耐震性能は耐震等級を見るだけで十分?!購入前に知っておきたい4つのポイント

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地震の揺れに耐える力を示す「耐震性能」と、それを数値で示した「耐震等級」。これから家を購入する方にとっては、どちらも気になるポイントではないでしょうか。

地震に強い家を建てるために大切なことは他にもあります。ですが、専門家ではない私たちが、その全てを理解するのは不可能です。

そこで今回は「知っておきたい4つのポイント」としてまとめてみました。

知らずにいると必要以上の出費や、思わぬトラブルに巻き込まれてしまう可能性も。マイホームを購入する予備知識として、ぜひお役立てください。

目次

【ポイント1】耐震性能を数値で示した「耐震等級」

住宅の耐震性能は「耐震等級」という数値で知ることができます。3段階に分けられているので、まずは、どのくらいの耐震性能を示しているのか確認してみましょう。 

耐震等級1|建築基準法の基準を満たしている

建築物の構造等に関する最低基準を定めている「建築基準法」。この法律の基準を満たす耐震性能レベルが、耐震等級のなかで最も低い「耐震等級1」です。

1)数百年に一度程度、発生する地震の力(震度6強から震度7相当)に対して、倒壊・崩壊等をしない程度であり、

2) 数十年に一度程度、発生する地震の力(震度5相当)に対して、損傷を生じない程度 とされています。

一つ注意していただきたいのが、1)の「倒壊・崩壊等をしない」という表現です。震度6強から震度7相当の地震で、「倒壊はしないけれども、損傷する可能性はある」ということです。

命を守る上で、住宅が倒壊しないことは、非常に重要なポイントです。

ただ、ここで注目する視点は「地震が発生した後も、そのまま住むことが可能かどうか」ということです。損傷の状態によっては、建て替えが必要になる可能性もある、ということも認識しておきましょう。

なお、建築基準法における「新耐震基準」とは、1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を取得した住宅に適用されています。

これは、1978年(昭和53年)に発生した宮城県沖地震(マグニチュード7.4、震度5)が契機となり、1981年(昭和56年)に大きな改正がおこなわれたことによるものです。改正前の基準を「旧耐震基準」として、その区別をおこなっています。

耐震等級2|長期優良住宅や避難所の水準

次に、耐震性能が高いのが「耐震等級2」です。「耐震等級1の1.25倍」の耐震性能になり、この水準は、学校や体育館など避難所になる建築物に求められるものです。

さらに、国から「良い状態で長く住むことができる優れた住宅」として認められた、「長期優良住宅」の水準でもあります。

耐震等級3|消防署や警察署の水準

最も高い耐震性能を示すのが「耐震等級3」で「耐震等級1の1.5倍」、災害の拠点となる消防署や警察署に対して求められる水準です。

この水準で住宅を建てる場合、間取りなどに制限がかかるため「希望どおりの設計にできない可能性」も出てきます。マイホームを購入するうえで「何を重視するのか」「優先順位はなにか」を考えてみると判断しやすいですね。

そうは言っても「何をもとに、どう検討したら良いかわからない」という場合もあるでしょう。

そこで次に、耐震性能も含めた「住宅の性能」に関してお伝えします。

ポイント2耐震等級は法律にもとづいた制度によって示されている|住宅性能表示制度

住宅の性能は「住宅性能表示制度」にもとづいて示されています。この制度では、耐震性能のほかにも大切な、住宅の性能や評価について定められています。

マイホームの購入を漠然と考えている方、どの住宅にしようか悩んでいる方にとっては、知っておくと役立つポイントが満載です!

制度の基本的な内容について見ていきましょう。

住宅性能表示制度は品確法で定められている

住宅性能表示制度は、2000年(平成12年)に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(通称:品確法)」に基づいて、運用がスタートされました。

この法律では、主に次の3点を定めています。

① 住宅性能表示制度 

② 住宅の紛争処理に関する体制 

新築住宅における瑕疵(かし)担保期間

冒頭でお伝えしたとおり、耐震性能を示した耐震等級は、①の住宅性能表示制度によって示されています。

②の住宅の紛争処理に関する体制については、①の住宅性能表示制度によって評価をうけた住宅が対象です。

③の新築住宅における「瑕疵(かし)担保期間」とは、わかりやすく言い換えると「住宅に何か欠陥があった場合メーカーが責任を取る期間」のことで、その期間は10年間となっています。

耐震性能を示す「耐震等級」と「耐震等級相当」は違う

耐震等級は住宅性能表示制度において定められた、全国共通の基準です。

そんなの当たり前と思われるかもしれませんが、実は大事なポイント。耐震等級は、各ハウスメーカなどが独自におこなう耐震実験等の結果とは異なるのです。

「耐震等級2相当」と表示されている場合、あくまでも「耐震等級2に対応するレベル」であって、耐震等級2ではありません。

住宅の性能を数値で示す「日本住宅性能表示基準」

住宅性能表示制度では、住宅の性能を数値で示しており、この数値は「日本住宅性能表示基準」と呼ばれます。耐震性能を示す「耐震等級」も、この基準の一つです。

住宅の性能のなかで、この基準が示されているのは、次の10分野です。

構造の安定 ②火災時の安全 ③劣化の軽減(建物の耐久性) ④維持管理・更新への配慮 ⑤温熱環境(断熱性)⑥空気環境(ホルムアルデヒド対策、換気) ⑦光・視環境 ⑧音環境 ⑨高齢者等への配慮 ⑩防犯対策

耐震性能を示す耐震等級は「①構造の安定」で定められています。ここでは、耐震(地震)のほかにも、「暴風・積雪・地盤(または杭)・基盤」についても基準が示されています。

ここまでは、耐震性能という、住宅の性能を示す「基準」に関してお伝えしました。

次に「住宅の評価」について解説します。

ポイント3耐震性能は第三者機関の評価で客観的に知ることができる|住宅性能評価書

住宅の性能を評価する方法は、住宅性能表示制度において「評価方法基準」として定められています。

そして、実際に住宅の性能を評価するのは、国の基準を満たして評価機関として登録された、第三者機関(=登録住宅性能評価機関)になります。そして、調査した結果は「住宅性能評価書」として示されます。

マイホームの購入といっても、注文住宅だけでなく、分譲住宅や中古住宅もありますね。判断に迷ったときには、この「住宅性能評価書」に基づいて比較検討すると、判断しやすくなります。

住宅性能評価書は住宅に必須の条件ではない

客観的に住宅の性能を知ることができる「住宅性能評価書」ですが、各住宅に必須のものではありません。住宅の購入者が、必要に応じて取得するものなので、気になる時には担当の方に確認してみましょう。

住宅性能評価書の取得に費用がかかるがメリットもある

住宅性能評価書の取得には費用が発生します。具体的な金額は住宅の規模等によるため、10万円台の場合もあれば50万円程かかるなど、一律ではありません。

そのため、後述するように、住宅性能評価書の交付には費用がかかるため、取得しない分、住宅の費用を安くしているケースもあります。

少しでも出費をおさえたいところですが、「住宅性能評価書」を取得することで得られるメリットもあります。ここでは、2点ご紹介します。

地震保険の割引が受けられる

耐震等級のレベルによって、地震保険料が10%から50%の割引を受けることができます。

住宅に関するトラブルには、専門的な紛争処理が受けられる 

万が一、住宅性能評価書を取得した住宅に関してトラブルが発生した際、弁護士会に紛争処理を申請することができます(申請手数料は、1件あたり1万円)。

住宅性能評価書に記載されている内容だけでなく、売買契約など当事者間のすべての紛争処理が対象です。

【ポイント4】地盤の強さも大切~インターネットで調べてみる

最後に、地盤についてお伝えします地震に強い家を購入するうえでは、地盤の強さも大切です。地盤が弱いと液状化しやすかったり、地盤改良の費用がかかったりします。

インターネット上でも調べられるので、一度確認してみると良いでしょう。いくつかあるのですが、ここでは次のサイトをご紹介します。

ジオテック「インターネットで住宅地盤情報」https://www.jiban.co.jp/geodas/                              地図上のマークによって、良好地盤や軟弱地盤などがひと目でわかる 

ジャパン ホームシールド「地盤サポートマップ」https://supportmap.jp/#13/35.6939/139.7918                          地質や標高など幅広い項目についても知ることができる 

地震に強いマイホームの購入に向けて知っておきたいポイント

地震は自然災害であるがゆえに、どれだけ備えていても「これで絶対に大丈夫!」、と言い切れるものではないかもしれません。

ですが、「知っていたらやっていたのに‥」という後悔は、正しい情報・知識を得ることで確実に避けることができます。

今回は、家を買う前に知っておきたい4つのポイントとして「耐震等級」「住宅性能表示制度」「住宅性能評価書」「地盤」についてお伝えしました。

地震対策に関しては、この他にもたくさん大切な点はありますが、まずは一つずつ「知っていること」を増やしながら、安心して住めるマイホームを購入されてはいかがでしょう。

 

【参考文献】

ライフルホームズ:不動産用語集「耐震性能」https://www.homes.co.jp/words/t1/525000281/

住まいの情報発信局「新築住宅の 住宅性能表示制度 住宅性能表示制度ガイド」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/torikumi/hinkaku/070628pamphlet-new-guide.pdf

SAYSの家「Vol.10 耐震等級1・2・3でどう違う?耐震の基礎!【2020年版】」https://www.saysinter.com/column/vol10/

e-GOV 法令検索「住宅の品質確保の促進等に関する法律」https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=411AC0000000081

スーモ「住宅性能評価書とは?どんなことを評価するの?メリットや費用も解説」https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/ms_shinchiku/ms_sagashi/jutakuseinouhyokasho/

住宅性能評価・表示協会「制度のメリット」https://www.hyoukakyoukai.or.jp/seido/merit.html

住宅情報館:住宅性能評価の交付が過去最高に。住宅の性能を「見える化」するメリットとは? https://www.jutakujohokan.co.jp/article/2020/10/08/housing-performance/

SUMO「早分かり!耐震性の目安、改正後の新耐震基準について学ぼう」https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chukoikkodate/ck_knowhow/c0twn109/

NIKKEY STYLE:耐震性だけではない 倒壊危険度を左右する「地盤」https://style.nikkei.com/article/DGXMZO99921230R20C16A4000000/

NIKKEY STYLE:「耐震性能を第三者機関が評価  地震保険の割引も」住宅、地震に備える(3)https://style.nikkei.com/article/DGXMZO03874520R20C16A6PPE001?g_cid=lc

ミサワホーム「耐震とは?制震とは?」https://www.misawa.co.jp/taishin/

トキワシステム「耐震・制震・免震の違いとは?コストやメリット・デメリットについて解説」https://www.tokiwa-system.com/column/column21/

パナソニック:木材軸組構法の構造の基本「鉛直荷重と水平荷重」https://sumai.panasonic.jp/sumu2/fusezu/content01/1_05.html

(以上)

備えておこう!おすすめの防災グッズ

これから用意しようと思っている方におすすめなのが「Defend Future」の防災士が監修した防災グッズ。自分でリュックに詰められるようになっていたり、簡単に手に入りやすい紙皿などは除いているなど、個人が防災にきちんと向き合えるようになっています。

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この記事を書いた人

東北出身&在住フリーライター。
広告代理店・NPO・行政で勤務後、在宅ワーカーに転身。
妊娠中に東日本大震災に遭い、津波から避難・仮設住宅で子育てをする。
本サイトでは「命を守るために知っておきたいこと」「日常に潜むリスクへの備え」などについて発信します。
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