ず来る道東沖超巨大地震 急がれる観測強化、考えるべき社会とは」https://kachimai.jp/article/index.php?no=202139142047

スーパーサイクルとは何ですか?

超巨大地震を発生させる周期のことです。その周期は数百年単位とされており、東日本大震災の発生もスーパーサイクルによるとされています。

(以上)

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

東北出身&在住フリーライター。
広告代理店・NPO・行政で勤務後、在宅ワーカーに転身。
妊娠中に東日本大震災に遭い、津波から避難・仮設住宅で子育てをする。
本サイトでは「命を守るために知っておきたいこと」「日常に潜むリスクへの備え」などについて発信します。
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